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マイクロソフト、エンタープライズ向け“サービス”の事業戦略に関するプレスセミナーを開催


2005年6月14日

マイクロソフト(株)は14日、都内オフィスで月例のプレスセミナーを開催し、エンタープライズ向けサービス部門の事業戦略についての解説を行なった。登壇者は、同社執行役でエンタープライズ・サービス担当の鈴木和典(すずき わてん)氏と、米マイクロソフト社の“Microsoft Consulting Services”担当ゼネラルマネージャーのピーター・ラコジー(Peter Rakoczy)氏の2名で、鈴木氏は主に日本での取り組みについて、ラコジー氏はグローバルでの取り組みについてを説明した。

日本法人の執行役でエンタープライズ・サービス担当の鈴木和典氏
米マイクロソフト社“Microsoft Consulting Services”担当ゼネラルマネージャーのピーター・ラコジー氏
日本法人におけるエンタープライズ・サービス部門の組織的な位置付け

同社のエンタープライズ向け事業部門としては、“エンタープライズ・ビジネス”と“エンタープライズ・サービス”の2部門があり、前者は製品や技術の販売や営業活動を主に担当し、後者はコンサルティングやサポートなどのサービス分野を担当する。鈴木氏は同社のサービス事業の役割を「マイクロソフトの製品をよりよく使っていただくためのサービス」だと位置付けている。




マイクロソフトのサービス事業の主な機能

日本のエンタープライズ・サービス部門では、企業向けの有償サービス(一般的な企業顧客、SIerやパートナー企業向け)と、同社のテクノロジーを中心とした高度なスキルセットの提供を行なっており、カバー領域は、計画・設計、構築、運用・管理におよぶ。主なサービス内容は次の2種類。

“Premier Support”
24時間/365日のテクニカルサポート。人員はPremier Technical Account Manager(Premier TAM)が120名。
製品技術サポート/サポータビリティーレビュー/プロアクティブサポート/プレリリースサポートを提供
“マイクロソフト コンサルティング サービス”(Microsoft Consulting Services/MCS)
コンサルティングサービス。人員はMCS コンサルタントが110名。
IT戦略立案/アーキテクチャー設計/システムデザイン/開発手法・ツール提案を行なう。

また、同社自身も同社製品/技術の“導入企業”であることから、同社および顧客による“ベストプラクティス”の共有もサービス部門の重要な機能のひとつだという。

同部門でのコンサルティングは、同社の製品/技術に特化したものが中心であり、主目的は、同社製品/技術の展開/運用の支援にあるという。そのため、他社のコンサルティングサービスとの競合はなく、買収や極端なディスカウントなどによる事業分野や業績の拡大は考えていないとしている。

パートナーや顧客企業との協業の時間的な流れ。早期導入やリリース直後の初期導入期のパートナー/顧客支援がMCSの主要な活動分野となる

また事業展開の中では、同社の他部門と同様に“パートナー企業との協業”の重視を掲げており、この日のセミナーの中では、グローバルな取り組みである同社製品/技術の品質向上に向けたパートナープログラムで、“テクノロジ アダプション プログラム(TAP)”が取り上げられた。TAPは、正式出荷前の製品/技術の“早期導入”プログラムのひとつで、早期導入パートナー/顧客に開発途上のマイクロソフト製品/技術を実際のシステムに導入するのを支援し、その中から大小さまざまなフィードバックを得て、製品/技術の品質を向上させていくというもの(直近の例としては(株)名古屋銀行への64bit版のWindows Server 2003や次期SQL Serverなどの早期導入が挙げられた)。2005会計年度(マイクロソフトの会計年度は7月から翌年6月まで)は特に強化に努めたプログラムのひとつで、日本の企業の求める品質基準は世界的に見て特に高いことから、マイクロソフトとしては、日本からのフィードバック増は製品/技術の品質向上に非常に効果的だと見ているという。

MCSの取り組みとしては、このような早期導入に加えて、正式リリース間もない段階での導入を行なう企業に対する支援も主要な活動分野だという。MSCでは、“早期導入”と正式リリースの間のタイムラグをいかに短縮し、かつ信頼性を高めていくかが、「サービスとしては危険な試み」(鈴木氏)ではあるものの今後の取り組みの強化ポイントだとしている。




エンタープライズ・サービス部門の今後の注力ポイント

同部門ではこれまで、事業展開の主な注力ポイントとして“顧客/パートナー指向”“新製品/テクノロジーの展開/運用支援”“優秀な人材育成”の3点を掲げた活動行なってきたという。2006会計年度に向け、今後はこれらをさらに発展させ、グローバルな取り組みとして以下の4点に注力していくとしている。

“accelerated adoption”
新しい製品/テクノロジーの市場への効果的な展開支援
“productive use”
製品/テクノロジーの効果的な活用による生産性の向上支援
“product improvement”
顧客からの声を製品開発にフィードバック
“exceptional people”
“信頼されるアドバイザー”としての人材育成

また、日本法人の注力ポイントとしては、以下に3点を挙げている。

ストラテジー・コンサルティングの強化
ビジネス価値の提供に向けたコンサルティング。ストラテジーコンサルタントが顧客のIT戦略企画部門の“一員”として中〜長期にわたる情報システム戦略の計画立案を支援
TAPの強化
米本社との協業したグローバルなプログラム展開として取り組みを強化
ミッションクリティカルシステムの構築
同社製品の信頼性をより多くの顧客に認知してもらい、ミッションクリティカルな基幹業務を担うシステムの構築を支援

なお、ワールドワイドおよび日本でのエンタープライズ・サービス事業の売り上げは未公表とのことだが、日本では2005会計年度(2004年7月〜2005年6月末)は利益が出る見込みだという。今後は適正な利益の出るビジネス展開を進めるともに、“マイクロソフトがサービスをやっている”ということ自体をさらに広く訴求していかなければならないとしている。

(編集部 内田泰仁)


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