新製品の最上位機種『MP-950』と、今回もイメージキャラクターを務める“ハセキョー”こと長谷川京子さん |
キヤノン(株)とキヤノン販売(株)は27日、東京・品川のCANON S TOWER(キヤノンSタワー)にプレス関係者を集め、2005年冬のプリンター新製品発表会を開催した。新製品の詳細はこちらの記事にまとめているが、会場ではキヤノン販売の代表取締役社長の村瀬治男氏、キヤノンの取締役 インクジェット事業本部長の清水勝一氏らが新製品に投入した技術や開発の狙いを説明したほか、4年連続でイメージキャラクターに起用された女優の長谷川京子さんが登場し、自身でも使っているプリンター/デジタルカメラのメリットなどを紹介した。
キヤノン販売の代表取締役社長の村瀬治男氏 | キヤノンの取締役 インクジェット事業本部長の清水勝一氏 |
写真のデジタル化が、印刷においてもホームプリントの需要を生み出し、それらが完成して初めて“デジタルフォトNo.1”が完成すると説明 |
最初に村瀬氏が挨拶に立ち、「PIXUSは、キヤノンの“デジタルフォト戦略”の中核を担うブランド。2000年から歩み始めて、(デジタルカメラを含めて)“デジタルフォトNo.1”の量的な目標はほぼ達成できた。しかし、シェアがトップになるだけで完成ではない。アナログ(銀塩フィルムカメラ)時代には出力をお店任せにしていた。アナログからデジタルへの変化はデータの変化だけでなく、いままでお店に任せていたところを自分でできるということ。新しい“写真文化”を形作るのにホームプリントが大いに重要」と語り、普及しているデジタルカメラユーザーの出力をDPEサービスからホームプリントへと流れを変えるべく、高画質・高速・高機能な新製品を投入した狙いを説明した。最後に村瀬氏は、「デジタルフォト関連事業の売上は3000億円以上を目標に、2006年からの5ヵ年計画を遂行する」と宣言した。
花火の小さな火花を例に挙げて、1plのインク滴と9600dpiの高画質による表現力の違いをアピール | 同じく小インク滴と9600dpiでグラデーションの表現力の違いを説明 |
続いて清水氏が技術面の解説を行なった。新製品に搭載された技術についてはニュース記事でも紹介しているが、ここでは
- FINEテクノロジーの進化による、究極の写真画質の実現
- 高密度多ノズルによる高速フォトプリント
- キヤノンのコピー機とデジタルカメラで培った技術を応用した“フォトオールインワン機”
の3つを重点的に解説した。進化したFINEテクノロジーとは、1plの極小インク滴と9600dpiの高解像度印刷を可能にした技術だが、これによるメリットとして例えば花火の写真が従来は夜の闇にまぎれて黒くつぶれていた小さな火花でも、くっきりと写るようになる、「今まで見えなかったものが、見えるようになる」というメリットを説明した。
多ノズル&ノズル長の伸長での高速化を説明 | コピー時の原稿に忠実な色再現技術を、店頭販促品向けキャラクターのタレントの山本 梓(やまもとあずさ)さんが振袖を着た“年賀状サンプル”を使って説明 |
高密度多ノズル化は、黒のノズル数を1.6倍、カラーは2倍に増やしてノズル数合計で約2倍に増加させたことを差す。これにより、印刷のためのヘッドの移動回数(パス数)を減らして、印刷完了までの時間を短縮できたという。
スキャン時&印刷時の像域分離技術で、文字と写真をそれぞれ最適に表現するという | 自動濃度調整コピー機能により、原稿の種類に寄らず、文字を読みやすく写真は色を忠実に再現できるという |
コピー機とカメラで培った技術としては、コピーする原稿を文字部分と画像部分で個別に最適化した設定で読み込み(スキャニング)/書き出し(プリンティング)を行ない、文字はくっきりと読みやすく、画像は元原稿に近い色再現性を得られるように改良している。具体的には、スキャン時とプリント時に扱える色空間は、パソコンのディスプレーに表示できる色空間領域(sRGB)より広いため、一度スキャンした結果をsRGBに割り当てることなく、カラーマッピングを行なう“デュアルガマット方式”を採用することで、元原稿に忠実な発色(同社では“測色性の向上”と呼称)を実現した、としている。一方、文字原稿についても、普通紙でにじみにくい顔料インクと、映像などに用いる染料インクの2種類の黒インクを用いたり、雑誌/新聞など原稿種別に応じた調整(主に用紙の裏写りや地色を補整)することで、裏写りのない的確なコピー出力が得られるという。
新製品を囲んで、キヤノン販売社長の村瀬氏と長谷川さんがにっこり |
新製品の説明に続いては、第2部としてイメージキャラクターの長谷川京子さんのCMが披露された。10月5日から放映開始されるCMは、1960年代風のフリンジ(ラメが入った紐状の装飾)を多数つけたワンピースを身にまとった長谷川さんが、外人のコーラスグループと歌ったりダンサーと激しく踊ったりしながら、印刷の速さ、(フリンジや髪の毛などで)繊細な部分までの印刷のきれいさなどをアピールする内容になっている。
この日の長谷川さんは、襟ぐりの開いたノースリーブのワンピース(黒)にシルバーのバングルとかなり高めのハイヒールを合わせて登場。CMではラメ入りのフリンジが揺らめくドレスでノスタルジックな魅力を見せてくれたが、この日はがらりと雰囲気を変えて大人の魅力で会場を圧倒させた |
長谷川さんは、動きの激しいCMを振り返って「実際に踊ってるんですよ。この(パソコンやIT関連)業界の皆さんは、顔だけが本人であとは踊っていないのでは、と思われるかもしれませんが、ほんとにがんばって踊ったんです」「今回は今までと違ってダンサブルで情熱的なCMに仕上がってうれしく思います」と感想を述べた。
この黒とシルバーのファッションはMP-950の2トーンカラーに合わせたもの、だと思われる |
また、長谷川さん本人もPIXUSを使っており、「デジタルカメラで、ドラマなどのロケで行った地方の奇麗な景色や風景を撮って、印刷して楽しんでいます」「リビングに置いている。スタイリッシュでどこに置いても絵になる。家具の一部に見えるので、どこに置いても似合う」と絶賛。会場では、長谷川さんが撮影してきた宮古島の海や田園風景などを紹介した。最後に「キヤノンさんとお仕事をさせてもらって4年になるのですが、これからもキヤノンさんと一緒にお仕事をがんばってやれたらと思います」とメッセージを残した。