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“CodeFest日本2005”開催!――フリーソフトウェアのハッカーたちが夜通し開発し語り合う、異色の(!?)イベント

2005年06月06日 14時28分更新

文● アスキー書籍編集部・鈴木嘉平

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東京・駒込の産業技術総合研究所(文京サイト)において3日、フリーソフトウェア開発者が集まるプログラミングイベント“CodeFest(コードフェスト)日本2005”が開催された。主催はFSIJ(特定非営利活動法人 フリーソフトウェアイニシアティブ)。会期は4日までの延べ2日間で、参加者の多くは、それぞれのプログラミング技術について夜通し語り合う、熱い一夜を過ごした。

開会式の様子。日本を代表するハッカーが一堂に会した開会式の様子。日本を代表するハッカーが一堂に会した

CodeFestとは、普段はインターネット上で共同開発を行なっているフリーソフトウェアの“ハッカー(※1)”が一ヵ所に集い、ソースコードを持ち寄って頭を突き合わせて議論し、開発を進めるイベントのことである。日本では今回が初の開催となるが、今年2月には韓国で、3月には中国・北京でCodeFestが開催されている。

※1 ハッカー ここで言うハッカーとは企業のウェブサイトを改ざんするような“悪意のある者”ではなく、優れたプログラマーを差す

日本初のCodeFestを主催したFSIJは、“個の創造性発揮によって、経済・文化の発展に寄与すること”を目的に発足した特定非営利活動法人であり、開発者・利用者を支援し、正しいフリーソフトウェア概念の普及に努めるとともに、国際シンポジウム開催などの活動を行なっている。

会場には24時間ハッキングを支えるバナナが……
会場には24時間ハッキングを支えるバナナが……

会場となった文京区本駒込にある産業技術総合研究所の一室には、全国から30名を越えるハッカーが集まり、3日の午後5時から4日の午後5時まで、24時間休むことなくハッキングが行なわれた。3日の午後8時には開会式のセレモニーが催され、参加者の自己紹介と今回行なうハッキングが紹介された。FSIJの鈴木裕信氏から「決して無理はしないように、栄養補給にバナナを食べるように、また意識して水分を取るように」との注意があり、同じくFSIJの“g新部 裕(ぐにいべゆたか)”氏の音頭による「ハッピーハッキング!」の唱和によってCodeFestがスタートした。ノートパソコンに向かってプログラミングを始める人、机に集まってディスカッションを始める人、ノート(用紙)を広げてペンを片手に考え込む人、早々とバナナをほおばる人など、さまざまな形でハッキングが進められていった。

翌朝6時半には健康のための“ラジオ体操”が行なわれ、9時からは中間報告会が開かれた。また、10時からは“日本最初のハッカー”として多くのプログラミング関係者から尊敬を集めている元東京大学教授の和田英一氏が会場を訪れ、日本最初のコードハックと言われている“パラメトロン式計算機PC-1におけるハッキング”が披露された。参加者の大半がこのハッキングが行なわれた時代(1958年頃)にはまだ生まれていなかったこともあり、会場からはどよめきと感動の声が挙がっていた。



日本最初のハッカーである元東京大学教授の和田英一氏による、日本最初のコードハックの解説
日本最初のハッカーである元東京大学教授の和田英一氏による、日本最初のコードハックの解説

午後3時からは各人による今回のハッキングの成果が発表され、引き続き閉会式が行なわれた。最後に再び参加者全員による「ハッピーハッキング!」の唱和で、日本最初のCodeFestは幕を閉じた。

終了2時間前から各人による成果報告が行なわれた終了2時間前から各人による成果報告が行なわれた。予定通りにハックが進んだ人、トラブルに見舞われハックが進まなかった人、予定とは違ったハックを行なってしまった人、結果はさまざまだが皆十分にハックを楽しめたようだ

今回のCodeFestの成果については、FSIJのウェブサイトにまとめられているので興味のある方は参照してもらいたいが、実際に参加してみても日本初の試みとして“大成功”だったと思われる。今後もCodeFestが引き続き開催され、日本におけるフリーソフトウェアの世界が発展していくことを祈りたい。

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