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【WPC EXPO 2005 Vol.9】各社がパソコンによるデジタルAVライフへの取り組みをアピール――基調講演レポートその1


2005年10月27日

各社代表がデジタルAVライフについての戦略や商品を説明

パネルディスカッションにてプラットフォーム戦略について語る、インテル マーケティング本部 本部長の阿部剛士氏(左)。右はNECパーソナルプロダクツ 代表取締役 執行役員常務の高須英世氏
パネルディスカッションにてプラットフォーム戦略について語る、インテル マーケティング本部 本部長の阿部剛士氏(左)。右はNECパーソナルプロダクツ 代表取締役 執行役員常務の高須英世氏
パソコンを核としたデジタルAVライフのデモを披露した、ソニーの“VAIO type X Living”と関連周辺機器
パソコンを核としたデジタルAVライフのデモを披露した、ソニーの“VAIO type X Living”と関連周辺機器

WPC EXPO 2005では、“WPCフォーラム2005”と題したIT関連企業や学術界のVIPによる講演やパネルディスカッションも行なわれている。展示会初日である26日の午後には、大手パソコンメーカー4社とインテル(株)、マイクロソフト(株)の代表ら6名による“パソコンが主役!「デジタルルネッサンス」”と題するパネルディスカッションが行なわれた。司会は日経パソコン編集長の藤田憲治氏。ここではその模様をかいつまんでご紹介したい。

もっともパネルディスカッションとは銘打たれていたものの、実際には各社代表による自社の戦略説明や、パソコンによるデジタルAVライフへの取り組みについての説明に大部分の時間を割かれてしまい、肝心のディスカッションはごくわずかだったのが残念だ。

まずインテル マーケティング本部 本部長の阿部剛士氏が、コンピューティングの発達の歴史と変化について述べ、ユーザーのニーズは1980〜1990年代の汎用コンピューティングから、1990年代後半のインターネットの普及を経てより用途指向へと変化し、現在では用途に合わせたプラットフォームによるアプローチへと変化しているとした。それに合わせてインテルもプラットフォーム企業へと脱皮しているとした。コアビジネスであるCPUについては、性能向上と消費電力低減を両立させるため、マルチコア〜メニイコアの時代に進んでいるとして、2006年上半期にはモバイル向けでは初のデュアルコアCPU“Yonah”をリリース予定とするなど多くのプラットフォームでマルチコア化を促進。“パフォーマンス”セグメントとされるクライアントパソコン分野では、来年には75%程度、再来年には90%がデュアルコアCPU搭載となることを期待していると述べた。

インテルが示す、コンピューティングに対するユーザーニーズの変化。パフォーマンスの向上だけでなく用途や消費電力もニーズに加わるとともに、CPUからプラットフォームへと、ニーズを実現するための基盤技術も変化しているとする
インテルが示す、コンピューティングに対するユーザーニーズの変化。パフォーマンスの向上だけでなく用途や消費電力もニーズに加わるとともに、CPUからプラットフォームへと、ニーズを実現するための基盤技術も変化しているとする
インテルCPUのマルチコア化への歩み。消費電力の上昇を抑制しながら、パフォーマンス向上を実現するとして、マルチコアCPUの拡大に注力する
インテルCPUのマルチコア化への歩み。消費電力の上昇を抑制しながら、パフォーマンス向上を実現するとして、マルチコアCPUの拡大に注力する

また業界各社と標準技術開発にも精力的に取り組んでいるとして、デジタル家電やパソコンのセキュアーな相互接続性を実現する“DLNA”や、IPネットワーク上でデジタルコンテンツのセキュアーな転送を実現する“DTCP-IP”、Wi-Fi・WiMAXなどの無線LAN技術の標準化や普及促進に取り組んでいることをアピールした。

続いて発言した、NECパーソナルプロダクツ(株)代表取締役 執行役員常務の高須英世氏は、AV機能を重視した個人向けパソコンの戦略について説明した。独自の高画質化エンジン“VISTAL”による“AV”の強化に加えて、無線LAN対応や分かりやすい設定ツール提供などの“ネット”、加えてインスタント機能やリモコン操作のAVフロントエンドによる“快適”を強化点として打ちだしているという。その現われがNECのパソコンと、インターネットプロバイダ事業“BIGLOBE”の相乗効果が実現した、“リモコンでネット映像”を見る秋冬モデルの新機能“BIGLOBEストリームMG”であるとした。高須氏はネット映像の特長について、“ニッチな映像”“好きな時に見られる”など、TV放送よりもさらにパーソナルな映像コンテンツであるとした。そして今後はBIGLOBEストリームMGで実現したパソコン事業とネット事業の相乗効果をより高めるサービス(サポート連携、有料コンテンツとEコマース、音楽コンテンツ提供など)も加えていきたいとした。

