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ソフトウエア開発環境展など5展示会の基調講演に米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が登場――ソフトウェアによる技術革新の推進を呼びかけ


2005年6月29日

東京・有明の東京ビッグサイトで開催されている“第14回 ソフトウエア開発環境展”“第2回 情報セキュリティEXPO”“第7回 データストレージEXPO”“第10回 データウェアハウス&CRM EXPO”“第8回 組込みシステム開発技術展”の5展示会(リード エグジビション ジャパン(株)主催)の開幕初日となる29日、来日中の米マイクロソフト社の会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が基調講演を行なった。2000人以上収容可能な講演会場が満席となる盛況ぶりで、ある出展者によると、同氏が登壇した影響もあってか、不順な天候ながら展示会場の人出も好調だったという。


米マイクロソフトの会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏

今回の来日中に行なわれた講演や発表の中でゲイツ氏は、“マイクロソフトは技術革新に貢献するためにソフトウェアとツールを提供する”“ソフトウェアが技術革新を推進する”という内容をたびたび発言しているが、“The Magic of Software 〜新世代のソフトウエアが描く未来像〜”と題されたこの日の講演では、改めてこれらの姿勢を強調するとともに、開発者の生み出すソフトウェアによる技術の革新を呼びかけている。

ゲイツ氏が“技術者の情熱とソフトウェアの力によって生まれたもの”として紹介した製品。壇上に実機が登場した“ハロー・キティ”のロボットと握手すると、ロボットが声を出して反応を返した

ゲイツ氏は講演の冒頭、将来に向けたソフトウェア開発におけるキーワードとして、次の6点を挙げている。

  • いわゆる“Wintel”環境による高いパフォーマンス
  • ワイヤレス/ポータブル/タブレット環境と携帯電話
  • サービス思考アーキテクチャー(SOA)
  • デジタルなワークスタイル/ライフスタイル
  • デジタル化されたビジネス環境
  • ソフトウェアブレイクスルー
  • マイクロソフトがインフォメーションワーカー(IT環境を活用するユーザー)、ITプロフェッショナル(IT環境の管理者)、そして開発者に提供する“技術革新”のライフサイクル

    これらの分野での開発を進めていくうえで、インターネット/ネットワークが広く普及したことは開発者にとって非常に大きなプラスであるとしており、「ソフトウェア開発者の活躍の可能性がますます広がり、想像力を発揮することで無限の可能性を得ることが可能になった」と述べ、ソフトウェア開発の重要性が今後さらに高まっていくとした。

    ゲイツ氏が挙げたマイクロソフトが取り組んでいる重要な開発テーマは、XML、ウェブサービス、そしてセキュリティーの3点。XMLやウェブサービスに基づくWindowsプラットフォームは現在、多くの電子政府/自治体や次世代の銀行基幹システムで採用されているといい、相互運用や高信頼性の面からより積極的な展開を進めていくとしている。

    また同氏は、日本で施行された個人情報保護法の話題に触れ、同法をセキュリティーを守る上で「非常に有効なアプローチ」だと評価。開発者は、このような法令の遵守とセキュリティー対策のために、ソフトウェア開発における改善努力とシステム管理における改善努力を常に行なわなければならないと述べた。また、セキュリティー向上に向けた開発/運用/管理のアプローチとしては次の4点を挙げた。



    “HOW”
    セキュアーなコードを作成する開発ツールの提供と利用
    “WHAT”
    アップデート管理などのポリシーコード適用
    “WHO”
    ユーザー認証やディレクトリーサービスの利用
    “WHERE”
    環境の分離やファイアーウォールによる隔離

    マイクロソフトが開発/提供する、運用管理を中心に据えた製品
    正式リリースを目前に控える『Microsoft Visual Studio 2005』『Microsoft SQL Server 2005』の概要

    そしてマイクロソフトでは、これらのアプローチを支えていくために、運用管理を中心とした製品の開発と提供を進めているとして、運用に適したプラットフォームと開発環境やインテリジェントな運用管理技術を整備し、これらを活用した「ソフトウェアのマジック」によってIT関連コストを削減し、「削減した費用で新たな投資を行なうことを実現」すべきだと述べた。またゲイツ氏は、このようなソフトウェア開発上のポイントを押さえた今後の製品展開として、2005年末に正式リリース予定の『Microsoft Visual Studio 2005』『Microsoft SQL Server 2005』を紹介している。

    次代のソフトウェアがもたらすビジネスインパクト
    次期Windows“Longhorn”の特徴
    次期Office“12”の特徴

    また、今後のソフトウェアの進化に向けた課題のひとつとして、ゲイツ氏は“情報管理”の面を指摘。同氏によると、現在の情報は“構造化されたデータ”と“非構造的なデータ”が混在する状況が多く、「今の世界は効率がまだまだ悪い」としている。一方で、IT技術を利用した仕事環境の充実、モバイルの普及などにより、「仕事の構造自体が変わっている」としており、情報を効率的に管理し、活用できる新しいソフトウェアの登場がビジネスに利益をもたらす大きなインパクトとなるとした。そして、こうした新しい“ビジネス環境”となるソフトウェアとして同社では、2006年末に次期Windows“Longhorn”、次期Office“12”をリリースする予定だと述べている。

    講演の最後にゲイツ氏は、ソフトウェアの進化がこの先目指すべきものとして、“ソフトウェアの持つ偉大な価値の提供”“顧客のニーズを満たす価値の提案”“さらなるブレイクスルーの継続”の3点を挙げるとともに、「さらに先に進むためにマイクロソフトが(開発者に)提供するものはツールとプラットフォーム。しかし、それらの価値を本当に高めてくれるのは、開発者の皆さんがその上で作るソフトウェアである」と述べ、ソフトウェアによるIT産業のさらなる発展の促進を訴えた。また、日本市場について、「(日本は)アメリカを除くと世界で2番目に大きい開発者市場」と評し、「モダンな変更点を盛り込んだ最新の環境」を用いることで新しいソフトウェアの価値を世界に発信してほしいと期待を示した。

    (編集部 内田泰仁)


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