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会場の活気に電子本の夜明けを見た!!――“第12回 東京国際ブックフェア2005”“デジタルパブリッシング フェア2005”レポート


2005年7月8日

東京・有明の国際展示場(東京ビッグサイト)において7日、書籍全般の専門展示会“第12回 東京国際ブックフェア2005”が開幕した。主催は東京国際ブックフェア実行委員会/リード エグジビション ジャパン(株)。今回は過去最多の世界25ヵ国650社が出展があり、最大規模での開催となる。例年どおり電子出版を中心とした“デジタルパブリッシング フェア2005”も同時開催となった。出版物や制作物などのコンテンツのデジタル化や配信に関する最新技術、ならびにサービスが一堂に会する数少ない機会だけに、各社からさまざまな展示が展開されていた。

活気のあるボイジャーブース
活気のあるボイジャーブースは、デジタルパブリッシングフェアゾーンで唯一、“ブックフェアの雰囲気”を伝えていた

昨年は、松下電器産業(株)の『ΣBook(シグマブック)』やソニー(株)/ソニーマーケティング(株)の『LIBRIé(リブリエ)』など、大手メーカーの参入で盛り上がった電子出版だったが、今年もボイジャージャパン(株)が4月に、携帯電話やPDAなどさまざまな形態の液晶デバイスにコンテンツを書き出せる画期的な機能を加えた電子本ビューアー『T-Time(ティー・タイム) 5.5』をリリースして話題になっている。本展示会でも松下電器産業が『ΣBook』の次期モデルを参考出品するなど、あちこちで注目すべき展示があった。

『蔵書4670』CD-ROM版
ワンコイン(500円)で販売されている『蔵書4670』CD-ROM版。ここにはazur 1.5のお試し版も含まれている。これだけを目当てに来場された方もいたとか

ボイジャージャパンは4月にリリースしたばかりのT-Time 5.5、ならびに縦書きビューアー『azur(アジュール) 1.5』を中心に紹介していた。毎回、さまざまなコンテンツの販売も行なっているボイジャーブースだが、今回はazurで見ることができるインターネット上の電子図書館“青空文庫”で公開されている4670タイトルを1枚のディスクに収めた2005年版『蔵書4670』CD-ROM版を販売していた。

ΣBookの次期モデル“マルチBookプレーヤ”
ΣBookの次期モデル“マルチBookプレーヤ”。現時点ではあくまでイメージモデルであり、操作用のインターフェースなどが加わる予定だ。展示品を見る限り、全体はある程度の薄さを実現しているが、右側背面の膨らんだ白い部分にはバッテリーが収められ、そこがグリップになるようだ

ボイジャーと共同出展となった松下電器産業では『ΣBook』を中心に展開していた。ブース内のテーブルには自由に閲覧できるΣBookが置かれ、さながらブックカフェのようだった。

同ブースの目玉は、ΣBookの次期モデルとなる“マルチBookプレーヤ(仮称)”だ。“ユビキタス・マルチメディアターミナル”への進化を示すモデルとして、現行モデルのさらに上を行く多機能かつ高機能なモデルへと変貌する。

暗いところでも読めるように改善された読書支援機能に加え、音楽や語学テキスト・朗読本の再生、グラビアやデジタルカメラで撮影した写真/動画が表示できる高解像度で大画面のフルカラーディスプレーを備え、片手で楽に操作できるように1画面が文庫本程度とコンパクトサイズで軽量化を図る(目標300g以下)という。ブース担当者によれば、「リリース時期は未定です。少なくとも年内というのはありません」とのこと。



ΣBookを手に読書する俳優・本木雅弘さんのデモンストレーションムービー
松下電器産業ブースでは、“TEPCOひかり”(東京電力(株)のFTTHサービス)のCMでΣBookを手に読書する俳優・本木雅弘さんのデモンストレーションムービーが紹介されていた


“プラトニック・セックス”飯島 愛著
シャープの電子書籍サービスはi-mode向けの“ケータイ読書館”(写真は“プラトニック・セックス”飯島 愛著)をはじめ、CDMA 1X WIN、Vodafone live!向けの“SpaceTownブックス”など、携帯電話向けのサービスも充実している
“電子書籍は、シャープ”とアピールしていたシャープブース
“電子書籍は、シャープ”とアピールしていたシャープブース

シャープ(株)はこれまでと変わらず、XMDFフォーマット(同社独自の“ブンコビューア”向け電子書籍フォーマット)を使って、携帯端末“Zaurus(ザウルス)シリーズ”や各キャリアの携帯電話など、さまざまなデバイスでの電子書籍を楽しみ方を紹介していた。また同社は今月5日に、武論尊/原 哲夫著の人気マンガ“北斗の拳”をauのEZweb公式電子書籍配信サイト“SpaceTownブックス”で8月1日に配信開始することを発表しているが、このコンテンツを一足先に同ブースで見ることもできた。

ビブロポートのコミック販売サイト『eliba.comics』
ビブロポートのコミック販売サイト『eliba.comics』

コミックコンテンツに着目しているのは、シャープだけではない。在庫本の販売と同時にPDFによるダウンロード本のサービスも提供している(株)ビブロポートの“eliba.com”では、7日にプレオープンしたオンラインコミックス販売サイト“eliba.comics”(8月1日より正式オープン)を紹介していた。同サイトはeliba.comと同様に、在庫本とダウンロード本を提供するもの。プレオープンの現時点では大手版元のコンテンツは用意されていないが、順次参入が予定されているという。

同社の同人ダウンロード販売サイト『elfics.com』
同社の同人ダウンロード販売サイト『elfics.com』

コミックは出版社のコンテンツとともに“インディーズ”、つまり同人誌系コンテンツに人気があるのは知られているが、同社ではコミック/ゲーム/CG集などの同人誌および同人ソフトを手軽に購入できる同人ダウンロード販売サイズ“エルフィックス(elfics.com)”も紹介していた。

同ブースでは、このほかにグラビア専門写真集販売サイト“電影写真館 eliba.photo”も紹介していた。

イーブック・システムズは、SBSやユーザー事例などを紹介
“FlipBook”のイーブック・システムズは、SBSやユーザー事例などを紹介していた

マルチメディア電子書籍“FlipBook(フリップブック)”を提供するイーブック・システムズ(株)では、FlipBookが再生できる専用ビューアー『FlipViewer(フィリップビューアー)』を中心とする“Flipテクノロジー”を使った小規模ユーザー向けのFlipBookセルフ配信サービス“スモールビジネスパブリッシングサービス(SBS)”(仮称)や、FlipBookを使ったユーザー事例などを紹介していた。

FlipBookは昨年から提供が開始され、電子書籍としては新規参入となるが、ページをめくるという普遍的な“本を読むスタイル”をソフトウェアで再現したところがユニークな存在だ。まだ導入事例は少ないものの、めくる感覚がぴったりの絵本専門サイト“おはなし絵本クラブ”などのサービスが開始されている。

また、7日に無償ダウンロード提供が開始されたMac OS X 10.2以降向けのFlipBookビューアー『MacFlipViewer 1.1日本語版』も紹介していた。



(千葉英寿)


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