NECの秋冬新製品では、リモコンで接続から視聴まで楽しめる映像配信サービス“BIGLOBEストリームMG”が導入された
NECの秋冬新製品では、リモコンで接続から視聴まで楽しめる映像配信サービス“BIGLOBEストリームMG”が導入された
NECはBIGLOBEストリームMGで実現した、パソコン事業とネット事業の連携を、さらに多方面に拡大していく
NECはBIGLOBEストリームMGで実現した、パソコン事業とネット事業の連携を、さらに多方面に拡大していく
東芝 執行役上席常務 PC&ネットワーク社 社長の能仲久嗣氏
東芝 執行役上席常務 PC&ネットワーク社 社長の能仲久嗣氏

ノートパソコンでデジタルAVライフを追求する(株)東芝 執行役上席常務 PC&ネットワーク社 社長の能仲久嗣(のなかひさつぐ)氏は、ノートパソコンならではの“好きなコンテンツを好きな時に楽しめる”ことこそが、今回のテーマであるデジタルルネッサンスの第一歩であるとした。そして多彩なAV機能と高画質化、使いやすさを兼ね備えたQosmioこそが、デジタルルネッサンスを実現するとした。Qosmioは秋冬モデルで統合AVソフト“Qosmio AV Center”を導入。今までは各機能ごとにまちまちなアプリケーション、まちまちなユーザーインターフェースだった点を改め、人気のHDD/DVDレコーダー“RD”シリーズのユーザーインターフェースを取り入れて、使いやすさを高めたとした。また大画面液晶TVからHDD/DVDレコーダー、さらにデジタルカメラ/ビデオカメラやポータブルオーディオプレーヤーなど、すべてのAV機器のハブとしてQosmioを打ちだした。さらに2006年の初め頃には、次世代のQosmioとしてHD DVDや地上デジタル放送視聴に対応した製品をお目にかけると述べた。



QosmioのAV機能を統合したインターフェースで扱える“Qosmio AV Center”。RDシリーズのUIを利用して、リモコンでもマウスでも扱いやすく設計されている
QosmioのAV機能を統合したインターフェースで扱える“Qosmio AV Center”。RDシリーズのUIを利用して、リモコンでもマウスでも扱いやすく設計されている
東芝が描く、Qosmioを中核としたデジタルAVライフのネットワーク。今後はDLNAやDTCP-IP対応により、ネットワーク経由でのAVの楽しみも強化していく
東芝が描く、Qosmioを中核としたデジタルAVライフのネットワーク。今後はDLNAやDTCP-IP対応により、ネットワーク経由でのAVの楽しみも強化していく
富士通 経営執行役常務の伊藤公久氏
富士通 経営執行役常務の伊藤公久氏

続く富士通(株)経営執行役常務の伊藤公久氏は、同社のパソコン事業の歴史を振り返り、1985年登場の『FM77AV』や1990年の『FMR Card』など、同社は早くからAVとモバイルへ取りくんできたと述べた。しかしパソコンの自由度の高さが、強固なコンテンツ保護を要求する地上/BS/110度CSデジタル放送を扱う際の障壁になっているとして、それを解決するために専用のセキュアーLSIを開発し、それを搭載したFMV-DESKPOWER TXシリーズなどを製品化したと述べた。伊藤氏はセキュアーLSIを他社に供給する可能性を挙げたほか、FMVでもデスクトップだけでなく、ノートパソコンにもデジタル放送対応機種のラインナップを拡充していくとした。また愛・地球博で使われたWindows Moblie搭載携帯端末や、曲がるカラー電子ペーパーといった先進技術をアピールしたほか、日本で製造された同社のパソコンが、世界各地で過酷な使用をされても壊れることなく動いたという報道例を披露して、“メイドインジャパン”にこだわっていくという方針を示した。



デジタル放送受信に対応した一体型パソコン“FMV-DESKPOWER TX”シリーズ。独自開発のセキュアーLSIにより実現された
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富士通ブースにも展示されている、曲がるカラー電子ペーパー。電源を切っても表示が消えない特性を生かした用途が期待される
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