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【WWDC2005基調講演 Vol.2】ジョブズがアップルについて語ったこと──200万個を販売したTiger、そして“移行のとき”が来た

2005年06月07日 00時00分更新

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アップルの好調ぶりは、Macintoshの売り上げにも波及している。ジョブズ氏は、WWDCの基調講演で、グラフを使ってその好調ぶりをアピールした。この1年を振り返ると、パソコンの売り上げはゆるやかな下降線をたどっていたが、Macintoshの売り上げは2004年第3四半期から急な右肩上がりで台数を伸ばしているのだ。

好調なMacintosh
Macintoshの売れ行きは、2004年第第3四半期から急速な伸びを見せている

ハードの出荷台数にあわせて、新発売のOS、『Mac OS X v10.4 “Tiger”』(以下Tiger)の売り上げも好調だ。Tigerにはデスクトップ検索機能の“Spotlight”(スポットライト)や、デスクアクセサリーを簡単に出し入れできる“Dashboard”(ダッシュボード)といった200以上の新機能が用意されている。Tigerには、ハイビジョンの高画質が楽しめるH.264コーデックを採用した『QuickTime 7』も付属する。このQuickTime 7のWindows版のパブリックプレビュー版も今日(米国時間6日)からダウンロード可能になった。

モスバーグ氏のコメント
ウォールストリートジャーナル氏の有名コラムニストウォルト・モスバーグ氏のTigerに対するコメント

Tigerは米国のマスコミでも好評で、一般紙(誌)でも絶賛されている。ジョブズ氏は、そうしたコメントをいくつか紹介した。最後を飾ったのは、米ウォールストリートジャーナル紙のウォルト・モスバーグ(Walt Mossburg)氏のもので、「(Tigerは)Windows XPに土煙をかぶせて置き去りにしてしまった(先へ行ってしまった)」というものだった。こうした評価と歩調を合わせて、OSそのものの売り上げも好調だ。4月29日の世界同時発売から、Macintoshにプレインストール出荷されたものも数えると、これまでに約200万本が出荷されたという。

反応がいいのはメディアやユーザーだけではなく、開発者もTigerに協力的だ。すでにSpotlight検索用のプラグインが40個以上、Dashboardのウィジェットが400個以上、Autometer機能を使ったアクションが550個以上公開されている。



“ウィジェット”
ジョブズ氏がお気に入りの“ウィジェット”

ジョブズ氏はそう語ると、いくつかお気に入りのウィジェットを紹介してみせた。

では、Macユーザー全体でTigerを使っている割合は、どの程度になるのだろうか? 現時点では16%と、一昨年に発売され、アップル史上最も売れたソフトとなった『Mac OS X v10.3 “Panther”』(以下Panther)の49%と比べると、まだまだ少ない。しかし、アップルは来年までにユーザーの半数をTiger環境に移行させたいとしている。



Tigerのユーザー比率:現在 Tigerのユーザー比率:2006年
Tigerのユーザー比率は現在16%アップルでは2006年までにTigerの比率を50%まで高めたいという

アップルではすでに次のOSの開発計画も動き出している。コード名は“Leopard”(レオパルド)だ。

Mac OS Xは2001年3月にリリースされたバージョン10.0から、今年5月の10.4まで、5年間で5つのメジャーアップデートをリリースしてきた。米マイクロソフト社がその間にリリースしたクライアントOSは、Tablet PC EditionやMedia Center Editionといったパッケージはあったが、基本的にWindows XPだけである。マイクロソフトは2006年末から2007年頭までに“Longhorn”(ロングホーン)という次期OSを出すようだが、アップルはLeopardのリリース時期をこれに合わせてくる予定だという。

ライバルOS、この5年の進化 Leopardo
5回のメジャーアップデートを果たしたMac OS Xに対して、マイクロソフトは、Windows XPのみのリリースだった次世代のMac OS Xの名称は“Leopardo”と発表された

もっとも、今回のWWDCでは“Leopard”の詳細についてまだ明らかになっていない。

もう1つ“重要な話”があるからだ。その“重要な話”とは“移行”。つまり、現在のMacintoshが搭載するPowerPCからインテル製CPUへの移行の話だ。

Transition
そして新たな“移行”(Transition)が始まる……

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