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USB-IF、ワイヤレスUSB規格の最新動向に関する開発者向けカンファレンスを開催――最初期製品は2005年内にも登場!?


2005年9月28日
“公認ワイヤレスUSB”のロゴマーク

USB技術の向上と普及を目的とした支援団体兼フォーラムのUSB インプリメンターズ・フォーラム(USB-IF)は28日、東京都恵比寿のウェスティンホテル東京で、同団体が策定を進めている“公認ワイヤレスUSB規格”(以下ワイヤレスUSB)に関する技術カンファレンス、第1回“ワイヤレスUSB ディベロッパーズ・カンファレンス”を開催した。会期は28日と29日の2日間で、初日となるこの日は、USB-IF議長およびワイヤレスUSB プロモータ・グループ会長で、米インテル社 コーポレート・テクノロジ・グループ コミュニケーション・テクノロジ・ラボのテクノロジ・ストラテジスト、ジェフ・ラベンクラフト(Jeff Ravencraft)氏が基調講演を行なった。




USB-IF議長およびワイヤレスUSB プロモータ・グループ会長の米インテルのジェフ・ラベンクラフト氏。講演の冒頭には、「ネズミの巣のように」ゴチャゴチャと接続されたAV機器のケーブル類がワイヤレスUSBの登場により不要になると述べ、壇上に設置されたAVラック背面のケーブルを派手に引きちぎるパフォーマンスを見せた
ワイヤレスUSBとWiMedia UWBの関係。ワイヤレスUSBは、WiMedia UWBの物理レイヤー/メディアアクセスレイヤー上で動くプロトコルのひとつでもあり、UWB化が行なわれる他規格との共存も可能だとしている

ワイヤレスUSBは、米インテル社、米マイクロソフト社、オランダのフィリップス・セミコンダクターズ社、日本電気(株)など7社で構成される“ワイヤレスUSB プロモータ・グループ”により規格の策定が進められ、2005年5月24日に規格の公開を開始、これ以降の規格の管轄をUSB-IFが行なっている。現時点での仕様では、データ転送速度は3mで480Mbps、10mで110Mbps、1ホストに接続可能なデバイス数は127、使用する周波数帯域は3.1〜10.5GHz。規格にはこのほか、セキュリティー対策機能やパワーマネージメント、簡単なインストールを実現するための方策などが盛り込まれている。また、高速無線通信規格“WiMedia UWB(Ultra Wide Band)”(※1)の標準化やベンダー間での相互運用推進などを目指す業界団体“WiMediaアライアンス”との協力体制を明らかにしており、WiMedia UWBのメディアアクセスレイヤー(MAC)および物理アクセスレイヤー(PHY)の規格をベースとした製品/仕様/テスト手順の開発が進められている。

※1 WiMedia UWBの特徴は、ひとつの無線規格でワイヤレスUSB/Bluetooth/IEEE 1394/無線IP(WiMediaでは“WiNET”として規格策定中)などの複数プロトコルをサポート可能な点。プロトコルごとに通信装置を持つ必要がなくなり、コストダウンにつながるという。



ワイヤレスUSBが用いられる分野の想定図。現在のUSBはパソコンが中心となっているが、ワイヤレスUSBでは、家電機器やコンテンツ分野での応用も考えられている

基調講演を行なったラベンクラフト氏によると、ワイヤレスUSBの利用が想定されるのは、現在のUSBと同じパソコンと周辺機器(ストレージやプリンター、デジタルカメラなど)との接続だけでなく、パソコンと家電機器、家電機器同士、家電機器とコンテンツを販売するキオスク端末などが考えられるといい、「通常のUSB以上の使用モデルを確立し、より広いユーザー向けに」普及を進めていきたいとしている。

またワイヤレスUSBでは、「10年の歴史を持つ」既存のUSB機器(=有線のUSB機器)をいかにワイヤレスUSB環境で活用していくかという点も考慮されており、ワイヤレスUSBの最初期製品として、パソコン用のワイヤレスUSBホストアダプター“Host Wired Adapter(HWA)”(初期段階ではUSB 2.0、続いてPCI/PCI Express/ExpressCardによる接続を検討しているという)と、複数のUSBデバイスをケーブルで接続するワイヤレスのUSB Hub“Device Wired Adapter(DWA)”の開発が進められているという。テスト環境やワイヤレスUSB搭載機器の小型化は順調に進行しており、HWAについてはスティック型USBメモリーと同程度のサイズの試作が公開されている。

ラベンクラフト氏の解説によると、今後の動きとしては、ワイヤレスUSBおよびWiMedia UWBに準拠したシリコン、これに続くエンドユーザー向けの最初の製品が2005年内にも登場する見込みだという。また、2005〜2006年にかけては前述のUSB 2.0/PCI/PCI Express/ExpressCard接続のHWAモジュールやDWAが登場し、2006〜2007年にはチップ/機能の統合化や内蔵化が進展し、無線LANやほかのUWB製品との統合されたモジュールが登場すると予想されるとしている。なお、現時点ではインテルのチップセットにいつの段階で内蔵されるかは明らかにはされていないが、ラベンクラフト氏は、2007〜2008年の段階にはチップセット内蔵も含めた統合化が大きく進展していると述べている。



米マイクロソフト UWB&WUSB プログラムマネージャーのフレッド・ビサニア氏
マイクロソフトが描く、ワイヤレスUSBで実現する“Digital Entertainment Anywhere”の姿

また、ラベンクラフト氏の講演の中で登壇した米マイクロソフト UWB&WUSB プログラムマネージャーのフレッド・ビサニア(Fred Bhesania)氏は、ワイヤレスUSBの将来性について、「デバイスをつなぐにとどまらず、コンテンツとつなぐための新しいインターフェースとして期待」と述べ、パソコン以外の分野でも活用される規格としての期待感を示した。また、ワイヤレス通信の規格の将来としては、ワイヤレスUSBに加えて、IP化が進むさまざまな分野に対応できるIPベースの規格(WiNET)も重要だとしている。同社では、Windows VistaでワイヤレスUSBやWiMediaのサポートを計画しているといい、講演に参加した開発者に向け、βドライバーの提供を進めていくと述べるとともに、マイクロソフトと開発者の間での情報の共有を図り、「市場投入のプランをマイクロソフトとともに進めましょう」と、業界での協力関係の拡大を強調した。


同カンファレンスでは、講演のほかに、スポンサー各社による試作機やテスト環境などの展示も行なわれた。現段階ではテスト装置を用いたデモンストレーションが中心となっていたが、サンプルチップや小型の通信モジュールの試作も進んでおり、デバイス開発用の環境は着々と整ってきている。

NECエレクトロニクスのブースで展示されていたコントローラーLSI。OEMによるモジュール試作も進んでいる
イスラエルのWisair社によるスティック型HWAの試作。上に見えているのは開発キット用のモジュール
米シノプシス社ブースで行なわれていたデモでは、画像プレビュー/ストレージ機能付きのワイヤレスUSB機器に有線接続したデジタルカメラの映像を転送、さらにここからワイヤレスUSB経由でホストデバイスに画像を転送していた
フィリップス・セミコンダクターズのブースでは、DWAに接続した既存のUSB機器(ストレージ)とパソコンの接続をデモ。ワイヤレスUSB市場の立ち上げ期には、このようなスタイルの利用法を採る製品が主流になる


(編集部 内田泰仁)


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