(株)ウィルコムのブースは、7日に発表したばかりのPHS無線通信デバイス“WILLCOMコアモジュール”に絞った構成であった。WILLCOMコアモジュールの1つである“W-SIM(ウィルコムシム)”は、PHSによる無線通信機能をCFカードの半分程度のサイズ(幅25.6×奥行き42×高さ4mm)に収め、さまざまな端末と組み合わせて電話や無線制御装置として利用する。
ウィルコムのブース |
W-SIM。CFカードを縦に半分にした程度の大きさで、無線モジュールに加えてアンテナ、電話帳用のメモリーなどが内蔵されている | W-SIMの試作モデル(形状サンプル)。PCカードとCFカードの中間程度の大きさだ |
W-SIMが対応する通信方式は回線交換とパケット通信で、通信機能自体は従来のPHS電話機と変わらない。しかし、こうした汎用のモジュールが通信事業者によって用意されれば、製品の開発コストが抑えられたり、従来の端末メーカーのような技術力を持たない企業が市場に参入したり、さまざまな効果が期待できるだろう。(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモがPHSからの撤退を表明するなど縮小傾向にあるPHS市場だが、WILLCOMコアモジュールの登場はバリエーション豊かな製品の登場を期待させる。
W-SIMの用途のひとつとしてデモンストレーションされていたペット用給餌装置。この種の製品は、単体に携帯電話やPHSを組み込むよりもコアモジュール化したほうが、1つの回線契約でさまざまな装置に付け替えられるので、利用者にとっては手軽だろう | W-SIMを用いたプロトタイプのPHS端末。かなり小型に仕上がっている |