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【Macworld Expo 2006 Vol.3】スティーブ・ジョブズの基調講演をじっくり振り返る(後編)


2006年1月12日

インテルCPU初搭載はiMac

講演が始まってちょうど1時間ほどが過ぎた。ジョブズはここで「それではいよいよハードの話に移そう」と切り出し、画面には現行Macの全ラインアップが映し出される。 「アップルは昨年、'06年の6月までにインテルCPU搭載の最初のMacを出荷すると発表した」と話すと、壇上からスモークが上がり、そこからバニースーツ(半導体製造のクリーンルームで着用するスーツ)の人物がシリコンウェハーを両手で抱えながら現れる。バニースーツの人物は、なんと米インテル社のCEO、ポール・オッテリーニ氏だった。

intelceo
intelceo2
なんと、いきなりバニースーツを着たポール・オッテリーニ氏が現れ、ジョブズにウェハーを手渡すという心憎い演出が

オッテリーニ氏はウェハーを手に、この歴史的転換に対して「インテル側の準備はできました」と報告する。するとジョブズはそれに答えるように「アップルの方も準備ができました」と応えた。場内からは喝采が溢れた。いよいよインテルCPU搭載Mac発表の瞬間だ。

ジョブズは「記念すべきインテルプロセッサー搭載の最初のMacはiMacだ」と発表した。

intelimac
大方の予想とは異なり、初めてアナウンスされたインテル搭載Macは、iMacとなった

前後左右のスライドを表示するが、これまでのMacと寸分違わない外見だ。「インテルプロセッサー搭載の新しいMacを発表するにあたって、われわれはどうしたらいいかを検討した。その結果、何も変えないことに決めた」という。画面には「同じサイズ、同じデザイン、同じ機能、同じ価格」といった文字が表示される(日本では多少価格が変わっている)。

「では何が違うのか?」ジョブズがそう言うと、画面には「2-3X」という文字が表示される。新しいiMacの違いはその速度で、従来のiMac G5に比べて2〜3倍速いのだ。その秘密は新たに搭載されたIntel Core Duo、コード名「Yonah」と呼ばれていたデュアルコア仕様のCPUだ。

ジョブズは実際に業界標準のベンチマークプログラム、「SPECint_rate2000」と「SPECfp_rate2000」の結果を示した。それによると新しいiMacは、iMac G5に比べ整数演算で3.2倍、浮動小数点演算で2.1倍速いという。

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これまでのiMac G5に比べて、2〜3倍も速いという
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ベンチマークテストの測定結果を披露するジョブズ

従来のソフトがそのまま動くRosetta技術

ジョブズは、この新しいiMacの発表に合わせてアップデートされるMac OS X Tiger v10.4.4は完全にインテルCPUネイティブになり、iLife 06、iWork 06もネイティブになったことを付け加えた(ユニバーサルバイナリというPowerPCにもインテルにもネイティブな形式)。

Final Cut ProやAperture、Logic Proといったプロ向けアプリケーションについては、3月にはユニバーサルバイナリとして対応予定だ。現在、これらのアプリケーションを持っている人は49ドルで、インテル対応版に交換してもらえるクロスグレードサービスも提供している。

アップルは、この発表にあわせて全力で開発を進めてきたが、サードパーティー各社によるインテル最適化はまだ完了していない。米クオーク社は、看板ソフトのXpressのベータ版をいちはやくインテル対応させているというが、それは希少な例で、まだほとんどのソフトはインテルCPUに最適化されていないのが現状だ。

だが、インテルMacには「Rosetta」と呼ばれる互換技術が用意されている。このRosetta技術を使えば、インテルCPUに最適化されていない、従来のMac用アプリケーションでもそのまま動作するという。そうしたアプリケーションの中には、もっとも人気のあるサードパーティーソフト、Microsoft Office for Macも含まれている。ジョブズは壇上に米Microsoft社のMacintosh Business Unitのゼネラルマネージャー、ロズ・ホー氏を招いた。

ホー氏は、現行のMicrosoft OfficeがRosettaで動くことに加え、このExpoでEntourageのSpotlight対応や、Syncサービスをサポートして携帯電話との同期機能を備えたMicrosoft Officeの新バージョンを発表したことを紹介。また、Macプラットフォームへの変わらぬ献身を証明すべく、今後、最低でも5年間、Mac版Officeの開発を続けることを確約した。

ジョブズは、多少スピードは落ちるがPhotoshopなどのアプリケーションもちゃんと動作することをデモしてみせた。なお、これまでのiLife '06などのデモは、すべてこのインテルCPU搭載iMacによって行われていた。おそらく、もっとも目を引いたのはSafariだろう。Webページの表示や切り替えは、これまでのMacと比べて信じられないくらいに速かったのだ。

Intel Core Duoを搭載した新iMacは、今日から出荷が開始する。アップルはこれを皮切りに、2006年いっぱいをかけて全製品ラインアップをインテルCPUに切り替えていく予定だ。

ここでジョブズは、新しいインテルiMacのCMを披露した。CPUを製造するクリーンルームが映し出される。陰鬱な表情をしたバニースーツの人々がシリコンウェハーを持ちながら行き交っている。

「これまでインテルのCPUはPCの世界に捕われていた。そして退屈な仕事をされていた」といったナレーションが入る。そのインテル製CPUがついに解放されMacに搭載された。というアナウンスが流れ、それとともにバニースーツの人々の表情も明るくなる、というオチだ。なお、これは一般にTV放送するCMではないのか、まだアップル社のWebサイトには掲載されていないようだ。


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