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【CES 2006 Vol.4】Blu-rayの未来はPLAYSTATION 3とともにある!?──ソニー代表執行役会長兼CEOのストリンガー氏が基調講演

2006年01月06日 20時07分更新

文● 月刊アスキー 吉川大郎/編集部 小林久

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米国時間の5日、2006 International CESの会場において、ソニー(株)代表執行役会長兼CEOのハワード・ストリンガー(Howard Stringer)氏の基調講演が行なわれた。内容はデジタルエンターテインメントに関するソニーの方針を表明するもので、国内の経営方針説明会などで紹介された内容を踏襲したものとなっている。

ストリンガー氏とデル氏
講演に登場したハワード・ストリンガー氏(右)とマイケル・デル氏(左)

基調講演ではソニーが“エンターテインメント”を広げていくために、必要な4本の柱を中心に紹介されたが、ここで注目したいのは、ストリンガー氏が「これは“スローガン”ではな“ミッション”である」とコメントしたことである。この言葉は、その意志の強固さを表している。

ストリンガー氏が紹介した4本柱とは、いつでもどこでも楽しめる機器を提供する“e-Entertainment”(eはeveryの略)、制作現場のデジタル化を推進する“Digital Cinema”、高画質な映像の再生と記録を実現する“High(er) Definition”、そして“PlayStation”だ。

また、ストリンガー氏は講演の冒頭で「コンテンツをソニーが持っているのはハンディキャップだったとも言える。ソニーはエレクトロニクスの会社だから」とコメントした。同氏はエレクトロニクスの復権という言葉を国内の記者会見などでもたびたび口にしている。また、「コンシューマーの利便性を損なうようなコンテンツ保護は好ましくない」とも述べていた。

4本柱の中で、今後の展開を特に期待したいのは“Higher Definition”と“PlayStation”である。Higherとは、現在の1080iや720pといった現在のHD映像を上回るより高解像度な映像も視野に入れていることを示す。具体的な製品計画に関しては触れられなかったが、例えば、パソコン用のディスプレーにはフルHDを上回るものがあるが、そういった表示デバイスなども視野に入れているのではないかと想像する。

Sony Reader
電子書籍リブリエの進化形『Sony Reader』に関しても紹介された
トム・ハンクス
ソニーのカメラを使って撮影された映画『ダ・ヴィンチ・コード』に出演するトム・ハンクス氏も登場

High Definitionの観点で、2006年の動きが注目されるのは、やはりBlu-ray Discに関してだろう。これは第4の柱となるPlayStationとも関係してくる部分である。講演ではライバルとなるHD DVD陣営に関するコメントは特になく、Blu-ray Discには20タイトルがラインナップされること、主にHD映像の美しさが中心に紹介されたが、途中Blu-ray Discのサポートを表明した米デル社から、マイケル・デル(Michael S.Dell)氏が登場し、ジョークを交えながらBlu-ray Discにエールを送る一幕も見られた。

PlayStationの説明は、米Sony Computer Entertainment America(以下SCEA)社の社長兼CEO、平井和夫氏が行なった。同氏は『PlayStation 2』がDVD市場が大きく広げたのと同じインパクトを『PLAYSTATION 3』がBlu-ray Discに与えるとし、「誰もが買える値段で出す」「PLAYSTATION 3は2006年以降、重要な製品になる」とコメントした。平井氏の発言から読み取れるのは、Blu-ray陣営の突破口はPLAYSTATION 3であり、PLAYSTATION 3がどう立ち上がるかが、そのままBlu-ray Discの将来も決めるという点である。マイクロソフトからも、Xbox 360でHD DVDを再生できるようにするという発表が出ており、次世代DVDの主戦場のひとつがゲーム機市場であることを再認識させられた。

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