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【IDF Japan 2005 Vol.2】“インテル・デベロッパ・フォーラム Japan 2005”開催――基調講演ではデジタルエンタープライズからデジタルホーム、研究開発についての講演を行なう
2005年4月7日
プラットフォーム戦略のための大再編
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超小型PC“RUBY”を手に講演を行なう米インテル デジタル・エンタープライズ事業本部 本部長のアビ・タルウォーカー氏 |
米インテル社のハードウェアやソフトウェアなど、さまざまな最新技術や製品が公開される開発者向け会議“インテル・デベロッパ・フォーラム Japan 2005”(IDF-J)が、7〜8日の2日間、東京港区台場のホテル日航東京にて開催される。午後より行なわれた基調講演では、ビジネスの主軸を担うデジタル・エンタープライズ事業本部とデジタルホーム事業本部それぞれの事業部長と、研究開発部門の統括部長が登壇し、同社のプラットフォーム戦略や研究開発の重点項目についての講演を行なった。
昨日の記事でも触れたように、同社は今年1月に大規模な組織再編を行ない、エンドユーザー別に異なるプラットフォームに分けた5つの組織が誕生した。今回のIDF-Jにはそれら5つの事業本部のうち、2つの事業本部から事業本部長が来日して講演を行なうなど、これからのインテルのビジョンが日本国内で幅広く公開される最初の機会となった。初日の基調講演では、同社副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のアビ・タルウォーカー(Abhi Y.Talwalkar)氏、デジタルホーム事業本部副社長兼デジタルホーム事業本部長のドナルド・マクドナルド(Donald J. MacDonald)氏、インテル・シニア・フェロー兼コーポレート・テクノロジ統轄本部長のジャスティン・ラトナー(Justin R. Rattner)氏が次々と登壇して講演を行なった。
インテル(株)代表取締役 共同社長の吉田和正氏の紹介に続いて登壇したタルウォーカー氏は、インテルの“革新”を支える3つの要素として、“シリコン(半導体技術)”“ビルディングブロックのプラットフォームやソリューションへの統合”“ソフトな革新の側面としての教育や政治”の挙げて、これらをテーマに講演を行なった。まず半導体技術では、革新をエンドユーザーに生かし、ニーズをしっかりと把握するために、製品戦略のプラットフォーム化を行なうことで市場でのアプローチも変えていくとした。業界と一緒になって取り組んだプラットフォームの例として、タルウォーカー氏は“Centrinoモバイルテクノロジー”を例に挙げ、ビジネスモバイルユーザーが求める要素を分析し、各要素を実現するための技術開発を業界各社と協力しながら進めた。さらにマーケティングに3億ドル(約324億円)もの巨費を投じて、こうしたプラットフォームに対するエンドユーザーへの認知を高めたり、同様に巨額なファンドも用意して、無線LANアクセスポイントの設置を世界中で推進するといった戦略の推進によって、今では無線LANをどこででも使えるようになったと、Centrinoの取り組みと成果について語った。そしてこうした成功を元に、エンドユーザーのセグメントごとに会社を大きく分けたのが、1月の再編の理由であったとタルウォーカー氏は述べた。
またタルウォーカー氏は同社が現在アグレッシブに取り組んでいる分野として、“デュアル/マルチコア”を取り上げた。マルチコアはサーバー、デスクトップ、モバイルの全分野で進んでいて、その理由としてさらなるパフォーマンスの向上と、熱や消費電力の問題の解決を挙げた。マルチコア・マルチスレッドはサーバー分野だけでなく、家庭のデスクトップでもマルチメディアアプリケーションの性能向上などで効果があるとして、パフォーマンス向上がもたらす技術について、デモを交えて説明した。まず披露されたのは、パソコン内にあるコンテンツ検索のユーザーインターフェースのデモで、グリッド状、または球形状に配置された写真やビデオのサムネイルを、画面の前で手を動かすことで上下左右に動かして、見たいコンテンツを探し出すというデモを行なった。将来は操作方法の変化だけでなく、ユーザーのニーズを予測して適切なタイミングでコンテンツを表示するといった機能が可能になるとした。
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タルウォーカー氏の講演で披露された、未来のユーザーインターフェースのデモ。ユーザーの手の動きを認識して、画面内のオブジェクトがぐるぐる動く。デジタル家電向けのインターフェースだろうか |
デュアルコアCPUを使ったプラットフォームのデモでは、デュアルコアCPU(Pentium DまたはPentiumプロセッサ エクストリームエディション)とIntel 955/945 Expressチップセットを使った2005年のデスクトップ向けプラットフォーム“Anchor Creek(アンカークリーク)”に基づいたホームパソコンや、ビジネスクライアント向けの2006年のデュアルコアプラットフォーム“Averill(アブリル)”に基づいたタワー型パソコンなどを披露した。さらには低電圧版Pentium M(コード名Dothan)を使ったPDAサイズのWindowsパソコン“RUBY(ルビィ)”や、(株)ビジネスデザイン研究所が制作した“ハローキティーロボ”(Pentium Mを搭載し、CCDカメラを内蔵。触れられると喋る)なども披露し、革新によってこうした新しい機器も手軽に買えるようになるとタルウォーカー氏は述べた。
