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サン・マイクロシステムズ、“Java Computing 2005 Spring”を開催――Java誕生10周年を祝う“前夜祭”イベント


2005年3月10日

サン・マイクロシステムズ(株)は10日、東京・六本木ヒルズの六本木アカデミーヒルズ40において、“Java”テクノロジーに関する技術カンファレンスおよび関連製品展示会“Java Computing 2005 Spring”を開催した。会期は2日間で、11日も開催される。

今年は、Javaテクノロジーが発表(1995年)されて10年の節目の年にあたり、同社および米サン・マイクロシステムズ社では、誕生10周年記念のイベントを3つ企画しているという。今回開催された“Java Computing 2005 Spring”は、“前夜祭”的位置付けのもので、今後、6月には米国で記念祭のメインイベント“JavaOne San Francisco ”が、11月には再び会場を東京に移し“Java Computing 2005 Fall”(仮称)が“後夜祭”として、それぞれ開催される。今回の“Java Computing 2005 Spring”では、Javaテクノロジーの10年を振り返り、今後のコンピューター・ビジネスの展望を示す技術情報の提供を行なっていくとしている。




代表取締役社長のダン・ミラー氏

10日に行なわれた基調講演の冒頭に登壇した代表取締役社長のダン・ミラー(Dan Miller)氏は、日本語で「Duke(デューク、Javaのマスコットキャラクター)、お誕生日おめでとう」とJava誕生10周年の祝辞を述べるとともに、「Javaの育ての親である来場者の皆さんにもお祝いとお礼を言いたい」と語った。また、Javaの現在の普及状況については「火星探査機の車輪制御から、電動歯ブラシやライターに至るまで」と表現し、幅広い分野にまで浸透している現状を説明した。


取締役フィールド・マーケティング統括本部長の杉本博史氏

ミラー氏の挨拶に続いては、取締役フィールド・マーケティング統括本部長の杉本博史氏が進行役を務めるスタイルで基調講演の本編がスタートした。杉本氏はまず、Javaを活用した商用サービスの例のひとつとして、(株)エイタロウソフトのプロ野球の試合速報用システム(試合の経過を3Dグラフィックスでの再現映像を交えて配信)を紹介、3Dグラフィックスやリアルな音声も扱えるように進化しているJavaについて、「(10周年を迎えて)Javaテクノロジーは新しい時代、新しい次元へ」と進化を進めていくと述べた。


米サン・マイクロシステムズのシニア・スタッフ・エンジニア、クレイグ・マクナラハン氏

本編最初のスピーカーは、JavaServer Faces 1.0の仕様策定リーダーを務め、ウェブアプリケーション向けフレームワーク“Struts”のオリジナルクリエイターでもある、米サン・マイクロシステムズのシニア・スタッフ・エンジニアでSun Java Studio Creatorのアーキテクト、クレイグ・マクナラハン(Craig McClanahan)氏。同氏は、Javaテクノロジーのエンタープライズ分野での進化や、JavaServer Pages(JSP)やJavaServer Faces(JSF)の歴史と今後などについて説明を行なった。特に、Javaテクノロジーの今後の進化の方向性としては、将来的には“ウェブアプリケーション”と“リッチクライアントアプリケーション”の垣根がなくなり、ウェブアプリケーションであっても、リッチクライアントアプリケーションのように優れたデザインやインターフェースを持つアプリケーションが実現するだろうとした。また、モバイル向けの技術や開発ツールの一本化も進むと見ているという。

IT media編集局・エンタープライズ編集部編集長の浅井英二氏
マクナラハン氏のセッションに続いては、アイティメディア(株)のIT media編集局次長でエンタープライズ編集部編集長の浅井英二氏が司会進行を行なって、Javaテクノロジー黎明期からJavaに携わる日本国内のキーパーソン6名によるパネルディスカッションが行なわれた。参加者は、稚内北星学園大学の丸山不二夫氏、富士通(株)の作田真樹氏、日本BEAシステムズ(株)の中嶋睦月氏、日本アイ・ビー・エム(株)の清水敏正氏、日本オラクル(株)の鈴木俊宏氏、サン・マイクロシステムズの門間純一氏。



稚内北星学園大学の丸山不二夫氏(写真左)と富士通の作田真樹氏(写真右)。丸山氏は世界で一番早いJavaの授業を実施したといい、「(以前は)β仕様のころから授業をやっていたと自慢していたが、過去の資料をよく調べてみたら、講義の第1回から12回まではα仕様だった」という。作田氏は、オブジェクト指向に則ったビジネスを模索していた1995年にJavaと出会い、「来たな」と直感したという
日本BEAシステムズの中嶋睦月氏(写真左)と日本IBMの清水敏正氏(写真右)。中嶋氏は1996年に個人の立場としてJavaの勉強会を開催。清水氏はJava発表当時、サーバー向けOS/2に従事。その後、Javaに取り組み始め、「クライアントで使っているだけのうちは大して興味はなかったが、1999年ごろ、エンタープライズ向けに取り組み始めてから本気に」なったという
日本オラクルの鈴木俊宏氏(写真左)とサン・マイクロシステムズの門間純一氏(写真右)。鈴木氏はJava発表当時は日本IBMに在籍していたが、オラクルがJavaに取り組むと聞いて、オラクルに転職。一方の門間氏は、鈴木氏がJavaに取り組むためにオラクルに移籍したのに対し、Javaに取り組むために“本家”のサンに転職。Javaには「人生をかけて取り組みたい」とのこと

今後のJavaに求めるものとしては、

  • 性能、品質、互換性を満たす環境の実現による顧客満足度の向上
  • Java VMの品質向上
  • 言語仕様面での拡張を進めすぎて“肥満児”にならないような成長

を一様に挙げたほか、Java開発者に向けたメッセージとして中嶋氏が「将来、不良債権と呼ばれないような、オブジェクト指向を実現した開発を」と呼びかけるなど、長期間、幅広い分野において、一層のJavaテクノロジーの発展に期待を寄せた。

この基調講演のほか、カンファレンス会場前のイベントスペースでは、協賛スポンサー各社による展示や、Duke関連グッズの即売なども行なわれた。サン・マイクロシステムズの杉本氏によると、基調講演には座席数1000席強のところに2000人近い参加登録者が集まったといい、基調講演会場、イベントスペースともに、多数の来場者がごったがえす盛況ぶりを見せ、パネルディスカッションの司会を務めた浅井氏は、このイベントの様子を見て、「(Java開発者)コミュニティーの熱気を感じる」とコメントしている。

展示スペースに入るとすぐに遭遇する巨大Dukeぬいぐるみ。サン・マイクロシステムズの用賀オフィスにも佇んでいるが、間近に見るとやはりデカい!
大々的に展示を行なっていたのはiモード対応携帯電話でJavaテクノロジーを積極的に取り入れた(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ。iモードFeliCaを使ったドリンク販売の実演なども行なっていた
基調講演後、一番の人だかりになっていたのはDukeグッズの即売スペースだろう。多数の来場者が集まり、グッズを手に取っていた


(編集部 内田泰仁)


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