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NTTドコモ、ケナフ繊維強化バイオプラスチックを筐体に使用したFOMA『N701iECO』を開発――2005年度内に発売


2005年12月12日

(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは12日、ケナフ繊維強化バイオプラスチックを使用した世界初(※1)の携帯電話機として、FOMA『N701iECO(エコ)』の開発を発表した。ケナフ繊維強化バイオプラスチックは、端末製造メーカーである日本電気(株)の独自技術により、植物原料のポリ乳酸に補強材としてフレーク状のケナフを添加し、従来のポリ乳酸を素材としたバイオプラスチックに比べて耐熱性や強度を改善したもの。N701iECOの筐体は、数字キーなど透明度の高い一部部品やカバー類などを除いて同バイオプラスチックで製造しており、用いられた樹脂成分中の植物成分の使用比率は90%という。

※1 12月1日現在、NEC調べ

N701iECO
N701iECO“ピンク×シルバー”
ケナフの繊維がみえる
ケナフの繊維がみえる
プロダクト&サービス本部 プロダクト部 担当課長 廣澤克彦氏
プロダクト&サービス本部 プロダクト部 担当課長 廣澤克彦氏

NTTドコモは「安心を携帯できる世の中へ」(プロダクト&サービス本部 プロダクト部 担当課長 廣澤克彦氏)ということで、“ドコモ「あんしん」ミッション”という政策を掲げ、プライバシー保護、犯罪対策、ユニバーサルデザインへの取り組み、環境保全活動などを行なっている。生産時から環境保護に配慮した携帯電話機の開発は、環境保全活動の一環として実施されているプロジェクト。NTTドコモグループの携帯電話機の契約数は今年11月に5000万を突破し、「年間数千万台」(廣澤氏)の携帯電話機がユーザーの手元に届く一方で、買い替えなどで“不要”になる端末も続々出来上がっている(※2)。

※1 NTTドコモは不要になった端末の回収運動も行なっている。2004年度(2004年4月〜2005年3月)の実績は558万台

NTTドコモは、2005年の春から夏にかけて、植物原料プラスチックを筐体に用いた携帯電話機をソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(株)やNECとそれぞれ試作。“愛・地球博”などで展示した。N701iECOはそれらの試作機とは異なり、2005年度内(〜2006年3月末)までには一般店頭に並ぶ見込み。廣澤氏によれば、愛・地球博などで一般ユーザーから寄せられた“エコロジー端末”に対する強い期待を受け、「早く提供する義務がある」とプロジェクトを進めたという。



NTTドコモの契約数と使用済み携帯電話の回収数
NTTドコモの契約数と使用済み携帯電話の回収数
N701iECOのコンセプト
N701iECOのコンセプト
ケナフ繊維強化バイオプラスチックとは
ケナフ繊維強化バイオプラスチックとは
N701iECOのケナフ繊維強化バイオプラスチックの使用個所
N701iECOのケナフ繊維強化バイオプラスチックの使用個所

ターゲットは環境問題に関心が高い女性

N701iECOは、『N701i』(2005年8月発表)をベースに開発された端末で、スペックはほぼ同等。ケナフ繊維強化バイオプラスチックを筐体に使用しているのが、強度や耐熱性もN701iと同等という。ただしN701iECOの場合、説明員によれば、土中に埋めると数十年〜数百年で土に還るという。原料となるケナフは、一般の樹木に比べてCO2の吸収能力が3〜9倍といわれている。ケナフの栽培過程でのCO2排出削減効果なども加味すると、一般的な携帯電話機に用いられているABS樹脂と比べてプラスチック製造時のCO2排出量は約50%削減という(NECの従来製造比)。

製品のターゲットは環境に配慮する意識の高い女性で、廣澤氏によれば20〜40代前半が中心だ。筐体はターゲットに合わせて“ピンク×シルバー”。N701iと同じ着脱式の背面パネル“スタイルプラス”を採用するが、標準パネル(同梱)は“N701iECO”という文字が中央で躍り、さらに練りこまれたケナフの繊維が“エコロジー感”を演出している。なお、外装パネルは無地(ピンク)と木の葉をあしらった“リーフ”の2種が付属するが、素材の収縮率などの違いから、N701iのオプション製品として売られている外装パネルはメーカー保証対象外の予定。

ピンクのスタイルプラスを装着した本体と、リーフのスタイルプラス
ピンクのスタイルプラスを装着した本体と、リーフのスタイルプラス
スタイルプラスを外したところ
スタイルプラスを外したところ
数字キー部など透明感が必要な部材は石油由来の樹脂
数字キー部など透明感が必要な部材は石油由来の樹脂
電池室の部分の筐体ももちろんケナフ繊維強化バイオプラスチック。電池パックはN701iと共通
電池室の部分の筐体ももちろんケナフ繊維強化バイオプラスチック。電池パックはN701iと共通

スペックは、外側のカメラが有効125万画素のνMaicoviconタイプ、内側が有効11万画素のCMOSタイプ。メインディスプレーは約2.3インチ(240×345ドット/最大6万5536色)のTFT液晶ディスプレー、サブディスプレーは約0.9インチ(120×30ドット)のSTNモノクロ液晶ディスプレー。701iシリーズの特徴である、ニュースなどの情報を待受画面にテロップ表示させるサービス“iチャネル”サービスにも対応する。以上は701iと同じ。

N701iと比較して、本体サイズは幅約48×奥行き約23×高さ約102mmと1〜2mm程度異なり、重さは約115gと11g重い。連続通話時間は約130分、連続待受時間は静止時で約430時間、移動時で約350時間で、N701iよりもそれぞれ短め。内蔵の待ち受け画面やフォトフレーム等には、端末のコンセプトにあわせ、エコロジー(ecology)をテーマに植物や地球などのイラストが多用されている。

N701iECOの価格はオープンプライスだが、ベースとなった『N701i』(2005年8月発表)と比較すると製造コストなどから「数百円〜数千円アップとお考えいただければ」という。ただし発売までにはまだ時間があり、「できるかぎり同程度にしたい」と考えているようだ。N701iの発売当初の東京23区の価格は2万円前後だ。

通信・通話料の1%を環境保全運動に寄付

そのほか、N701iECO独自の施策として、通信・通話料の1%が自動的にNTTドコモの環境保全運動(植林活動など)に寄付される。実施期間は端末発売から2006年12月までで、活動期間は2007年1月〜2008年3月。

NTTドコモは、N701iECOに続くエコロジー端末の企画の検討をすでに進めており、こうしたキャンペーン企画は新端末の登場などに合わせて見直される見込み。そのほか、一般の機種に環境配慮型素材を使用することについては、今回用いられたケナフ繊維強化バイオプラスチックなどは従来のABS樹脂などと比較して現在のところ製造コストが高く、技術の進歩などをみて検討するという。

(編集部 伊藤咲子)


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