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シマンテック、“インターネット利用に関する親と中高生の世代間調査”の結果を発表――親子間での認識のギャップが明らかに

2005年08月24日 21時57分更新

文● 編集部 内田泰仁

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(株)シマンテックは24日、同社が調査機関を通じて行なった“インターネット利用に関する親と中高生の世代間調査”の結果を解説する記者説明会を行なった。調査機関は(株)インフォプラント、調査実施期間は7月中旬。この調査は、インターネットのセキュリティーに関する状況や世代間の認識の差異を調査することを目的に、インフォプラントが保有する全国の男女パネルからスクリーニングし、中高生の子供を持つ親600サンプル、中高生577サンプルから(親と中高生の間では実際の親子関係はない)、専用ウェブサイトを使用して回答を得たとしている。

インターネットの利用内容メールの送受信件数

調査結果によると、インターネットの利用頻度の平均は、親が週10.42回、中高生が8.53回、1回あたりの利用時間は、親が平均130.55分、中高生が124.28分で、利用頻度、時間ともに両世代の差は比較的小さい。しかし、利用内容には顕著な差も見られ、ウェブサイト閲覧とメールを除くと、親ではネットショッピング/予約サービスの利用(76.2%)やネットバンキング(61.2%)が多く、中高生では掲示板/チャット(52.7%)、オンラインゲーム(45.4%)、音楽や映画などのダウンロード(34.0%)が上位に挙げられている。また、メールの利用に関しては、親の平均送信件数は21.51通、中高生が23.88通、受信件数は親が172.81通、中高生が101.45通となっており、いずれの世代でも受信件数が送信件数を大幅に上回っている(原因としては迷惑メールの多さが挙げられている)。

インターネットの利用上心配な“脅威”流出すると危険だと感じている個人情報

インターネット利用の中で心配な“脅威”としては、親、中高生ともに、ウイルス感染がトップに挙げられている(親86.3%/中高生73.7%)。以降、迷惑メール、スパイウェア、不正アクセス、詐欺が並ぶが、全般的にこれらを脅威と挙げる回答は親よりも中高生のほうが少なく、インターネット上の“脅威”に関する認識の弱さ・甘さがあるのではないかと指摘している。また、親が懸念する“子供(中高生)が直面する可能性がある脅威”としては“子供が不適切もしくは危険な情報にアクセスすること”が79.7%でトップとなっている。

インターネット利用時のルールや親子間でのコミュニケーション親による子供のインターネット利用の把握状況。年齢が進むにつれて困難になっているようだ

また、親子の間でのインターネット利用に関するコミュニケーション(適切な利用、脅威への対応など)の実施については、親の60.7%が“インターネットの利用について親子で話し合ったことがある”と回答しているものの、中高生ではこれが31.0%にとどまっている。また、“不適切なサイトに関する話題で話し合ったことがある”では親が40.2%に対し、中高生が20.1%、“インターネットの使い方について約束や決め事がある”では親が46.7%に対し、中高生が21.1%となっており、いずれの項目でも、親の世代と中高生の世代に大きな認識のずれがある結果となってしまっている。さらに、インターネット利用に一定のルールが設けられていると答えた中高生の中にも、“守っていたこともあるが大部分は守っていない”(11.5%)、“ほとんど守っていない”(5.7%)と答えている。

コンシューマ・マーケティング部プロダクトマーケティングマネージャの田上利博氏

以上の調査結果から同社は、中高生のインターネットの脅威に対する認識や親子間でのインターネット利用や脅威に対するコミュニケーションの不足を指摘しており、結果方向に続いて登壇したコンシューマ・マーケティング部プロダクトマーケティングマネージャの田上利博氏は、中高生がいる家庭におけるインターネット利用について、以下の点を“子供を守るための家庭内ルール設定と子供への教育”として提言している。

  • 保護者自身が学習した上で子供を教育する
  • 子供とインターネット利用について話し合いを持つ
  • インターネットを利用する基本ルールを作成する
  • インターネット上の情報源、相手の身元を確認させるように指導する
  • 絶対に教えてはならない情報(パスワード、住所、クレジットカード番号など)を守らせる
  • オンラインショッピング/オークションの安全な取引法を守らせる
  • インターネット社会でも“実社会”と同じルールをマナーとして守らせる
  • ISPが提供する子供向けのオンライン・アカウントやサービスを利用する(アクセス規制やフィルタリングなど)
  • フィルタリング機能を持つセキュリティー対策ソフトウェアを導入する

執行役員副社長でコンシューマ事業統括の齋藤秀明氏

また、説明会の冒頭に挨拶を行なった執行役員副社長でコンシューマ事業統括の齋藤秀明氏は、“子を持つ親”のひとりとして「インターネットに関する教育に日々悩みながら取り組んでいる」と述べているが、「今回のアンケートは新しい“気付き”になった」として、子供のいる家庭におけるインターネットに関する教育の重要性を強調した。

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