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マイクロソフト、学生/教育関係者向けのテクノロジーの祭典“Imagine Cup World Festival”を開催――“ビジュアルゲーミング部門”で日本の高校生が世界一に!


2005年8月2日

マイクロソフト(株)は1日、テクノロジーに興味を持つ学生や教育関係者などを対象としたイベント“Imagine Cup World Festival”を横浜のパシフィコ横浜で開催した。このイベントは、全世界を対象とした学生技術コンテスト“Imagine Cup 2005”(今年で3回目。応募者は150ヵ国以上/約2万9000人)の決勝大会(世界40ヵ国以上、200人以上の学生が参加。7月27日から31日に開催)の一環として行なわれたもので、“Imagine Cup 2005”の9つのコンテスト部門の受賞者発表やゲスト登壇者によるスピーチなどが催された。


9コンテスト部門の優勝プロジェクト/優勝者。アジア、ヨーロッパ、南北アメリカと非常に国際色豊かな顔ぶれだ

“Imagine Cup 2005”で競われた9つの部門とそれぞれの優勝プロジェクトまたは優勝者名(敬称略)/出身国は以下のとおり。なお、“IT部門”“ビジュアルゲーミング部門”“Web開発部門”の3部門については高校生を対象とした“高校部門”が別途設けられている。

“ソフトウェアデザイン部門”
OmniMusic/ロシア
“アルゴリズム部門”
Phuong Ngoc Nguyen/ベトナム
“ショートフィルム部門”
Vertigen/メキシコ
“レンダリング部門”(同得点で2チーム優勝)
nesnausk!/リトアニア
FrontFree Studio/中国
“IT部門”
Stefan Plizga/フランス
高校部門:Brian Desmond/アメリカ
“ビジュアルゲーミング部門”
ai@put/ポーランド
高校部門:fal/日本
“テクノロジ ビジネスプラン部門”
ProGreen/インド
“オフィスデザイナー部門”
ArtiFACTORY/ブラジル
“Web開発部門”
A.I. Core!/ルーマニア
高校部門:Wilson/香港


決勝大会まで勝ち残った日本から参加した学生の皆さん。このうち、前列の加藤さん(左)と熊谷さん(右)がみごと入賞を果たした

日本からの参加者で決勝大会まで駒を進めたのは4プロジェクト/7人で、このうち、“ビジュアルゲーミング部門”の高校部門で、加藤新英さん(灘高等学校)が優勝、熊谷一生さん(一関高等専門学校)が第3位に入賞を果たした。

また、マイクロソフトはイベント内で、プログラミング開発をテーマの中心とした学生向けのコミュニティーサイト“theSpoke”のバージョンアップ(“theSpoke VERSION2”)を発表。ユーザーインターフェースの改善、世界各国で展開されている“theSpoke”の統一、ハブ機能/特集コンテンツ/ユーザー間コミュニケーション機能の強化などが図られるという。


イベントの最後には、全入賞プロジェクト/入賞者や関係者、各国からの来賓が壇上に上がった。広いパシフィコ横浜のステージがすし詰め状態!

“Imagine Cup 2005”の最終イベントとして開催された“Imagine Cup World Festival”では、前述のコンテスト部門のうち、“アルゴリズム部門”“ショートフィルム部門”“ビジュアルゲーミング部門”“ソフトウェア部門”の4つの優勝プロジェクト/優勝者の発表および表彰に加え(それ以外の部門は7月31日に発表/表彰)、“ビデオゲームの父”として知られる米ATARI(アタリ)社の創設者であるノーラン・ブッシュネル(Nolan Bushnell)氏、日本科学未来館館長の毛利衛氏、日本放送協会(NHK)の解説委員の中谷日出氏、数学者で大道芸人のピーター・フランクル氏らが登壇し、スピーチを行なった。スピーチの内容は、テクノロジーやソフトウェアに関心が高い学生などが対象のイベントということで、“未来のテクノロジーはどういうものか”“夢をどうやって実現するか”といったテーマが中心となっていた。


米ATARI社の創設者であるノーラン・ブッシュネル氏

米ATARIの立ち上げの経験に基づいて“夢の実現”について語ったブッシュネル氏は、現在のテクノロジーの世界を「OKな世界」と表現。ゲーム機やコンピューター、携帯電話などの製品は“OKなもの”と認められる水準には成長しているが、「まだ数万通りの方法で“超スゴイ”ものにすることができる」と発展の余地があるとした。また、技術の発展により切り開かれる“新しい世界”の担い手は、特定の文化や人種、世代に限定されるものではないとして、「若い人たちだけじゃなく、私にもまだまだいい時代があると楽しみにしている」と今後の技術革新にも意欲的だと述べた。