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年内に登場予定のデュアルコアのPentium DやIntel 955/945チップセットを使った“Anchor Creek”プラットフォームのホームパソコンのデモ機 |
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デスクトップクライアント向けのデュアルコアCPUプラットフォーム“Averill”ベースのパソコンを披露するタルウォーカー氏 |
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デュアルコアとは関係ないが、Pentium Mを搭載するハローキティーのロボットも講演に登場した |
またインフラ面の革新として、Wi-Fiについで重視して取り組んでいる無線技術として“WiMAX”についても触れた。WiMAXは通信距離が最大で48kmにも達しながら、通信速度が最大70Mbps程度にもなるという公衆無線LAN向けの技術で、ブロードバンドインターネット接続の普及がなかなか進まない米国では、非常に期待されている技術である。WiMAXについてはデモはなかったが、3Dの地図を用いて、Wi-FiではIDF-J会場のホテルを覆うのが精一杯だが、WiMAXではひとつのアクセスポイントで東京を覆えるというイメージを披露した。こうした広域ワイヤレス通信でシームレスな接続が可能となった都市のことを、タルウォーカー氏は“デジタルシティ”と称した。
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Wi-FiとWiMAXの違いを示すデモ映像。Wi-Fi(左)でカバーできる範囲と、WiMAXでカバーできる範囲の圧倒的な違いがイメージしやすい |
講演の最後にタルウォーカー氏は、3つ目の要素である教育分野での取り組みについて語った。それによると同社では子供や学生、社会人に対する教育を非常に重要視しており、革新のパイプラインとなるとしている。教育向けプログラムには年間1億ドル(約108億円)もの投資を行なっていて、世界50ヵ国で行なわれている4つの大きな数学・理科教育プログラムや、世界12ヵ国の90カ所で“クラブハウス”と呼ばれる子供向けのパソコン教育とパソコンを使った学習方法のトレーニングを行なっているとした。また教員向けにパソコンの活用方法を教える“Teach to the Future”というプログラムも行なっているとした。このプログラムは世界30ヵ国で20万人もの教師が体験したとのことだ。
デジタルホームに向けたプラットフォームと製品群が続々登場
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デジタルホームのビジョンについて語るインテル デジタルホーム事業本部長のドナルド・マクドナルド氏 |
タルウォーカー氏に続いて登壇したデジタルホーム事業本部長のマクドナルド氏は、“すべての家庭にデジタルライフを”と題した講演を行ない、今年から来年にかけて登場するデジタルホーム向けのプラットフォームやプロセッサーについて語った。マクドナルド氏はまず昨日の記者会見でも述べられたように、コンシューマー向けのデジタルデバイスの市場が大きく拡大していることに触れ、世界中で10億世帯ほどが、なんらかの形ですでにデジタルホームになっていると述べた。そしてこうしたデバイス同士がネットワークでつながることにより、“メトカーフの法則”のようにデバイス同士がつながることでネットワークの価値が増大するとした。そして著作権保護されたコンテンツをネットワーク経由で楽しむために“DTCP/IP(Digital Transmission Contents Protection over IP)”や“DLNA(Digital Living Network Alliance)”といった業界団体の取り組みが進んでいることや、同社と米マイクロソフト社が共通の“デジタルホームビジョン”を持って、消費者ニーズの調査やマイクロソフトの著作権保護技術“Windows Media DRM”とDTCP/IPの相互運用性の実現などに取り組んでいるとした。また同社ではCentrinoで行なったのと同様に、2億ドル(約216億円)のファンドを用意して、デジタルホーム実現のための技術革新や製品開発を行なう企業に、世界規模での投資を行なっている。
続いてマクドナルド氏は、同社のデジタルホーム製品向けに予定しているプラットフォームやプロセッサーについてのロードマップを披露した。デジタルAV家電向けのプラットフォームとしては、2005年中にPentiumプロセッサーとIntel 830/854チップセットを供給するほか、デジタルディスプレー向け半導体を手がけていたイスラエルのOplus Technologies社を2月に買収することで合意したことにより、“Rembrand(レンブラント)”デジタルディスプレイプロセッサー、“Matisse(マチス)”デジタルビデオデインターレーサー、“Monet(モネ)”マルチメディアデジタルディスプレープロセッサーなどのデジタルディスプレー関連プロセッサー群(いずれもコード名)も供給可能となった。またスマートフォンなどの多機能携帯機器向けには、2005年にはXScaleアーキテクチャーのIntel PXA27xシリーズのCPUと“Hermon(ハーモン)”プラットフォームを組み合わせて提供。2006年にはその後継プラットフォームを提供するとしている。
