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KDDI・小野寺社長、「NTT持株会社の廃止と系列各社の完全資本分離がぜひ必要」


2005年12月21日
KDDI 代表取締役社長の小野寺 正氏
KDDI 代表取締役社長の小野寺 正氏

KDDI(株)は21日、代表取締役社長の小野寺 正氏による12月定例会見を行なった。会見では、2005年の電機通信業界やKDDIのトピックス、11月に発表されたNTTグループの中期経営戦略に対する所見、シャープ(株)製携帯電話機の採用に関して特に述べられた。





FMCに向けさまざまな政策を講じた2005年

最初に、景気動向と、通信業界やKDDIの今年のトピックスとそれに対する考察が述べられた。

日本経済全体の景気動向としては、企業収益の改善が設備投資/雇用/賃金/個人消費に反映され10月に消費者物価指数がマイナスから横ばいになったこと、また5年数ヵ月ぶりに1万6000円台になった日経平均株価などに触れ、「景気は踊り場を脱して順調に回復しているのではないか。今年は、日本経済に明るさが戻ってきた年と思う」と所感を表わした。

通信業界の2005年のテーマは“携帯電話と固定電話の融合”と、“通信と放送の融合”だったとし、さらに3社が新規事業参入を決めるなど「通信業界全体としては次の飛躍に向けて第一歩を踏み出した年」と振り返った。来年以降については、「携帯と固定の融合、通信と放送の融合、光を使った4つのサービスといったものが一層進むと考えられ、競争と技術革新を通じ、事業者ごとに工夫をこらした新しいサービスが登場し、お客様の利便性が一層向上するのではないか」と展望した。

一方KDDIとしては、2000年10月の合併以来進めていた有利子負債の削減目標(1兆円以下)を2005年3月末に達成し、「今年度からは戦略とスピードという事業方針に基づいて、事業の成長に向けた第2ステージに移行したと考えている」という。2005年の同社の動きを駆け足で振り返ると、まず6月には、移動通信と固定通信を統合した次世代総合通信インフラ構想“ウルトラ3G”と、現行のCDMA2000 1x EV-DO方式を拡張した“CDMA2000 1x EV-DO Rev.A”(下り最大3.1Mbps/上り最大1.8Mbps)を2006年中に導入すると発表。10月にはツーカーグループを合併し、さらに東京電力(株)と通信事業における包括的な提携を行ないFTTH事業を推進するとともに、来年1月には(株)パワードコムを合併し「まず関東地域における光ファイバーのアクセスライン事業を強化する」という。小野寺氏はKDDIの2005年を「サービス面、ネットワーク面から、FMC(Fixed Mobile Convergence)に向けて、着実に進歩した年」と総括している。



1999年のNTT再編成の成果も水泡に帰する

会見で最も時間が割かれたのは、11月9日に発表されたNTTグループの中期経営戦略に対する批判で、「中期経営戦略の内容は実態としてNTT東西、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモを再びもとの1社独占企業体に戻すものと見ている。1999年のNTT再編成の成果も水泡に帰する可能性もある」と強く批判した。小野寺氏は、「光、IPの時代に入り、あきらかに距離の概念がなくなる。ということは、中継系の事業者は基本的に成り立たないと考えている。そうなるとこれまで以上にアクセスラインの公正競争条件の確保は重要になってくる。今後、公正競争を有効に機能させるためには、まずNTT持株会社の廃止と、東西、地域会社、コム、ドコモ、データの完全資本分離がぜひ必要と考える。またNTT東西のアクセス部門の分離も考えてもらう必要がある」と“完全資本分離”の必要性を強調。完全資本分離にはNTT法等の改正が必要になるので、「当面の措置としては、NTTグループ内におけるヒト、モノ、カネ、情報の共有をきっちりと遮断するファイアーウォールを定め、公表すべき」だとした。

総務省はIP時代の競争ルールのあり方や放送と通信のあり方を総合的に議論する懇談会“IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会”を10月から開催してているが、「この中でNTTのあり方についてもぜひ議論していただきたいし、光IP時代の競争政策に反映していただきたいし、KDDIとしても意見を述べる機会があれば喜んで参加する」という。



ナンバーポータビリティー時代の製品戦略の一環

最後にシャープ製造の端末を採用することが発表された。KDDIは、2005年にauブランドの携帯電話機を前年より2機種多い12機種発売したが、傾向としては、「携帯電話機の普及率が高まってきたので、今までのような“画一的なモデルで大量販売”というよりも“少量・多品種”」となったという。KDDIは、2006年のナンバーポータビリティーの導入や、それに伴うユーザーニーズの多様化に応えるべく、製品ラインナップ面での施策の1つとして今回シャープ製の携帯電話機の採用を決めたと説明する。小野寺氏はシャープ製の携帯電話機の“強み”として、「液晶テレビに代表される液晶技術、カメラデバイス、すぐれたデザイン」などを挙げた。現時点では、端末の対応する通信方式、仕様、デザインなど詳細は公表されていない。

KDDIが考える、シャープの強みとKDDIの強み
KDDIが考える、シャープの強みとKDDIの強み

なお、年末年始にはいわゆる“おめでとうメール”や“おめでとうコール”などによる急激なトラフィック増加で通話やメールがつながりにくくなる状況が起こることが予想されており、auでは1日午前0時から2時間程度段階的に発着信の規制を行なう見込み。

(編集部 伊藤咲子)


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