また、米ATARIの創設時には、同社のビデオゲームが既存の流通に受け入れられなかったという経験を紹介。先進的な技術革新のほとんどは既存の“社会”や“システム”などに対して“破壊的”でありえ、それらが“敵”になってしまうという可能性を指摘。そのため同氏は、“挑戦”することの重要性を説きつつ、「挑戦を急ぎすぎず、周囲や“調整役”の理解と支持も得ながら進むべきだ」と語った。さらにブッシュネル氏は、テクノロジーの飛躍的な進化はこれからさらに加速するとの見方を示すとともに、「世界中のあらゆる場所に新しいIBMや新しいマイクロソフトの種を育ててる人がいるだろう。それはどこにいるかわからないが、もし今わかれば投資するし、この場で手を挙げてくれてもいい」と述べ、会場を沸かせた。


日本科学未来館館長の毛利衛氏

宇宙飛行士時代の飛行服姿で登壇した毛利氏は、宇宙飛行士としての訓練やスペースシャトルでの体験などから“夢を実現”するための心構えを語った。毛利氏は「自分の命を賭けてまでできる仕事を実現するには、子供の頃から抱いていた“夢”がベースになるのではないか」と述べ、“夢”を大切にし、それに向かって努力することの重要さを説いた。また、宇宙とコンピューター技術の関連について、「コンピューターがなくては宇宙にはいけないが、コンピューターだけでは宇宙にいけない」「シミュレーションが現実になるほどの訓練によって、(人間自身の技術水準が)“本物”になる」と述べ、コンピューターと人間の双方の成熟が宇宙技術の発展には欠かせないと語った。

日本放送協会(NHK)の解説委員の中谷日出氏。同氏がこれまでに体験・紹介した最先端の映像、バーチャル・リアリティー技術などを紹介。これからのデジタル映像の未来を切り開くキーワードは“ユビキタス”と“究極の臨場感”だと述べた
セッションの間にはメカニカルでアートな(?)機械によるパフォーマンスを披露する“明和電機”が登場。40ヵ国以上からの参加者がいる国際色豊かなイベントだったが、彼らのセンスに会場は大ウケ


米マイクロソフト社コーポレート バイスプレジデントでディベロッパー ディビジョン担当のエス・ソマセガー氏

また、イベント終了後には、会場内でプレスセミナーが開催され、優勝プロジェクト/優勝者の紹介と記念撮影、主催したマイクロソフトによる総括などが行なわれた。ここで登壇した米マイクロソフト社コーポレート バイスプレジデントでディベロッパー ディビジョン担当のエス・ソマセガー(S Somaseger)氏は、「異なる言語、文化、背景などを持った学生たちが共有し、共通に理解しているものはテクノロジーだ」と述べ、テクノロジーを核とした学生たちの交流という“Imagine Cup”の意義を紹介。回を重ねるごとに参加者数や規模が大きくなっていく“Imagine Cup”において「将来をリードする学生たちに10年後20年後を占うものが見ることができただろう」と述べるとともに、「将来のリーダーとなりえる学生たちの可能性を見て、将来的にますます明るい未来が待っていると楽天的な気分になった。学生たちの可能性を感じてほしい」として、学生たちの活躍に対する期待感を示した。

マイクロソフトの執行役デベロッパーマーケティング本部本部長の鈴木協一郎氏(写真左)と、“ソフトウェアデザイン部門”で優勝した“OmniMusic”のメンバー(写真右)

また、続いて登壇したマイクロソフトの執行役デベロッパーマーケティング本部本部長の鈴木協一郎氏は、挨拶に続いて“ソフトウェアデザイン部門”優勝プロジェクトの“OmniMusic”のメンバーにインタビューを実施。“OmniMusic”は、“コミュニティー指向型の分散音楽演奏システム”で、遠隔地にいるミュージシャン同士がネットワークを介して同時に演奏するというもの。“OmniMusic”のメンバーによると、このシステムを実現するにあたっては、ミュージシャン同士が同時に違和感なく演奏できるタイムラグを50ミリ秒と割り出し、この範囲内に遅延が収まるようにデータ転送のカーネルなどをチューンしていくのが最大の難関だったと語った。また、学生たちへのメッセージとして、「恐れずに夢に向かって忠実に努力していこう」と呼びかけた。


イベント内では、2005年決勝大会開催地である日本の代表者と、2006年開催地のインドの代表者による国旗交換が行なわれた

なお、次回開催となる“Imagine Cup 2006”の決勝大会の開催地はインドのデリーに決定したことがこの日発表されている。

(編集部 内田泰仁)


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