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BSA、2006年の活動方針を発表――企業/業界/個人のコンプライアンス意識は高まったものの日本の違法コピー被害額は世界ワースト6位


2006年1月31日

ビジネスソフトを中心としたコンピューターソフトウェア産業の権利保護団体であるビジネス ソフトウェア アライアンス(Business Software Alliance、BSA)は31日、2006年の基本活動方針を発表し、これに併せて都内で記者発表会を行った。これによると、状況は改善されつつあるものの、依然として企業/組織内での違法なソフトウェアのコピーの被害は大きく、BSAでは2006年は特に、コンプライアンス強化を推進する業界/経済団体への“ソフトウェア棚卸し”の支援に注力するなどとしている。

BSA 日本担当顧問で弁護士の石原修氏
2005年のBSAの活動総括

説明会の冒頭に2005年の活動報告を行なったBSA 日本担当顧問で弁護士の石原修氏によると、2004年のソフトウェア違法コピーの被害規模は、全世界で約3兆5000億円、違法コピー率は約35%。一方日本では、違法コピー率は世界水準より低い28%だが、損害額は約1900億円に達し、世界ワースト6位となってしまっているという。しかし、企業/業界でのコンプライアンス意識の向上に加えて、それぞれに所属する従業員の意識/関心も着実に向上しているといい、BSAに対する情報提供数は2004年から100件以上増え、345件となったという。また、経済効果の調査によると、2006年から2009年の4年間で日本の違法コピー率が10%低下した場合、GDP(国内総生産)の浮揚効果は2兆8800億円、国内IT市場規模は14兆8800億円に達すると見られるといい、違法コピーの追放は経済効果面でも大きな影響があると説明した。

これらの数値を踏まえ、2005年は、同団体の基本活動である“政策提言”“権利保護支援”“教育・啓発”の各分野において、以下の取り組みを行ったという。

  • 政府/各省庁に対する意見書提出や意見交換
  • 知的財産推進計画や私的録音録画補償金制度などへのパブリックコメント提示
  • 刑事事件(違法インストール販売、海賊版販売など)への捜査協力や証拠保全への積極的な支援
  • “海賊版撲滅キャンペーン in なにわ”の実施
  • 企業向けのソフトウェアライセンスの再点検を促す全国規模のキャンペーンを(社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と共催
  • 印刷業界向けのライセンス再点検推進キャンペーンに協力

アジア事務局長兼日本事務局長の今泉寛氏
2006年の活動方針

石原氏に続いて登壇したアジア事務局長兼日本事務局長の今泉寛氏は、2006年の活動について、印刷業界向け限定のキャンペーンのような特定の業界単位での違法コピー一掃の支援に対しては実施要望の声がほかにもあるといい、2006年は業界向け支援活動を注力ポイントとして取り組み、従来の3本柱の基本活動を軸に「安全で信頼できるデジタル社会の推進に貢献」すると述べた。

2006年の主な活動予定は以下のとおり。

政策提言
アジアにおける日本の知的財産保護強化への協力
知的財産関連法強化のための積極的な政策提言
権利保護支援
正規ユーザーの声(不正ユーザーに対する不満)を意識した民事/刑事事案への支援強化
情報提供窓口の認知向上(携帯電話向けインターネット窓口の開設など)
教育/啓発
正規ユーザー化(違法コピー一掃)支援として、業界単位でのソフトウェア棚卸し支援キャンペーンの実施
より高度なソフトウェア資産管理に対する啓発活動、再発防止支援
広範な意識啓発活動の継続

説明後の質疑応答の中で石原氏は、ソフトウェアのアクティベーション機能の導入が一部ビジネスアプリケーションなどで活発になっていることと違法コピー被害の規模の関連について、「カジュアルコピー(個人ユーザーによるコピー)は減少傾向にはあるものの、(ボリュームライセンスなどで定められた条件を遵守しない)企業内違法コピーは依然多い」との見方を示した。アクティベーション機能の導入は、“意図的ではない違法ユーザー”とカテゴリーされる“低意識層”の啓蒙には確実に効果を挙げているものの、アクティベーションを不正に外された違法コピーソフトウェアなども多数流通しており、「悪意のあるユーザーとの不正コピー防止の取り組みはいたちごっこ」だと述べた。

(編集部 内田泰仁)


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