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【PIE2005 Vol.2】「PHOTOKINA、PMAに並ぶ国際的なカメラショーにしたい」――開催記念メッセージ“写真文化と技術の将来像”より

2005年03月17日 15時38分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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開催記念メッセージ“写真文化と技術の将来像”と題した講演に出席する、4団体の代表
開催記念メッセージ“写真文化と技術の将来像”と題した講演に出席する、4団体の代表

東京・有明の東京国際展示場で開催中のカメラ・写真関連の総合展示会“フォト イメージング エキスポ 2005”の初日午前中に、主催4団体の会長による開催記念メッセージ“写真文化と技術の将来像”と題した講演が会議棟・レセプションホールで行なわれた。

講演では、カメラ映像機器工業会(CIPA)の会長の浦野文男氏、写真感光材料工業会の会長の古森重隆氏、日本カラーラボ協会の会長の田中康夫氏、日本写真映像用品工業会の会長の山中 徹氏が順に登壇し、それぞれの会の活動内容や、今年初めて合同開催となったフォト イメージング エキスポへの意気込みなどを示した。



カメラ映像機器工業会(CIPA)の会長の浦野文男氏
カメラ映像機器工業会(CIPA)の会長の浦野文男氏
CIPAの活動内容
CIPAの活動内容

ペンタックス(株)の代表取締役社長でもある浦野氏は、カメラの歴史や果たしてきた役割などを振り返りながら、「カメラは歴史の記録手段だけでなく、コミュニケーションやエンタテインメントとしての役割も担うようになった。(携帯電話など)ほかの製品との融合が進み、ユビキタス社会における“映像の入り口”としての役割も重要視されている」と現在のカメラ(特にデジタルカメラ)を取り巻く状況を示した。また、CIPAの役割について、「ISO(International Organization For Standardization、国際標準化機構)に基づく国際規格の認証と普及・啓蒙活動。さらに、I3A(International Imaging Industry Association、国際的な写真・映像機器の業界団体)に基づき、国際強調や環境問題、貿易障壁排除活動などを行なっている」と説明した。



写真感光材料工業会の会長の古森重隆氏
写真感光材料工業会の会長の古森重隆氏
銀塩写真の将来性
銀塩写真の将来性

富士写真フイルム(株)の代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)の古森氏は、同社のTV CFのキャッチフレーズ“かんたん、きれい、色あせない”をアピールしながら、写真感光材料工業会として、「デジタルカメラの普及によりシャッターを切る機会はフィルムカメラの4~5倍に増えたといわれる。これをいかにプリントにつなげるかが課題」と問題を提起し、“お店プリント”のいっそうの認知・普及やインターネット経由でのプリントサービスの充実が重要と述べた。また、「銀塩(フィルム)の技術はまだ発展途上であり、ナノテクノロジーを生かした超微粒子の高感度の追求(ストロボレス撮影)、深い映像表現や質感描写、記録を長く繋いでいく保存性の向上(長期保存)、さらに“クイックスナップ(日本では『写ルンです』の名称で売られる、レンズ付きフィルム)”による撮影コスト低減」などが、銀塩(フィルム)業界の将来を担う重要な位置づけにあると話した。



日本カラーラボ協会の会長の田中康夫氏
日本カラーラボ協会の会長の田中康夫氏

富士フイルムイメージング(株)の代表取締役社長の田中氏は、通常のプリント以外の写真の楽しみ方として、大判印刷やシールプリント、カードプリント、QRコード(2次元バーコード)と組み合わせた音声データとの融合、“デジカメ同時プリント”というサービス名称で提供している印刷とCDメディアへのデータ記録サービスなどを紹介。「今後も“もっと写真を楽しもう”をテーマに新しい提案を続けていく」と意気込みを示した。

日本写真映像用品工業会の会長の山中 徹氏
日本写真映像用品工業会の会長の山中 徹氏

最後に(株)ケンコーの代表取締役社長の山中氏が、「カメラ用品は多くのベテランやマニアをひきつけ、写真に差をつける製品といわれる。(日本写真映像用品工業会が作成している)カタログは、店頭のカタログとしての役割だけでなく、ユーザーマニュアルとしても使われている。今年はB5版からA4版に大型化し、内容もデジタルカメラ撮影の実践ガイドや用語集、用品活用ガイド、撮影スポットガイドなどを収録している。今後は電子化もすすめていきたい」と活動方針を紹介した。最後に、「PHOTOKINA(ドイツで開催される世界的なカメラ・写真ショー)やPMA(米国で開催されるカメラ・写真ショー)など、海外のショーと比べると、出展される中小・中堅の企業の数がまだまだ少ない。今後は一社でも多くの企業が出展してもらえるように努力していく。望遠鏡、双眼鏡、文具関係など、仲間を増やして立派なショーにしていきたい」と強い決意を語った。

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