左から、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ常務取締役の石塚宏一氏、Def TechのMicro、Shen、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ代表取締役社長の久保田幸雄氏 |
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(株)は8日、“au”ブランド向け携帯電話機『W41S』のCMキャラクターとして “Def Tech(デフテック)”を起用したことを発表し、東京・原宿で立体映像による“同時多発ライブ”を行なった。
Def Techは、Shen(シェン)とMicro(マイクロ)という男性2人による音楽ユニットで、昨年は『Def Tech』『Lokahi Lani』という2枚の音楽アルバムを合計280万枚以上を売り上げ、“NHK紅白歌合戦”にも出場した。11日から放映されるTVCMでは新曲『Get Real』が流れ、2人が出演する。
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズによるau向け携帯電話機『W41S』。1月27日に発売されたばかり |
最も力を入れるテーマは“音楽”
W41Sは、KDDI(株)の総合音楽サービス“au LISTEN MOBILE SERVICE(略称はLISMO:リスモ)”に対応する初の携帯電話機として、1月27日に発売された。詳しい仕様はこちらの記事を参照してほしいが、Def TechのCM起用は、“音楽ケータイ”としてのイメージを訴求するためのもの。同社は、同時多発ライブによるCMおよび新曲の一般公開に先立ち、代々木体育館に隣接するイベントスペース“SHIBUYA-AX”で2部構成の記者発表会を行なった。前半は、同社代表取締役社長の久保田幸雄氏や、“Music Hungry”と名づけられた一連のキャンペーンのパートナーであるMTVジャパン(株)の代表取締役社長兼CEOの笹本 裕氏などによるプレゼンテーションで、後半はDef Techによるシークレットライブだ。
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ代表取締役社長の久保田氏 |
昨夏イギリスで、英ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ社が“Walkman phone”こと『W800i』を発表した際にも、イギリスの人気グループ“ジャミロクワイ(Jamiroquai)”を招いたシークレットライブが併催されており、今回はその手法をほぼ踏襲した形になる。久保田氏は「海外においても音楽ケータイの市場が急成長している」とし、その試みを「大成功」と評している。
久保田氏によれば、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが今後最も力を入れるテーマは“音楽”。「W41Sは新しいケータイ音楽文化を創る機種。皆様が、音楽を聴きたいと思ったその瞬間に音楽を捕まえることができる。それがこのキャンペーンのメッセージであり、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの携帯電話機が皆様に提案する新しい生活スタイル“Music Hungry”なのだ」と、キャンペーンに込めたビジョンを語った。
MTVジャパン代表取締役社長兼CEOの笹本氏 |
Music Hungryキャンペーンでは、Def TechによるCMの放映のほか、MTVジャパン、HMVジャパン(株)とのコラボレートによるプロモーション活動を行なう。MTVジャパンとは、MTVジャパンが主催するアワード“MTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPAN 2006”にソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズがスポンサーとして協賛するほか、“ステーションID”(MTVの番組中に流れるイメージCM)の制作や、携帯電話機の待ち受け画面の配信などを共同で行なう予定。HMVジャパンとは、レコード販売店内での共同プロモーションを計画している。
「曲は新しいフレーバー、映像はフレッシュ」
Def Techによるステージでは、新曲発表の前に、CM制作に関するエピソードなどが語られた。
Def Techの2人。Microは東京都、Shenはハワイ・オアフ島の出身 |
ここでDef Techについて改めて紹介すると、Microは東京都、Shenはハワイ・オアフ島の出身。作詞・作曲、アレンジ、プロデュースなども手がけており、日本とハワイとジャマイカの音楽を融合させた“ジャワイアン・レゲエ”という独自のスタイルが人気を得ている。
2006年の“駆け出し”として最高のスタート |
Def Techは、CMに楽曲を提供したことは過去にあるが、本人たちが出演するのは今回が初めて。CMに出たいという希望を以前から持っていたというMicroは、「(CMに出演するなら)曲は新しいフレーバーで、映像はフレッシュなものでと思っていたので、2006年の“駆け出し”として最高のスタートだと思います」と企画に参加できたことを喜んだ。CMはCGを多用したもので、特殊な緑色のバックに囲まれたセットでの撮影だったそうだが、Def Techは“勘”を掴み、予定よりも2時間も早く終了したという。また映像表現に関しては自分達からも提案を行ない、「ディレクターが意見を聞き入れてくれて、自分達が表現したいことがうまく伝わっていると思います」と、Shenはその仕上がりに十分満足したことを明かした。
ライブでは、『Power in da Musiq~understanding』、『Broken Hearts』、Get Realの3曲が披露された。ステージの様子を、以下に写真で紹介する。
原宿に5組のDef Techが出現
最後に会場を原宿の街角に移動して、同時多発ライブが行なわれた。これは、あらかじめ録画・編集されたDef Techのライブ映像を、KDDIのショールーム“KDDI Designing Studio”や、衣料品店の“Le souk prix Vigny”など、神宮前交差点にほど近い5ヵ所で同時に放映するというもの。デンマークのクリエイティブ集団“viZOO”が開発した“Free Format”という映像投影技術が用いており、観客はあたかもDef Techの2人がそこでパフォーマンスを行なっているような立体映像を各店舗のウィンドー越しに見ることができる。このような仕掛けを使ったストリートパフォーマンスは、メーカーによれば世界初であり、Microは「(映像美に優れたミュージックビデオで知られる)マイケル・ジャクソンが嫉妬する」ような演出だと絶賛した。
同時多発ライブのLe souk prix Vigny前の様子は、以下で写真で紹介するが、ホームページや駅の広告等でイベントを知ったDef Techのファンや通行人が幾重もの垣根を作った。なかには、“5ヵ所同時で”というコンセプトを知ってか知らずか、「最後に本物が出てきてくれればなあ……」と感想を漏らす観客もいた。
同時多発ライブのLe souk prix Vigny前の様子 |