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デジタルAV機器向けのプラットフォームロードマップ(インテルの基調講演資料より引用)。Oplus社買収により、一気にデジタルディスプレー向けのプロセッサー群を手に入れた |
もっとも興味を引くパソコン分野では、2005年から2006年にかけて、デスクトップとモバイルそれぞれに2つずつプラットフォームを提供する。ひとつは先のタルウォーカー氏の講演でも登場した2005年のデスクトップ向けプラットフォーム“Anchor Creek”で、これにはCPUとしてPentium Dまたはデュアルコア版の“インテル Pentiumプロセッサ エクストリームエディション”(プロセッサナンバーは840、名称がPentium 4ではない点に注目)、チップセットにはIntel 945/955X Expressチップセットを含む。またチップセット内蔵グラフィックス機能は、現行のIntel GMA900から、GMA950へとアップデートされる模様だ。64bit拡張技術“EM64T”もサポートされる。2006年のデスクトップ向けプラットフォームは“Bridge Creek(ブリッジクリーク)”と称されており、次世代のデュアルコアCPU“Presler(プレスラー)”、次世代チップセット“Broadwater(ブロードウォーター)”、新しいGbEソリューションなどが含まれるとされている。
一方2005年のノートパソコン向けプラットフォームは、1月に発表されすでに製品も多数登場している“Sonoma(ソノマ)”プラットフォームを展開する。大きく変わるのはデュアルコアCPUに対応する2006年のノート向けプラットフォーム“Napa(ナパ)”となる。Napaには65nm製造プロセスで作られるモバイル向け初のデュアルコアCPU“Yonah(ヨナ)”、内蔵グラフィックス機能を強化した新チップセット“Calistoga(カリストガ)”、無線LANチップセット“Golan(ゴラン)”などが含まれる。
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デスクトップ及びノートパソコン向けプラットフォームのロードマップ(インテルの基調講演資料より引用)。内容自体は既報のもので、特に新しくはなっていない |
マクドナルド氏はデジタルホームでのマルチコアアーキテクチャーの優位性を示すため、デモを披露した。2コア内蔵&ハイパースレッディングテクノロジーに対応した『Pentiumエクストリームエディション 840』(論理CPU数は4)を搭載したAnchor Creekベースのホームパソコンを使い、リビングではHD品質のビデオコンテンツを再生しながら、別のところでは3Dゲームを軽快に動作させるといったデモで、既存のパソコンでは実現困難な高負荷アプリケーション同士の同時実行でも、マルチコアCPUなら快適に実行できる可能性を実証してみせた。パソコンメーカー各社もデュアルコアCPUを搭載したパソコンをリリースする予定があるとして示されたスライドでは、日本電気(株)や富士通(株)、ソニー(株)や日立製作所(株)など、日本のメジャーなメーカーの名前も挙げられている。
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デュアルコアCPU搭載パソコンでHD品質のビデオを再生するデモの様子。2コア+HTで論理CPU4基を実現するPentiumエクストリームエディションを使用しているので、中央のTVの画面右下にCPUの負荷グラフが4つある |
またマルチコア以外のデジタルホーム向けの技術として、仮想マシン技術“Intel Virtualization Technology”を利用したマシンの保護のデモも披露された。家族で共用しているパソコンが、親側のマシンと子供側のマシンの2台に仮想化されているという設定で、子供側のマシンにスパイウェア入り込んだ際に、“リバート”と呼ばれる機能で親側から子供側の環境をスパイウェアが入る前に戻すという処理が実演された。
講演の締めくくりでマクドナルド氏は、ハードウェアの進化やコンテンツの普及によって、「デジタルホームは単なるビジョンではなく、現実のものとなってきた」とした。そしてデジタルホームのビジネスチャンスを確信させる製品として、米モトローラ社のスマートフォンやシャープ(株)の“液晶IT-TV”などと並んで、厚さがわずか20mmほどしかない、CPUにYonahを使用した超薄型デスクトップパソコンのコンセプトマシンや、家庭用ゲーム機ほどの大きさのホームサーバーパソコンのコンセプトモデルを示し、来場した開発者に向けて「ぜひ皆さんもデジタルホームに、大きく賭けるべきだと思う」として、デジタルホームの領域には大きなチャンスがあると訴えた。
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ノート向けのデュアルコアCPUを使用するという、超薄型の“スレンダー・フォームファクタPC”のコンセプトモデル。現行の薄型PlayStation2を意識しているようにも見える |
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ホームサーバー用途に使えるデュアルコアCPUを搭載する小型パソコンのモックアップ。前面のパネルには再生中のコンテンツの情報が表示されるのだろうか |
