このページの本文へ

MCPC、“PDA・モバイルソリューションフェア 2005”を開催――スマートフォンの端末やソリューションに注目が集まる

2005年09月02日 19時56分更新

文● 編集部 小西利明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
PDA・モバイルソリューションフェア 2005の展示会場は、多くの来場者で混雑していた。携帯電話を軸としたモバイルソリューションへの注目の高さが感じられる
PDA・モバイルソリューションフェア 2005の展示会場は、多くの来場者で混雑していた。携帯電話を軸としたモバイルソリューションへの注目の高さが感じられる

モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(以下MCPC)は2日、東京国際フォーラムにてPDAや携帯電話を活用した企業向けモバイルシステムの専門展示会“PDA・モバイルソリューションフェア 2005”(主催 MCPC、特別協賛 マイクロソフト(株)、インテル(株))を開催した。モバイルソリューションに関する各種セミナーと、機器やサービスの展示が行なわれたが、会場には多くの来場者が詰めかけて、モバイルソリューションへの注目の高さを示した。

受付近くに設けられたWiFi Zoneでは、来場者が自由に無線LANを使えるコーナーが用意されていた
受付近くに設けられたWiFi Zoneでは、来場者が自由に無線LANを使えるコーナーが用意されていた

会場の来場者受付ブース周辺は、“WiFi Zone”と命名され、インテルによる無線LANについての小さなセミナーや、同社のプロセッサーを採用した携帯情報端末などが展示されていた。また(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)は、先日発売され話題を呼んでいる無線LAN接続機能付きFOMA対応携帯電話機“ビジネスFOMA”『M1000』(製造はモトローラ(株))を体験できるブースを設置。ウェブブラウザーやメールクライアント、IEEE 802.11b対応などの機能について、実機を手に取りながら説明を受けていた。

インテルブースに出展されていた、携帯電話型の無線LAN搭載PDA『WiPCom』。製造は富士通(株)系のベンチャー企業、ネットツーコム(株) WiPComの裏側。OSにWindows CE .NET 4.2を搭載し、IEEE 802.11b無線LAN機能を備えるほか、CFカードスロットも搭載し、無線LAN以外の通信も利用できる。VoIP音声通話にも対応する
インテルブースに出展されていた、携帯電話型の無線LAN搭載PDA『WiPCom』。製造は富士通(株)系のベンチャー企業、ネットツーコム(株)WiPComの裏側。OSにWindows CE .NET 4.2を搭載し、IEEE 802.11b無線LAN機能を備えるほか、CFカードスロットも搭載し、無線LAN以外の通信も利用できる。VoIP音声通話にも対応する
NTTドコモのブースでは、M1000を大々的にフィーチャーし、M1000自体の機能から利用したソリューション例など、さまざまな側面から展示を行なっていた FOMA初の本格的スマートフォン『M1000』。詳細は関連記事を参照のこと
NTTドコモのブースでは、M1000を大々的にフィーチャーし、M1000自体の機能から利用したソリューション例など、さまざまな側面から展示を行なっていたFOMA初の本格的スマートフォン『M1000』。詳細は関連記事を参照のこと

展示会場全体の傾向としては、携帯電話関連機器や携帯電話を端末に使うビジネスソリューションが展示の主流となった感がある。特にM1000など、いわゆる“スマートフォン”と呼ばれる多機能携帯電話機には多くの来場者が興味を示し、具体的なビジネス案件につながるような熱心な質問を行なっている姿が、そこかしこに見受けられた。最新PDAやPDAを利用したソリューション自体も出展され、また同時開催のセミナーでは、マイクロソフトが8月に発表した携帯機器向け最新OS“Windows Mobile 5.0日本語版”についての講演が行なわれてはいたものの、流れは携帯電話によるソリューションにあるように見受けられた。またGPSを活用したソリューション提案も多かった。

愛・地球博会場で使用されているという、KDDI(株)の情報端末“愛・MATE”。CDMA 1X WINやIEEE 802.11b、Bluetooth Ver 1.2に対応し、Windows Mobile 2003 SEをOSに採用。説明員が来場者の案内に利用したり、予約制の施設の入館管理などに利用している マイクロソフトのWindows Mobileブースに展示されていた、米Audiobox社のGSM携帯電話機『SMT5600』。176×220ドットのスクリーンを備え、Windows Mobile 2003 SEを搭載している。非常にコンパクトながらも使いやすそうで、日本でもこうした端末が登場してほしい
愛・地球博会場で使用されているという、KDDI(株)の情報端末“愛・MATE”。CDMA 1X WINやIEEE 802.11b、Bluetooth Ver 1.2に対応し、Windows Mobile 2003 SEをOSに採用。説明員が来場者の案内に利用したり、予約制の施設の入館管理などに利用しているマイクロソフトのWindows Mobileブースに展示されていた、米Audiobox社のGSM携帯電話機『SMT5600』。176×220ドットのスクリーンを備え、Windows Mobile 2003 SEを搭載している。非常にコンパクトながらも使いやすそうで、日本でもこうした端末が登場してほしい
(株)ウィルコムのブースで展示されていた、超小型PHS通信モジュール“W-SIM” W-SIMを使った小型携帯電話機の見本。通信機能をすべて小さなモジュールで実現しているため、端末のフォームファクターは多彩なものを実現できる
(株)ウィルコムのブースで展示されていた、超小型PHS通信モジュール“W-SIM”W-SIMを使った小型携帯電話機の見本。通信機能をすべて小さなモジュールで実現しているため、端末のフォームファクターは多彩なものを実現できる
W-SIM応用機器の例。携帯型ビデオプレーヤー 同じく応用例の企業向け携帯情報端末。カードリーダーなどを備え、PDAよりは二回りほど大型
W-SIM応用機器の例。携帯型ビデオプレーヤー同じく応用例の企業向け携帯情報端末。カードリーダーなどを備え、PDAよりは二回りほど大型
GPSアンテナと地図情報入りSDメモリーカードを組み合わせたPDA『Mio 168 RS』(発売は(株)マイタックジャパン)
GPSアンテナと地図情報入りSDメモリーカードを組み合わせたPDA『Mio 168 RS』(発売は(株)マイタックジャパン)
マイクロソフトブースで展示されていた、米HP製のキーボード搭載PDA。Windows Mobile 5.0に対応するのだろうか (株)日立製作所ブースにあった、キーボード搭載のWindows Mobile 2003 SE対応PDA『FLORA-ie MX1』。PDAに詳しい人ならお分かりのように、本体はシャープ(株)製のLinux搭載ビジネス向けザウルスのOEM
マイクロソフトブースで展示されていた、米HP製のキーボード搭載PDA。Windows Mobile 5.0に対応するのだろうか(株)日立製作所ブースにあった、キーボード搭載のWindows Mobile 2003 SE対応PDA『FLORA-ie MX1』。PDAに詳しい人ならお分かりのように、本体はシャープ(株)製のLinux搭載ビジネス向けザウルスのOEM

一方で相次ぐ個人情報漏洩事件を受けて、モバイル機器での情報保護を行なうソリューションを出展する企業や、携帯電話機に感染するウイルスの登場を受けて、ウイルス対策ソフトベンダーのマカフィー(株)もブースを設けていた。ソリューションとしての実用段階に入ったがゆえに、モバイルソリューションにもパソコンや社内ネットワークと変わらないセキュリティー対策が求められているようだ。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン