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フリースケール、同社初の総合技術フォーラム“フリースケール・テクノロジ・フォーラム・ジャパン2005”を開催

――PowerPCが居眠りするドライバーを起こす!!


2005年9月8日

フリースケール・セミコンダクター・ジャパン(株)は8日、東京・目黒の目黒雅叙園において同社設立後で初となる技術フォーラム“フリースケール・テクノロジ・フォーラム・ジャパン2005”を開催した。主に組み込みデバイスの開発者を対象としたセミナー主体のイベントで、携帯電話/UWB&ZigBeeの無線伝送/低消費電力機器やセンサーデバイス/カーエレクトロニクス(車載機器)/広帯域ネットワーク機器(インフラ系およびホーム&オフィス向け)という、全6トラックに分けて12時間以上に渡る長丁場のイベントとなった。

代表取締役社長の高橋恒雄氏
代表取締役社長の高橋恒雄氏

午前中には代表取締役社長の高橋恒雄氏と米フリースケール・セミコンダクター(Freescale Semiconductor)社のシニア・バイスプレジデントのスミ・サダナ(Sumit Sadana)氏による基調講演、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモのプロダクト&サービス本部 プロダクト部長の永田清人氏とトヨタ自動車(株)の車両技術本部 総合システム開発部第1開発室長の谷川 浩氏によるゲストスピーチなどが行なわれた。

米フリースケール・セミコンダクターのシニア・バイスプレジデントのスミ・サダナ氏
米フリースケール・セミコンダクターのシニア・バイスプレジデントのスミ・サダナ氏

サダナ氏はまず、8月26日に総務省から発表された“中国とのコラボレーションによる4G(第4世代)携帯電話の開発”(総務省の報道資料)に触れて、「今後は携帯電話でも固定電話でも高速な通信が必要となる。日本は技術革新の中心地であり、日本の技術者とは今後も協調していきたい。新しい技術・市場を形成する手助けができればと思う」と切り出し、同社が得意とする“高速ネットワーク”“無線通信”“組み込み向けデバイス”の3分野がホットな市場であること、技術革新が加速を続けており、従来のような“個の開発”では追いつかず、“チームで開発”する必要性(いわゆる“ECOシステム構築”)が高まっていることを強調した。

次に高橋氏が壇上に上がり、同社の最新技術をデモンストレーションを交えて説明した。ここでデモされたのは

  • スマートフォンの例としてNTTドコモ/モトローラ(株)のFOMA対応多機能携帯電話『M1000』を紹介しながら、スマートフォン向けに設計された同社のアプリケーション&ワイヤレス通信プロセッサー“MXC”の省電力性や高速処理性能を説明
  • 無線LAN対応VoIP携帯電話を使い、搭載している同社の組み込み向けCPU“ColdFire”のアーキテクチャーや今後のロードマップを説明
  • 車載コンピューターのデモ基板(PowerPC MPC5200搭載)を使い、人の顔(目の動きや変化)を認識して居眠りを検知するセンサー&画像処理技術、将来に渡る車載コンピューティングの可能性を説明
  • 通信プラットフォームの標準規格“Advanced TCA(Telecom Computing Architecture)”に準拠したバックプレーンに、“Gigabit Ethernet”と“RapidIO”のネットワークボードを装着し、ソフトウェアでエラー検出/訂正、QoS制御を行なうEthernetと、同社のネットワークプロセッサー“PowerQuiccファミリー”を使ってハードウェアで処理するRapidIOを比較し、伝送速度の安定性にPowerQuiccが大きく寄与することを説明

という4つ。

掲載当初、M1000にMXCを搭載と記述しましたが、正しくはM1000にはMXCチップ/アーキテクチャーを搭載していません。お詫びして訂正いたします。(2005年9月12日)

オペレーション・マネージャーの遠藤千里氏がM1000を手にデモを行なった
ワイヤレス&モバイル・システム・グループ セルラー・プラットフォーム・カスタマ・プログラム・オペレーション オペレーション・マネージャーの遠藤千里氏がM1000を手にデモを行なった
“MXC”のアーキテクチャー
“MXC”のアーキテクチャー

