(財)日本映像国際振興協会は29日、都内で記者会見を開き、10月22日から30日まで開催される“第18回東京国際映画祭”の概要に関して説明した。東京・港区の六本木ヒルズ、同渋谷区のBunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場および施設・ホールで、国内外の映画作品300本以上が上映される。
“コンペティション”の国際審査委員長には映画監督のチャン・イーモウ氏が選ばれた。オープニング作品も同氏の『単騎、千里を走る。』となった |
東京国際映画祭(TIFF:ティフ)は、国際映画製作者連盟公認の世界11大国際映画祭のひとつで、1985年から開催されている。目玉となる“コンペティション”の上映本数は16本(全世界551本から選考中)で、国際審査委員長には映画『初恋のきた道』『HERO』『LOVERS』で知られる映画監督のチャン・イーモウ(張 芸謀)氏の招聘が決まった。“明日の映画界を担う新しい才能の発掘”と“芸術性と商業性のバランスの良い作品作品セレクション”の観点から“東京グランプリ”(賞金10万ドル:約1120万円)などの各賞を選出する。会見では、チャン・イーモウ氏の『単騎、千里を走る。』がTIFF 2005のオープニング作品に選ばれたことも発表された。
左から順に日本映像国際振興協会事務局長の福田慶治氏、第18回東京国際映画祭チェアマンの角川歴彦氏、日本映像国際振興協会理事長の高井英幸氏、プログラミング・ディレクターの田中千世子氏 |
上映企画では、このほか国内未公開作品22本を上映する“特別招待作品”、アジア地域の優秀作25本を上映する“アジアの風”、日本映画10本をクローズアップする『日本映画・ある視点』などが行なわれる。また、新企画としては、秋葉原を舞台にアニメやゲームのキャラクターイベントが行なわれる“TIFF in AKIHABARA 秋葉原エンタまつり”(主催:秋葉原エンタまつり実行委員会、会期10月22日から30日)が追加されており、昨年から加わった各種マーケット企画もさらに拡充される予定。
会見には、(財)日本映像国際振興協会理事長の高井英幸(たかい ひでゆき)氏、第18回東京国際映画祭チェアマンの角川歴彦(かどかわ つぐひこ)氏、(財)日本映像国際振興協会事務局長の福田慶治(ふくだ けいじ)氏が出席。TIFF 2005の開催概要や方針について説明した。
従来ジェネラルプロデューサーという名称だった角川氏の役職は、チェアマンに改称された |
チェアマンの角川氏は「東京映画祭にくれば、世界の映画界がダイナミックに動いていることが実感できる、鏡のような存在にしたい」と述べた。また、今回の目標として“3つのコラボレーション”を掲げ、「ハリウッド、アジア、日本映画のコラボ」「2年目となったフィルムマーケットと映画祭のコラボ」「政府、東京都民、映画祭スタッフのコラボ」を実現したいと述べた。
TIFF2005の情報は、ウェブサイト“cyberTIFF”によって発信される。現在はテキスト情報中心だが、9月下旬から動画配信を含めた本格的な運営が始まる見込み。動画コンテンツには、上映作品の予告編や記者会見、TIFFで実施されるレッドカーペット、セレモニー、舞台挨拶などが予定されているという。