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ノキア、Forum Nokia記者説明会を開催――固定網/携帯網の統合でノキアが果たす役割とは


2005年6月16日

ノキア・ジャパン(株)は15日、ノキア製携帯電話の開発プラットフォームに関する企業向けのイベント“Forum Nokia Mobile Business & Technical Days”の開催に先立ち、同社の戦略に関する記者会見を行なった。イベントの会期は16日までで、開催地は東京・浜松町にあるインターコンチネンタル ホテル 東京ベイ。

全世界で500万人以上の開発者が参加するForum Nokiaとは

ヤリ・スータリネン氏。この1年半で10回も来日したという
ヤリ・スータリネン氏。この1年半で10回も来日したという

最初に、中国ノキア・チャイナ社のヤリ・スータリネン(Jari Suutarinen)氏によって、デベロッパー支援を目的としたコミュニティー“Forum Nokia”に関する最新状況が紹介された。スータリネン氏は、同社でテクノロジー・プラットフォーム テクノロジー・マーケティング&セールス Forum Nokiaディレクターを務め、中国/韓国/日本におけるForum Nokiaのビジネスの開拓と、マーケティング活動の責任者として活動している。

ノキアは、生活にモバイルを取り入れるという意味のスローガン“Life goes Mobile”を全世界的に打ち出しており、それを実現するために、携帯電話関連事業の組織を“モバイルフォン”“マルチメディア”“エンタープライズソリューション”“ネットワーク”の4つの領域に大別している。Forum Nokiaが属する“テクノロジー プラットフォーム”という組織は、前出の4領域を縦軸とするとそれを貫く横軸の組織であり、製品に必要な技術を開発して4組織と連携しながら商品に展開するという活動を行なっている。中でもForum Nokiaのミッションは、「ノキアの製品にさらに付加価値を加えるために、ソフトないしハードのデベロッパーと協力すること」(スータリネン氏)にある。

Forum Nokiaでは、デベロッパーが携帯電話向けアプリケーションの開発コストをできるだけ抑えられるよう、“Series 40”(普及機向け)/“Series 60”(高性能機向け)/“Series 80”(エンタープライズ製品向け)という3種類の開発プラットフォーム(コンテンツ作成のために揃えられたツール群)を用意している。ノキアの主な携帯電話は、このプラットフォームのいずれかに属しており、1シリーズに対応したコンテンツを制作すると、同シリーズの端末で同じように動作するようになっている。またSeries 60とSeries 80は、Symbian OSを内包したプラットフォームとなっており、Javaアプリケーションだけでなくネイティブなアプリケーションも開発できる。今後は、いずれかのシリーズで開発したアプリケーションを、容易に別のシリーズへ移植をできるようにしたいという。なお、Series 40/60/80に準拠した端末は、2004年末までに世界で1億8000万台が出荷されており、スータリネン氏は今年末までには3億台にまで増える見込みと述べた。



ノキアによる統一プラットフォーム。これらのプラットフォームに準拠する端末は、すでに90機種以上にのぼり、全世界で合計1億8000万台が出荷されている
Series 40/60/80のイメージ。これらのプラットフォームに準拠する端末は、すでに90機種以上にのぼり、全世界で合計1億8000万台が出荷されている。日本のボーダフォン(株)が出荷しているノキア製の機種『Vodafone 702NK』は、Series 60に対応する

Forum Nokiaに登録している開発者は、現在、全世界で500万人以上で、モバイルのデベロッパーコミュニティーとしては最大規模だという。また2004年より、先進的なデベロッパー向けにより厚いサポートを提供する上位サービス“Forum Nokia Pro”も提供している。日本国内でのForum Nokiaの会員は5万人を超えており、企業では(株)タイトー、(株)ジー・モード、(株)ハドソンなど27社がForum Nokia Proに加盟している。

そのほかスータリネン氏は、新たな試みとして、5月に発表したインターネットタブレット『Nokia 770』を紹介した。この端末は携帯電話としての通信機能は持たず、IEEE 802.11b/gもしくはBluetooth 1.2で通信機器に接続し、メールやウェブブラウジングなどを行なう。USB 2.0経由で、パソコンと接続することも可能。ボタン類は数えるほどしか搭載しておらず、操作は4.13インチのタッチスクリーン方式のカラー液晶ディスプレー(800×480ドット表示対応)を使用する。Nokia 770は、Linuxベースの“maemo(マエモ)”と呼ぶプラットフォームを採用しており、専用アプリケーションの開発も可能だ。本体サイズは幅141x奥行き19×高さ79mmで、重さは230g。北米で今年の第3四半期に出荷することが予定されており、価格は350ドル(約3万8000円)となる見込み。

Nokia 770
Nokia 770
Nokia 770
Nokia 770
Nokia 770
Nokia 770
イベントの会場に展示されていたNokia 770。W-CDMAやGSM/GPRSといった、携帯電話としての通信機能を持たず、無線LANやBluetoothによる接続を前提としている。『Opera 7.0』を内蔵しウェブブラウジングが行なえるほか、電子メールソフトや、ミュージックプレーヤーを搭載する


ノキアが考えるFixed to Mobile IP Convergenceの世界

大塚氏。FMCの世界は「将来像を夢のようだが、現実味を帯びてきている」
大塚氏。FMCの世界は「将来像を夢のようだが、現実味を帯びてきている」

記者発表会では、ノキア・ジャパンでテクノロジーマーケティングマネージャーを務める大塚孝之氏より、FMC(Fixed to Mobile IP Convergence)という、固定網と携帯網をIPにより統合する関連技術の展望が紹介された。現在コンテンツは、テレビなどの放送配信、モバイル配信、固定網によるブロードバンド配信と、ネットワークの種類ごとに制作され、配信されている。それが、IPによるネットワークの統合や、端末同士のピア・ツー・ピア(Peer-to-Peer:P2P)技術によって「どこにいても、どのような方法でアクセスしても、同等のレベルのサービスを提供する」サービス提供環境が構築され、より付加価値の高いコンテンツが流通するようになるという。



FMCの展望
FMCの展望

FMCの世界を実現するためにノキアが貢献できる取り組みとして、さまざまな方法で、さまざまな無線網にアクセスできる端末の“マルチラジオアクセス”化を挙げた。大塚氏によれば、例えば(1)信頼が置ける携帯電話網、(2)高速IP接続のホットスポット、(3)放送、(4)端末同士の通信などに使う近接無線の4つにネットワークの種類を大別した場合、4月に発表した『Nokia N91』はこれらのすべてに対応しているという。

また、Forum Nokiaで開発環境を提供しているSIP(Session Initiation Protocol)技術を使い、今までにないインタラクティブ性をもったアプリケーションが、世界中で開発されて始めているという。例えば、離れたところにいる相手と対戦ゲームをしながら、同じ回線の中で、チャットやPTT(Push To Talk)によるボイスチャットをしたり、PTS(Push To Stream)を利用して映像を送ったりできるような世界は、目前のようだ。

大塚氏は、「ノキアが2005年内に(ワールドワイドで)10機種発表するW-CDMA端末を含め、今後出すW-CDMA端末にはFMCを実現する要素が入っており、またそれを活用するIPを利用したアプリケーションの提案が続くだろう」と会見を締めた。

無線通信は用途別に4つのカテゴリーへ分かれる
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Nokia N91は、4つのカテゴリーのネットワークに対応する
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エンドユーザーレベルでのIMS/SIP活用のイメージ
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ゲームのセッションだけでなく、映像、音声なども同時にやりとりできる
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(島 徹)


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