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“Adobe Creative Suite 2 Debut Fair アイデアから先のすべてを。”レポート Vol.1――発売を目前にデビューイベントを開催

2005年06月29日 09時40分更新

文● 千葉英寿

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アドビシステムズ(株)は28日、デザイン・プロフェッショナル向けの統合デザイン環境である『Adobe Creative Suite 2 日本語版』(以下ACS2)の7月上旬発売を前に、東京・新宿の日本青年館において、クリエイティビティー(創造性)発揮のための要件をテーマにした、ユーザーイベント“Adobe Creative Suite 2 Debut Fair アイデアから先のすべてを。”を開催した。主催はAdobe Creative Suite 2 Debut Fair 事務局。

このイベントは、同社のクリエイター向け主要製品の発売に合わせて行なわれてきた“キックオフイベント”で、アドビ製品のユーザーを中心としたクリエイターが数多く参加することでも知られる。今回はこれまでのイベントとは異なり、総合司会にタレントの松尾貴史氏を起用するなど、よりお祭り気分いっぱいのイベントとなった。

米アドビシステムズのクリエイティブ・プロフェッショナル製品担当プロダクトマネージメントシニアディレクタのマーク・ヒルトン氏
米アドビシステムズのクリエイティブ・プロフェッショナル製品担当プロダクトマネージメントシニアディレクタのマーク・ヒルトン氏

講演で最初に壇上に上がったのは、米アドビシステムズ(Adobe Systems)社でクリエイティブ・プロフェッショナル製品担当プロダクトマネージメントのシニアディレクタを務めるマーク・ヒルトン(Mark Hilton)氏。ヒルトン氏は“Adobe Future Vision”と題して、同社が考えているクリエイティブの将来展望について語った。

ヒルトン氏は「“Create once,publish everywhere”一度に制作し、あらゆる場所に配信する。“ネットワークパブリッシング”という発想だが、これは私たちが以前から提唱していたことが実現したもの。“the future is now”思い描いた未来が到来したのです。大学などの教育機関においてデザイン学部の設置が増えるなど、デザインの需要は高まっている」と切り出した。

さらに、「インスピレーションはデザイナーだけのものではありません。アドビはみなさんのアイデアを具現化するお手伝いをしていきます。それを担うのがAdobe Creative Suite 2です。ACS2は標準的な技術を基盤としているとともに、アイデアを具現化するアイデア以外のものをすべて揃えています」と、デザインに関わる多くの役割をACS2が果たせることを示した。

アドビシステムズの代表取締役社長石井 幹氏
アドビシステムズ日本法人の代表取締役社長石井 幹氏

続いて、日本法人の代表取締役社長の石井 幹(いしいみき)氏がクリエイティブプロフェッショナル市場において同社のソフトウェアを補完する、デザイン環境のエコシステム(プラグインや各種サービスまで)を提供する同社の戦略的パートナーシップについて紹介した。

石井氏は、「アドビだけが(プラグインやサービスを)提供するのは十分ではありません。パートナーと組むことでよりよいものが提供できると考えています」とし、4つのパートナーを紹介した。

FOMA 901iS全機種で採用されたPDFビューワ
FOMA 901iS全機種で採用されたPDFビューワ。パソコン版の『Adobe Reader』とは異なる携帯電話ならではの機能を持つ

石井氏は最初に“モバイルエコシステム”として(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)の“FOMA 901iSシリーズ”で全面的に採用となったPDFビューワについて紹介し、NTTドコモのマルチメディアサービス部長の夏野 剛氏によるビデオメッセージが紹介した。

夏野氏は「PDFは以前から狙っていました。今回、FOMAでのPDFはパソコンとは違い“ウェブ to”、“Mail to”、“Phone to”といったiモードサービスならではの独自の機能を持っています」と、iモード版PDFの特徴を紹介した。ウェブ to、Mail to、Phone toなどの機能は、PDFファイルに埋め込まれたリンク情報について、ウェブサイトに移動するほか、電子メールの送信や電話発信が行なえるというもの。

NTTドコモのマルチメディアサービス部長の夏野 剛氏
NTTドコモのマルチメディアサービス部長の夏野 剛氏

さらに、「PDFは紙メディアのクオリティーで“いいとこ取り”をしており、これが携帯で使えるのはお客様にとってたまらない(経験になる)のではないか。クリエイターやコンテンツプロバイダーのみなさんには、ぜひACS2を使って、パソコン向け、携帯向けのコンテンツを作っていただき、世界を変えることを期待しています」と語った。

アマナの代表取締役社長兼CEOの進藤博信氏
アマナの代表取締役社長兼CEOの進藤博信氏

第2のパートーナーは、ストックフォト(商用写真貸し出しサービス)のエコシステム。ACS2のデータ&機能連携ツール『Adobe Bridge』を通じて提供されるストックフォトサービス“Adobe StockPhotos”で国内唯一のパートナー企業である、(株)アマナの代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)である進藤博信氏がビデオメッセージを寄せた。進藤氏は「ストックフォトを使用されたことのないユーザーにとって、ACS2はストックフォトをお使いになってみるいい機会となると思います」と語った。

アップルコンピュータの代表取締役の前刀禎明氏
アップルコンピュータの代表取締役の前刀禎明氏

第3のパートナーはOSのエコシステム。こちらはビデオではなく本人の登壇となった。アップルコンピュータ(株)の代表取締役で米アップルコンピュータ社のマーケティング担当バイスプレジデント前刀禎明氏だ。
前刀氏は最新OSである『Mac OS X 10.4』(Tiger)でデザインワークに役立つ機能として、「Spotlightは蓄積された手持ちの資産である膨大なデータを効率よく検索し、使うことができます。また、Automatorを使えば効率のよいワークフローを構築することができます」と語った。
石井氏は10年来の盟友であるアップルに対して、「今後もよりよい関係を持ち続けていきます」とした。

モリサワの取締役営業本部長の森澤彰彦氏
モリサワの取締役営業本部長の森澤彰彦氏

最後のパートナーには、フォントのエコシステムとして(株)モリサワを紹介した。同社取締役営業本部長の森澤彰彦氏は、当日(28日に)発表となったばかりの画期的なフォントサービスである“MORISAWA PASSPORT(モリサワパスポート)”を紹介した。同サービスは年間使用料5万2500円で138書体(カナ書体含む)を契約期間中、自由に使用できるようにするもの。8月1日から受付を開始し、8月22日にリリースされる。

ACS2の具体的な機能紹介
石井氏のプレゼンテーションに続いて、ACS2の具体的な機能紹介として、同社クリエイティブプロフェッショナル部フィールドプロダクトマネージャの西山正一氏がデモンストレーションが行なわれた

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