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【2006 CES Vol.0】CEA、“2006 International CES”の開幕に先立って、米国デジタルコンシューマー市場の現状を解説


2006年1月4日
 2006 International CES
2006 International CES

デジタル家電やIT関連機器が一堂に会する展示会“2006 International CES”が、米国時間の5日から8日までの4日間、米国ネバダ州ラスベガスにて開催される。主催は米国家電協会(CEA:Consumer Electronics Association)。会場は Las Vegas Convention Centerなど5つで、千葉・幕張メッセのほぼ3倍となる総床面積160万平方フィート(約19万6000平方メートル)の会場で、2500社以上の企業・団体が参加する展示が行なわれる。来場者数は昨年の実績で14万6240人。コンシューマーエレクトロニクス分野においては世界最大級のイベントだ。

正式な開催日まではまだ2日ほど残っているが、イベントに参加するプレス関係者の登録作業が3日(現地時間)に開始され、同日には CEA Senior Industry Analystのシーン・ワルゴ(Sean Wargo)氏によるプレゼンテーションも行なわれた。ここではその概要をお伝えしよう。



デジタルコンシューマー市場を牽引するものは?

シーン・ワルゴ氏
CEA Senior Industry Analystのシーン・ワルゴ氏

ワルゴ氏のプレゼンテーションは米国のコンシューマーエレクトロニクス市場をCEAのアナリストの立場から概観するもの。米国の家電市場は2005年に前年比11.3%増の1259億ドル(約14兆8500億円)に成長したが、2006年もその勢いは継続し、引き続き7.5%増の1353億ドル(約15兆 9600億円)にまで拡大するという。

市場を牽引しているカテゴリーには、薄型テレビ、携帯型音楽プレーヤー、家庭用ゲーム機、車載用のデジタルラジオなどがあり、新しい商品カテゴリーの登場によって商品そのものの単価が上がり、それが市場の成長に大きく貢献している。

例えば、iPodを始めとしたMP3プレーヤーの市場は前年比で224%という非常に大きな伸びを果たしたが、従来のポータブルCDが50ドル(6000 円弱)程度であるのに対して、フラッシュメモリーやHDDを記録媒体にしたMP3プレーヤーの市場価格は250ドル(3万円弱)程度となり、約5倍程度の価格となっている。AV機器の平均単価は2004年第1四半期の150ドル(約1万7000円)前後だったが、現在ではそれよりも8.6%高い水準である。こういった傾向はテレビ市場など他のカテゴリーでも同様であり、例えば液晶やプラズマを利用した薄型テレビの売り上げが伸張することにより、テレビ自体の出荷数は2005年から2006年にかけて横ばいか減少傾向になるにもかかわらず、売り上げ全体では200億ドル(約2360億円)と2005年を大きく上回る金額となることが予想される。2006年に薄型テレビが金額面で米国市場に占める割合は50%前後になるという。



AV機器の市場単価
AV機器全体の平均価格の推移
MP3の伸び
MP3市場の伸び(台数ベース)

とはいえ、こういった製品の価格競争も激化しているのは確かで、2005年にはプラズマテレビで30%、液晶テレビで35%、ポータブルDVDプレーヤーで25%、ノートパソコンで20%、500万画素のデジタルカメラで13%の価格下落が起こった。この傾向は2006年も続くと考えられる。注目度の高い製品カテゴリーにはそれだけ熾烈な競争があるのは当然で、それが市場を活気づけているという側面もある。

テレビ市場(出荷台数)
テレビ市場(出荷台数)
テレビ市場(金額)
テレビ市場(金額)

一方で、新製品の登場が製品カテゴリーの性格に影響を与えつつある点も見逃せない。プレゼンテーションでワルゴ氏が特に強調したのは「“ATARI”から数えて以来、6世代目となる」と表現された家庭用ゲーム機市場についてである。この市場では昨年11月にXbox 360が登場し、今後PLAYSTATION 3やREVOLUTIONといった製品も登場してくる。2006年には12〜15億ドル(約1400〜1800億円)の市場規模に成長する見込みで、単なるゲーム機ではなく、ホームゲートウェイを担うコンソールとしての役割を担うようになるのではないかと考えられている。また、昨年10月に登場した第5世代iPodのように、動画再生が可能なMP3プレーヤーも続々と登場しており、2005年には全製品の15%程度だった動画対応機の割合は、2006年には30%程度にまで向上する。動画に対応した製品は、MP3プレーヤー以外にも携帯電話機や携帯型ゲーム機などがあり、2006 年にはさまざまな機器でビデオが楽しめる“Video On The Go”が進んでいきそうだ。

iPodとiTunesの成功は、iPodと直結できるオーディオシステムやワイヤレススピーカーといったアクセサリーの登場も促し、ホームオーディオの分野にも大きな影響を与えている。

ゲーム機の世代分け
ゲーム機の世代分け
ゲーム機の売り上げ
家庭用ゲーム機とソフトの売り上げ

また、ビデオコンテンツのパッケージングの形態にも変化の兆しが見られる。Blu-ray DiscやHD DVDといった高解像度対応の動画記録が可能になるほか、ビデオコンテンツのオンデマンド配信なども今後進展していくと考えられる。会見でワルゴ氏は動画配信に関して「ユーザーがDVDパッケージなどを買いたいと考えている最大の理由は、所有している(I got own it)という感覚を味わいたいこと」と述べ、高解像度化や回線速度などのインフラよりも、そういったユーザーの意識変革を行なえるかどうかがビデオ配信の成功のカギになるという見解を示した。その一方で同氏は「10年後には、パッケージを購入したいというユーザーよりもダウンロードしたいと考えるユーザーがマジョリティーになっている」とも述べ、ビデオ配信サービスの今後の展開に対する期待感も表明した。

ワルゴ氏のプレゼンテーションは、米国市場に立脚したもののため、国内とは事情が異なる部分(例えば、車載向けのデジタルラジオ市場など)もあったが、新しいカテゴリーの製品の登場が市場の再編だけでなく、ライフスタイルの変革にまでも促しつつあるという点は共通しており、興味深く聞ける内容であった。

(編集部 小林久)


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