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ヤフー、Yahoo!オークションの安全対策強化としてデータマイニング技術を応用した不正利用検知モデルを構築


2005年11月14日

ヤフー(株)は14日、東京・六本木の六本木ヒルズ内同社会議室にプレス関係者を集め、同社が運営するインターネットオークションサービス“Yahoo!オークション”の不正利用を予防するための施策として、(株)金融エンジニアリング・グループと共同でデータマイニング技術(※1)を応用した不正利用検知モデルを構築し、12月から順次運用を開始すると発表した。

※1 ここでは、ユーザーのオークションでの購買/出品に関する行動を統計的に分析し、一般とは大きく異なる行動(例えば突然大量の高額商品を出品する、など)を行なった際に、IDの不正利用や詐欺行為につながる行動が行なわれないかチェックするもの

オークション事業部長の殿村英嗣氏
オークション事業部長の殿村英嗣氏

発表会にはオークション事業部長の殿村英嗣(とのむらひでつぐ)氏、ID登録などを統括するPS本部長の大蘿淳司(たいらあつし)氏、法務部長の別所直哉氏らが出席し、導入の背景やこれまでの同社の取り組みなどを説明した。

PS本部長の大蘿淳司
PS本部長の大蘿淳司

1999年9月にオークション事業を開始したヤフーでは、今年10月の1ヵ月で平均出品数が881件、利用者数は会員IDで延べ約569万ID(10月末時点)、1日あたりの取扱高は2005年7〜9月の平均で16億7000万円に上るという。こうしたオークションへの参加者の広がりにつれて、知的財産権を侵害する出品(偽ブランドやコピー商品/コピーメディアなど)、不正出品(改造エアガンや児童ポルノなど)、詐欺行為(架空出品やオークション振り込め詐欺など)が少なからず発生しているという。

その対策として、これまでにも

  • 不正ID登録の防止(メールアドレスの認証、郵送での住所確認、クレジットカードや銀行口座での本人確認)
  • ID再登録の制限/ID登録数の制限(同一住所や口座/カードでのID登録数を制限)
  • 人手によるパトロールの強化(24時間365日の監視体制を延べ150人規模で行なっていたが、年度末までに170人規模に増強予定)
  • 知的財産権侵害出品への対策(上記対策のほかに、関係省庁/団体との連携、知的財産保護プログラムの実施(約120社・団体が参加))
  • ほかのオークション企業((株)ディー・エヌ・エーの“DeNA”、楽天(株))とともに自主ガイドラインを策定・運用を開始(関連記事)
  • 詐欺対策として、出品された商品の発送や代金の振込みを監視する“エスクローサービス”の実施
  • 詐欺被害者への補償制度(詐欺被害金額の80%を上限とし、年1回まで)

などを実施してきた。

不正利用検知モデルのコンセプト
不正利用検知モデルのコンセプト
不正利用と検知される場合の例
不正利用と検知される場合の例(ただし、開発中のもの)

さらに現在までの具体的な数字として、

不正出品削除率(削除件数÷新規出品件数)
1.7〜3.3%(2005年1〜6月)
事故発生率(被害件数÷落札個数)
0.009〜0.013%(同時期)

を挙げ、これをさらに減少するべく、今回の新検知モデル導入に踏み切ったという。ヤフーとしては導入に際して約1億円の投資を行なったが、「具体的に数字的な目標は立てておらず、ユーザーがより安心してオークションを利用できるための先行投資を考えている」としている。

同社の不正利用防止に対する取り組み
同社の不正利用防止に対する取り組み

不正利用検知モデルは、(株)金融エンジニアリング・グループが金融機関の与信リスクモデルの構築や、クレジットカードの不正利用検知モデルの構築などで蓄積したノウハウをオークションにも応用したもの。例えば、ID取得直後は低価格の商品を落札(購入)して良い評価を積み重ねてきた人が、突然ノートパソコンを30台も出品(販売)した場合には、不正な第三者によるIDの乗っ取り、もしくは偽装工作(評価の向上)後の不正行為である確率が高い、としてパトロールに要チェックであることを知らせるというもの。

その後は、従来同様、人手による監視を行ない、必要があれば警告やID利用停止などの措置を行なう。つまり、すべての監視・管理体制を自動化するのではなく、従来人が監視したりユーザーからの報告(通報)によって監視していた不審な行動を、データ(ユーザーの行動パターン)を解析することである程度自動化するというもの。同社では、12月までに簡易モデルを構築・導入し、その後も必要に応じて行動パターンの追加や検知システムの改良を行なうとしている。

(編集部 佐久間康仁)


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