MXCは、SCM(Single Core Modem、無線通信を行なう機能)とアプリケーション実行機能を分離して、必要な部分のみに通電することで消費電流を40〜50%、実装コストを30%削減できるのが特徴だという。実装面積は18×20mmで、通信方式にGSMのみサポートしており、来年以降搭載した携帯電話が発売予定になっている。また、今年第4四半期にはW-CDMAへの対応を予定しており、1チップで第3世代の多機能携帯電話(いわゆる“スマートフォン”)の主要な機能を実現できるとしている。

WiFi対応VoIP電話のデモを説明する構成図
Wi-Fi対応VoIP電話のデモを説明する構成図
ColdFireのロードマップ
ColdFireのロードマップ
i.MX31のアーキテクチャーを説明する図
i.MX31のアーキテクチャーを説明する図
MPEG-4映像をデコードするデモ
MPEG-4映像をデコードするデモ。コマ落ちなく再生していた

無線LAN対応VoIP携帯電話に使われているColdFireは、低価格にVoIP電話を実現するソリューションとしてチップとミドルウェアを提供しており、今後はメールやウェブブラウザー、音楽や映像の再生などの多機能を持つ“i.MX2x”“i.MX3x/5x”の開発も予定されている。会場ではi.MX31を搭載したエミュレーションボードを使い、QVGAサイズのMPEG-4映像(毎分24フレーム)を再生するデモを見せた。i.MX31の動作クロックは532MHzだが、内部の各ブロックを6系統のクロスバースイッチで接続することにより並列処理が可能で、3GHz相当の実行処理速度が得られると説明。これにより消費電力は40〜50%の低減が見込めるとしている。

車載コンピューティングの居眠り防止システムをデモ
車載コンピューティングの居眠り防止システムをデモしているところ。顔と目の位置を自動検出した
居眠り検知の手順
居眠り検知の手順
使われているCPUはPowerPC MPC5200
使われているCPUはPowerPC MPC5200で、車内の過酷な環境(温度変化)にも耐え得るという
フリースケールの製品で車内システムに応用できる範囲を示した図
そのほか、フリースケールの製品で車内システムに応用できる範囲を示した図
居眠り防止システムのデモ
ジェネラル・マネージャーの伊南恒志氏が、PCI Expressスロット用のGigabit EthernetボードとRapidIOボードを手にデモを行なった
ネットワーキング&コンピューティング・システム・グループ ジェネラル・マネージャーの伊南恒志氏が、PCI Expressスロット用のGigabit EthernetボードとRapidIOボードを手にデモを行なった
デモの概要を説明する図
デモの概要を説明する図
日本では初公開という、Advanced TCA準拠のネットワークシステム
日本では初公開という、Advanced TCA準拠のネットワークシステムを使って、Gigabit EthernetとPapidIOの比較が行なわれた
青のラインがGigabit Ethernet接続のデバイス、赤のラインがRapidIO接続のデバイスを示す
青のラインがGigabit Ethernet接続のデバイス、赤のラインがRapidIO接続のデバイスを示す
パケット転送のスループットを表示
パケット転送のスループットを表示させると、Gigabit Ethernet(上)では伝送速度にぶれが見られるが、RapidIOでは安定した高速伝送が続いている
EthernetとRaidIOの比較
EthernetとRaidIOの比較
Gigabit Ethernet vs. RapidIOのデモ

高橋氏はデモのまとめとして、「これらの4つのエリアにフォーカスして、コンバージェンス(集中的な開発)を推進する。(パートナー企業に対しては)ソリューション(課題解決のための方策)を提供し、短い時間でいいものを提供する」と宣言し、ここで得られた同社の技術や製品の情報を来場した開発者がそれぞれの企業に持ち帰り、自社製品のより早い開発・製品化につながることを期待した。

(編集部 佐久間康仁)


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