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半導体のスタッキングやシリコンレーザーの研究成果を披露
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インテルの技術開発を統括する、インテル・シニア・フェロー兼コーポレート・テクノロジ統轄本部長のジャスティン・ラトナー氏 |
基調講演のトリを勤めたのは、コーポレート・テクノロジ統轄本部長のジャスティン・ラトナー氏による、インテルの研究開発についての講演であった。ラトナー氏はまず、最先端のプロセッサーを搭載する製品は、コンセプトの段階から製品に至るまでに4〜5年かかるという認識を示し、新しい技術をプロセッサーに搭載するには、2〜4年前から努力をする必要があると述べた。
そして2015年のプラットフォームを考えた場合の技術の例として、声や視覚を使ったり、コンピューター側のインターフェースが人間を理解して人のミスを許容して振る舞う“ナチュラルシステム”が必要と述べた。「コンピューターから“ファイルが見つかりません”なんて答えが返ってくるようではまずいのです」(ラトナー氏)。また早期に身体の異常を把握できるような家庭用メディカルシステムなどもあり得るとした。また同社で研究開発されている技術として、先のタルウォーカー氏の講演でも登場した超小型パソコンRUBYや、携帯電話内蔵カメラのような低解像度のデジタルカメラの映像を、複数フレームの情報を参照して補正することで鮮明な絵を作り出す“スーパーレゾリューション”などのデモを披露した。
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インテルが研究している超小型Windowsパソコン“RUBY”。持っている男性の手から、おおよそのサイズがイメージできる |
続いてラトナー氏は、今後10年間のプラットフォームの進化の方向性として、3つの例を挙げて説明を行なった。まずひとつが“並列処理”。ハイパースレッディングからデュアルコア〜マルチコアへと進化したCPUが、その先には10〜何百コアといったメニイコアへと革命的に進化する方向に進んでいるとした。そしてCPUの並列性を有効に活用するためには、プログラム開発が重要になるとして、“ドメイン固有のプログラミング言語やコンパイラー”が必要になるとした。これは並列コンパイラーを利用して、複数のプログラムスレッドを生成し、多数あるコアにマッピングしていく手法とのことだ。
次なる例として、CPUやメモリーなど異なったダイで作られる半導体同士を、積み重ねてひとつのパッケージを作り上げる“3Dスタッキング”の研究を挙げた。これは重ねたウエハ同士を上下方向に連結する技術で、基盤上でのチップの実装に必要な面積を減らせるだけでなく、半導体間の接続距離を非常に短くできることで、広帯域で低遅延のバスを作れるといった利点を挙げた。さらにこの技術が進めることで、CPUにDRAMメモリー、フラッシュメモリー、アナログ回路などの半導体のダイを複数枚積み重ねた“ダイ・スタッキング”の可能性も示した。
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2枚のウェハー同士を重ね合わせる“ウェハースタッキング”の概念図 |
3つ目の方向性としてもっとも力を入れて紹介されたのが、“シリコン・フォトニクス”と呼ばれる分野の技術である。シリコン・フォトニクスとは半導体(シリコン)上でレーザー光(フォト)の発振回路を作りあげ、半導体製造技術でレーザー回路を作るという技術である。以前から同社はこの分野の研究を重ねてきたが、シリコンから光を発生させることについては、その実現にネガティブな反応を示されることが非常に多かったという。しかし同社は2月に、外部の光源から光を入力すると、高品質のレーザービームを連続発生する技術の開発に成功したと発表した。このシリコンレーザー回路は、製造に既存の半導体製造設備を利用したとのことで、安価な半導体中にレーザー発振器を作れることが実証された。この技術を使えば機械同士だけでなく、チップ間の接続にも光を用いる可能性が現実味を帯びてきたし、また特定波長のレーザー光を医療用レーザーを安価に実現することも可能になるとした。
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ラトナー氏が持っているのが、半導体製造技術によって作られた、シリコンレーザー回路のウェハーである |
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シリコンレーザーのダイと100円玉を並べて。ダイ上でS字を描いているのがラマンレーザーの回路 |
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講演の最後にラトナー氏は、イメージした未来像を早期に実現するには、会場に集まった多くの開発者の力が必要であるとした。そして「私共にはアイデアの一部しか出すことができない。ビジョンを実現するにはさまざまなアイデアが必要で、どういった利用方法があるかは、皆さんのほうがご存じだと思う。そうした想像力、創造性、ビジョンがあって初めて、こうしたアーキテクチャーが将来に向かって進んでいく」として、10年先のビジョンに向けて一緒に取り組もうと語って、基調講演を締めくくった。
(編集部 小西利明)
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