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レノボ・ジャパン、プレスセミナーおよび設立記念セミナーを開催――インセンティブ制度を拡充し個人ユーザーの獲得を狙う

2005年05月16日 19時43分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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プレスセミナーで挨拶に立つ向井氏
プレスセミナーで挨拶に立つ代表取締役社長の向井氏

レノボ・ジャパン(株)は16日、今月2日に営業開始した同社の設立を記念して、記者関係者に今後の活動指針を説明する“プレスセミナー”、およびこれまでのThinkPad/ThinkCentreシリーズのユーザーやリセラーなどを対象にした“設立記念セミナー”を東京・赤坂見附の赤坂プリンスホテルで開催した。プレスセミナーには代表取締役社長の向井宏之氏、取締役副社長 研究・開発担当の内藤在正(ないとうありまさ)氏、執行役員 ブランド&マーケティングの荒川朋美氏らが、設立記念セミナーにはさらに日本アイ・ビー・エム(株)から代表取締役社長 執行役員の大歳卓麻(おおとしたくま)氏とインテル(株)の代表取締役共同社長の吉田和正氏が出席し、新会社設立の祝辞と今後の協力関係に対するコメントをスピーチした。



合計17ヵ国で一斉に設立されたLenovoの現地法人
日本を始め、合計17ヵ国で一斉に設立されたLenovoの現地法人

プレスセミナーで最初に挨拶した向井氏は、「当初は4月中に順次数社程度と計画していたが、このたび17ヵ国で一斉に立ち上がることになった。夏までに第2弾として40数ヵ国で(Lenovoの現地法人が)設立される予定」と切り出した。

最初に立ち上がった17ヵ国とは、日本、米国、中国のほかアジア・環太平洋地域では韓国/インド/シンガポール/オーストラリア/ニュージーランド、北南米ではカナダ/メキシコ/ブラジル、欧州ではアイルランド/イギリス/フランス/スペイン/ドイツ/イタリア。総従業員数は約1万9000人で、レノボ(Lenovo、聯想集団有限公司)から約9000人、IBMから1万人が参加している。日本法人の従業員数は約640人で、社屋は当面日本IBM社内に構えるという。

Lenovo幹部の面々
Lenovo幹部の面々。名前と肩書きが青い文字で記されているのはIBM出身者。経営関連の2名がLenovoから参加している

IBMに関心のある記者やユーザーが最も気にしている、「Lenovoになって変わること、変わらないこと」については、「品質の追求は変わらず、イノベーション(革新)のスピードを早くし、IBMとのチームワークを強化する」と説明。イノベーション・スピードの向上については、「スケールメリット(中国でNo.1シェアを持つLenovoと、ビジネス分野で定評のあるIBMのブランド力の融合)が製品進化の速度を向上させる」と強調した。

新たなパートナー・プログラムの概要
レノボ・ジャパンが提供する、新たなパートナー・プログラムの概要

今回のセミナーを通じて、ThinkPad/ThinkCentreや中国で“Lenovoブランド”として展開している低価格パソコンなどの販売についても、「全世界的に、いつどのように販売するかどうかを検討中。できるだけ早く、各地域ごとに決定して発表したい」との説明にとどまった。そんな中で唯一新しい情報として、「パートナー戦略を強化し、直接リセラー(販売店)を支援する新しい“インセンティブ(報奨金)制度”を導入する」ことが明らかにされた。従来は一部のビジネスパートナー(ソリューションプロバイダー/SIer(システムインテグレーター)/VAR(付加価値再販業者)など)のみが対象だったパートナー・プログラムを、販売店(目標2000社)にも拡大するというもので、販売実績に応じた報奨金制度(詳細は未定だが、今月中に開始予定)だけでなく、電話による専任営業サポートの新設、“ThinkAgent”と呼ばれる営業支援活動(訪問しての提案)なども合わせて行なう。こうしたリセラーへのインセンティブ制度は日本IBMでもなかったという。

また、日本IBMとのパートナーシップ強化の一環として、日本IBM内に“Lenovoアライアンス・リーダー in IBM”というセクションを設け、強固な関係を構築していくことも明らかにされた。具体的には、日本/アメリカ/アジア太平洋/欧州(2名)/グローバルセールスの6名を担当者として、

IBM⇒Lenovo
ビジネスサービスの提供、業務のアウトソーシング
顧客(Lenovoユーザー)へのサービス、ファイナンシング(融資施策)の提供、保守サービスやリースの提供
Lenovo⇒IBM
社内パソコンとしてThink製品(Lenovo製)を採用、オンデマンドワークスタイルの実践ツールとして使用
IBM&Lenovo
顧客へのトータルソリューションを提供
IBMによるパソコン製品(Lenovo製)の継続的な販売提案活動

などの連携活動を行なうと説明した。


日本IBMの代表取締役社長 執行役員の大歳氏 IBMとLenovoの緊密なパートナーシップを図示
設立記念セミナーで挨拶した日本IBMの代表取締役社長 執行役員の大歳卓麻氏IBMとLenovoの緊密なパートナーシップを図示

プレスセミナーに続いて行なわれた設立記念セミナーでは、日本IBMの大歳氏が「(日本IBMとLenovoの関係は)“21世紀型の提携戦略”であり、数年後にはほかの会社が同じような提携を考えるようになってほしい。そのために(今後も密接な協力関係を続けるべく)、これからも大歳さん、向井さんと呼び合いましょう」と親しみを込めた挨拶を行なった。

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