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Mozilla Japanが記者説明会を開催――米Mozilla Foundation/Corporationとの関係や“現状と今後”を語る


2005年12月16日
砂原秀樹氏
説明会で司会を務めた砂原秀樹氏

有限中間責任法人Mozilla Japan(モジラジャパン)は16日、東京・大手町の丸ビルコンファレンススクエアにプレス関係者を集め、同組織の概要や先月末にリリースされたウェブブラウザーの最新版『Firefox 1.5』の特徴などを説明した。会場にはMozilla Japanの代表理事を務める相磯秀夫氏(東京工科大学 学長)、理事の伊藤穣一氏(米Mozilla Foundationの理事も兼務)、同じく砂原秀樹氏(奈良先端科学技術大学院大学教授)、瀧田(山口)佐登子氏らが列席し、米国で今年8月に発足したMozilla CorporationとMozilla Foundationの位置づけ、ならびにMozilla Japanとの関係などを紹介した。



相磯秀夫氏
Mozilla Japanの代表理事の相磯秀夫氏

最初に挨拶に立った相磯氏は、今回の記者説明会開催の背景について、「オープンソースソフトウェアの重要性に理解が進み、そのエースともいえるMozilla Japanの活動に関心をもたれるようになってきた。一方、米国が発信地だが、Mozilla Foundationに活発な動きがあり、Mozilla Corporationを夏に設立している。今後どのようにMozillaグループが変わってくるのかを説明したい」と語った。

伊藤穣一氏
米Mozilla Foundationの理事も兼務する伊藤穣一氏

続いて伊藤氏がMozilla Foundation(以下Foundation)と同 Corporation(以下Corp.)の関係、および今後の展開について説明した。同氏の説明によると、Foundationのミッションは昔から変わらず、“ユーザーにチョイス(選択肢)とイノベーション(革新)をインターネットを通じて提供し、オープンソースの理解や普及を促進すること”であり、新たに設立したCorp.についてもミッションを共有しているという。従って、株式公開や株主への利益誘導を目的としたものではなく(もちろん“ストックオプション制度”もない!!)、製品開発以外の事業(対企業的な営業活動など)をFoundationから移譲しているところで、コアのミッション(Mozilla/Thunderbirdの機能強化や開発、オープンソースに関する活動)、ならびにコミュニティーの運営などは引き続きFoundationで行なう、とのこと。

今後のバージョンアップやロードマップについても言及し、「一時は継続が危ぶまれた携帯電話向けのプロジェクトは引き続き進んでいる」ことを明らかにした。これは“Minimo(Mini Mozilla)”と呼ばれるプロジェクトで、「今後モバイル(携帯電話機)は重要と考えており、継続を決めた」と述べた。さらに、「ウェブブラウザーのパートナー(GoogleやYahoo!など)、企業のパートナー(企業で一括導入を決めた米IBM)などと連携を強める。ただし、一番の相手はユーザーなので、ユーザーからのフィードバックを重視したロードマップを今後も継続していく」と締めくくった。

理事の瀧田(山口)佐登子氏
理事の瀧田(山口)佐登子氏。1.5のリリース直後はサーバーもパンク状態で、急遽砂原氏の務める奈良先端科学技術大学院大学にサーバーを移設したのだという

瀧田氏はMozilla Japanの現状について、「1年前に1.0をリリースして大ブレークし、先月の1.5リリース後もパンク状態」と多忙な毎日を振り返った。Mozilla Japanは、Foundation/Corporationを周囲から支えるコミュニティーとしての機能するとともに、アジア圏での主導的な役割を担うべく務めていると説明。具体的には、製品の日本語化や日本語に関するバグフィックス、ウェブサイトでの日本語情報の配信、ならびにサポート体制の充実などを役割として挙げた。このうちサポートは、エンドユーザー向けにはまだ確立できていないと自負しているが、パートナー企業((株)テントアーニ/(株)グッディ/バーチャルコミュニケーションズ(株))と連携することで企業で一括導入を果たした相手先へのサポート体制を敷いている現状を説明した(ただし、国内で導入した相手企業については現時点で非公開)。

Mozilla Japanの体制と役割
Mozilla Japanの体制と役割
Mozllira Foundation/CorporationとMozilla Japanの関係
Mozllira Foundation/CorporationとMozilla Japanの関係

このほか、サポート企業への教育プログラム、サポート支援体制の拡充、およびOSS(オープンソースソフトウェア)関連のセミナーでMozillaの優位性を啓蒙するべくセミナーへの積極的な参加、ウェブ標準化の推進(ウェブブラウザーに依存する企業系ウェブサイトの問題を解決するべく努力すること)、産学連携の教育プログラムの実施、などを最近1年間の活動内容として報告した。


最後に記者からの質問に答えるQ&Aセッションで、「Corporationができたことで、何がどう変わるのか?」と聞かれると、「短期的には、米国でスタッフのリソースが増えるため、日本に定期的に来ることができるようになる。また米国に担当窓口ができたので、技術的な対応や日本からのリクエストを受ける機会も増えるだろう」(伊藤氏)と回答。また、「ポータルサイトへの誘導がビジネスとして成立するようになったという話もあるが、今後こうした事業に積極的に取り組んでいくのか? 日本語版のFirefox 1.5の検索プラグインでYahoo!がトップに来ているが……」と聞かれると、伊藤氏が一般論と前置きしながら「ポータルサイトが露出する広告で得た収益の何割かを、誘導元が受け取るというビジネスが大きな収益になっているのは事実。GoogleやYahoo!と提携しているのもそこに理由がある。しかし、決してお金(収益性)だけで決めているのではなく、オープンソースに理解がある、ユーザーの利便性がある、中立性が保てる、といった観点から考えてYahoo!との提携に踏み切った。今後も提携先を増やすことで、ユーザーに選択肢を与えていきたい」と語った。

(編集部 佐久間康仁)


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