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東京電力、この夏公開の映画『HINOKIO』のプロモーションイベントを開催――秋山監督によるメイキング映像も披露


2005年6月29日
左からHINOKIO監督の秋山貴彦氏、撮影に使用されたHINOKIOのプロップ、東京電力 事業開発部 住環境・生活グループマネージャーの西村統行氏、同社光ネットワーク・カンパニー ジェネラル・マネジャーの田代哲彦氏
左からHINOKIO監督の秋山貴彦氏、撮影に使用されたHINOKIOのプロップ、東京電力 事業開発部 住環境・生活グループマネージャーの西村統行氏、同社光ネットワーク・カンパニー ジェネラル・マネジャーの田代哲彦氏
『HINOKIO』7月9日丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東宝系にて公開 (c)2005 HINOKIO FILM VENTURER
『HINOKIO』7月9日丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東宝系にて公開 (c)2005 HINOKIO FILM VENTURER

東京電力(株)は29日、7月9日より全国松竹・東宝系にて公開される映画『HINOKIO』(ヒノキオ)の報道関係者向け説明会を開催。監督を務めた秋山貴彦氏により、メイキングムービーや映画のコンセプトについての説明が行なわれた。この映画は同社が初めて出資を行なった劇場用映画であり、映画公開に合わせて同社の光ファイバーインターネット接続サービス“TEPCOひかり”にて、キャンペーンが開催される。

監督・原案・共同脚本・VFXを担当した秋山貴彦氏。映画『河童』(94年、石井竜也監督)、『ACRI』(96年、同)のVFX監督、映画『FINAL FANTASY』のCGディレクターなどを務める。映画監督としては今回が初の作品
監督・原案・共同脚本・VFXを担当した秋山貴彦氏。映画『河童』(94年、石井竜也監督)、『ACRI』(96年、同)のVFX監督、映画『FINAL FANTASY』のCGディレクターなどを務める。映画監督としては今回が初の作品

HINOKIOは秋山監督がまだ学生だった20年前から企画を温めていた映画で、ごく近い未来、交通事故で母を失い、自らも重傷を負って心を閉ざした少年サトルが、遠隔操作可能なロボットを通じて学校に通うことで、クラスメイトとの心の交流を深めていく物語を描いている。秋山監督は「(遠隔操作可能な)ロボットを使うことで、人間の感覚だけが一人歩きをしていく状態、そういう状態を作ることで、人間の意識も変わっていくのではないか。それを映画の中で描きたいと思った」と、元になったコンセプトについて述べた。ロボットはある意味、インターネットや携帯電話といった場所や距離に依存しない「コミュニケーション手段の擬人化」(秋山)として描かれているという。劇中では身長145cmのロボット(一部の部品に檜が使われているため、クラスメイトからHINOKIOと名付けられる)は無線経由で操作機につながり、サトルの操作で動く。視聴覚は“ダイブ装置”とヘッドセットで再現され、サトルがキーボードで言葉を入力すると、HINOKIO側が音声合成により喋るという設定になっている。さらに触覚をフィードバックするシステムも登場するのだが、これが物語のひとつのキーになるようだ。

劇中のシーンより。出演:中村雅俊、本郷奏多、多部未華子、堀北真希、原沙知絵、牧瀬里穂、原田美枝子ほか

劇中で描かれるHINOKIOは、動きのあるシーンはCG、それ以外では“プロップ”と呼ばれる造形物で表現されている。そのため俳優の演技との合成は欠かせない。CGを用いるシーンの撮影の場合、まず俳優とモーション・アクトレス(HINOKIOの動きを演じる)による“ガイド”を撮影し、続いて俳優だけによる“本番”を撮影する。さらにプロップだけを使った動きの撮影(プロップリファレンス)と、HINOKIOに映り込む周囲の風景をミラーボールに映した状態の撮影(グレー・ミラー)も行なうといった具合に、都合4段階もの撮影を行なって映像を作っているという。ブルーバック合成ではなく、現実の背景の中で演じる俳優とCGのロボットを組み合わせるのは、非常に手間のかかる作業と言えよう。もっともロボットだからといってCGシーンばかりというわけではなく、プロップを使った撮影(ロボットの動きが少ないシーン)も多く、割合的には半々程度ではないかと、秋山監督は述べている。

CGを多用する映画やアニメーション作品には、高速なネットワークが欠かせない。この映画でもCG制作などだけでなく、監督とロボットのデザイナー(山形県在住の五十嵐豊氏)とのやり取りもすべてインターネット経由で行なわれ、制作中は互いに会うことなく作業が進められたという。秋山監督はこうした状況を「アーティストもサテライト化している」と表現した。

中央が撮影でも使用されたHINOKIOのプロップ。人物と触れ合うシーンなどに利用された
中央が撮影でも使用されたHINOKIOのプロップ。人物と触れ合うシーンなどに利用された

東京電力 事業開発部 住環境・生活グループマネージャーの西村統行氏は、東京電力はこの映画への協力を通じて、映画とTEPCOひかりのコラボレーションを行なうことで、より身近に同社のサービスを知ってほしいという意図を述べた。また作品紹介のムービーや出演者のブログ、商品の当たるプレゼントキャンペーンなども行なっている。また「セットは全部オール電化」(西村)といった協力も行なわれていたとのことだ。



(編集部 小西利明)


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