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医薬品のインターネット販売に関する要望書を、ネット薬局・薬店14社が厚生省に提出


2006年1月19日

インターネット販売のあり方を考える薬局・薬店の会(略称:ネット薬局の会)は19日、都内で記者会見を開き、厚生労働大臣の川崎二郎氏宛てに“薬局・薬店による医薬品のインターネット販売に関する要望書”を同日午前10:00に提出したと発表した。

ケンコーコムの後藤社長
ネット薬局の会の発起人となったケンコーコム(株)の後藤玄利社長

ネット薬局の会は、ケンコーコム(株)が発起人となり、インターネットを利用して医薬品の販売を行なっている薬局・薬店14社が集まって結成された団体。厚生労働省の厚生科学審議会(医薬品販売制度改正検討部会)は2006年3月ごろに提出される見込みの“改正薬事法案”に向けて2004年4月から医薬品販売制度の再検討を行なっている。ネット薬局の会では同審議会が、2005年12月に提出した報告書に、医薬品をネット販売していく上で好ましくない内容が含まれているとし、法案提出の前に再検討を要望していく考えだ。

昨年12月に提出された報告書では、医薬品を“A類”(一般用医薬品としてリスクが特に高い成分を含むもの)、“B類”(まれにではあっても、日常生活に支障を来すおそれがある成分を含むもの)、“C類”(日常生活に支障を来すほどではないが、副作用等により身体の変調・不調を生じるおそれがある成分を含むもの)の3種類に区分している。このうちA類は対面販売必須。B類とC類は対面販売原則で、それ以外の方法も一部認める方向だが、「通信販売(インターネット販売を含む)を認めざるを得ない」とする見解が示されているのはC類のみで、B類に関しては夜間と早朝に限ってテレビ電話などを利用して販売する方法のみを検討している段階にあるという。

ネット薬局の会に参加する企業はこれまで、1988年に厚生省から各都道府県衛星主幹部局長あてに通知された“医薬品の販売方法について”という書類に基づいて、ある程度自主規制する形で医薬品のネット販売を行なってきた。この書類の内容は、主に医薬品の通信販売に関するものとなっており、基本的に“薬効群”(何に利く薬か)に基づいて通信販売してよい薬品とそうでないものが分けられている。

12月の報告書に基づく改正が行なわれると「漢方薬や妊娠検査薬などこれまで販売してきた医薬品が売れなくなり、8〜9割近くが販売できなくなると認識している」とケンコーコム代表取締役社長の後藤玄利(ごとう げんり)氏は言う。A〜C類のうち、薬局で購入できる大半の医薬品はB類に属し、C類に含まれるのは整腸剤やビタミン剤を中心としたごく限られたものになる。

ネット薬局の会では、インターネット通販でも対面販売の趣旨にそった安全性の確保が可能であること、妊娠検査薬など対面での購入に抵抗感のある医薬品の購入時や近くに薬局のない地域などで、店頭販売にはない利便性が得られること、取り扱いの少ない医薬品を購入できるため、既存の薬局や薬店と住み分けが可能であること、自主規制など秩序維持の取り組みを行なうことなどを要望書にまとめた。また、インターネット薬局に対するヒアリングや消費者からのパブリックコメントなどを収集して現状の把握に努めるよう厚生省に働きかけている。

後藤氏は会見で「審議過程では通信販売に関する議論は極めて限られた範囲にすぎななかった」と述べ、審議が十分になされていない段階での報告が法案化されてしまうことに危惧の念を示した。また、医薬品のネット通販の現状が推定で数十億円程度と非常に小さい点を指摘。これは、8000億円程度の規模を持つ一般用医薬品の市場の1%にも満たない数字であり、健康食品や化粧品のEC市場規模が2200億円(EC化率4.05%)程度あることと比較しても極めて低い水準である。その背景には、医薬品の販売に関する規制や販売会社の自主規制がある。

後藤氏は「薬事法の改正は昭和35年(1960年)以来のものであり、極めて重いものがある。5〜10年の体系を担う薬事法がインターネットの可能性の芽を摘んでしまいかねない」とコメントした。

同時に「インターネットでは店頭では確認できない納書(医薬品同封の説明書き)の情報を公開できる。現状でも顧客に対して購入すべき医薬品かどうかをメールや電話で通知できるし、購入履歴が残るため、薬歴簿の管理なども容易だ。飲み合わせによる副作用の有無といった情報も提供できる」など、インターネット販売でも店頭での対面販売と同等かそれを上回る安全性を確保できる点を強調した。その一方で後藤氏は、薬剤師を通じてしっかりと医薬品を取り扱う方法を規制することにより、「海外からの個人輸入や正規以外のルートなど無秩序な販売が助長される恐れがある」という危険性に関しても言及した。



(編集部 小林久)


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