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【3GSM World Congress 2006 Vol.2】トレンドはHSDPAと携帯端末向け地上デジタル放送!!


2006年2月15日

次世代無線通信方式のひとつである“HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)”と、ヨーロッパのモバイル機器向け地上デジタル放送規格であるDVB-H(Digital Video Broadcast-Handheld)に関連した端末の展示を各社が行なっている。移動通信業界においてこの2つは、現在の最大のテーマであることに間違いなさそうだ。



米クアルコムのHSDPA対応試作機

携帯電話機用のチップセットメーカーの米クアルコム社は、ベースバンドチップ“MSM6280”を搭載した試作機によるHSDPAのデモを行なっていた。この試作機では、下り最大7.2Mbpsのデータ通信速度を実現。デモでも、実測で常時6.2Mbpsから6.7Mbpsを維持しており、今回の3GSMの展示の中では最速を誇っていた。

MSM6280を使用した試作機。データ通信速度が下り最大7.2Mbps
MSM6280を使用した試作機。データ通信速度が下り最大7.2Mbps

またクアルコムは、同じくMSM6280を使用した試作機による“3.6Mbps HSDPA @ 900MHz”という展示も行なっていた。これは、欧州の第2世代携帯電話で使用されている900MHzの周波数帯をW-CDMAで使用し、そこでHSDPAを実現するというもの。W-CDMA用の周波数帯は、欧州では2.1GHzが採用されているが、2.1GHzよりも波長が長い900MHzの方が障害物などの影響が小さくなる。クアルコムは、米ノーテルネットワークス社などとこの技術の標準化を進めている。

3.6Mbps HSDPA @ 900MHzのデモンストレーション
3.6Mbps HSDPA @ 900MHzのデモンストレーション


NTTドコモのHSDPA対応試作機

(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは、HSDPA対応の試作機と、それを使用したデモンストレーションを行なっていた。これは、1日に日本国内で発表されたもの

デモンストレーションは、日本電気(株)製のW-CDMA対応モデル(通信速度384kbps)とHSDPA対応の試作機(通信速度3.6Mbps)を並べ、“iモーション”のストリーミング再生を実施して比較するというもので、動画の再生は、HSPDA対応機のほうがずっとスムーズだった。また、HSDPA対応の試作機をパソコンに接続し、5MBのファイルをFTP経由でダウンロードするというデモも行なっていた。5MBのファイルのダウンロードは14秒で完了し、通信速度も常時3.0Mbpsから3.2Mbpsを維持していた。

左がW-CDMA対応モデル、右がHSDPA対応の試作機
左がW-CDMA対応モデル、右がHSDPA対応の試作機
HSDPA対応の試作機。製造メーカーは、左から富士通(株)、NEC、モトローラ(株)
HSDPA対応の試作機。製造メーカーは、左から富士通(株)、NEC、モトローラ(株)


韓国サムスンのHSDPA対応機とDVB-H対応試作機

韓国のサムスン電子社は、HSDPA対応端末『SGH-Z560』の展示と、試作機によるデモを行なっていた。『SGH-Z560』は、下り最大1.8Mbpsの通信に対応しており、キャリアーがHSDPAサービスを開始すればすぐにでも販売できるという。また、通信速度が3.6Mbpsに対応した試作機によるデモも行なわれていた。仕様の詳細は未公表だが、2006年第3四半期(7〜9月)には、実用化される予定。

『SGH-Z560』は、200万画素クラスのものを搭載している
『SGH-Z560』は、200万画素クラスのデジタルカメラを搭載している
通信速度3.6Mbpsに対応した試作機
通信速度3.6Mbpsに対応した試作機

そのほかサムスンは、DVB-Hに対応する『SGH-P910』も展示していた。基本は二つ折りの形状なのだが、端末を開いた状態で液晶パネル部を水平方向に回転できる。それにあわせて自動的にテレビの画面も表示する方向を変える。W-CDMAとGSM(900/1800/1900MHz)に対応、130万画素クラスのデジタルカメラを搭載。発売時期や価格、詳細な仕様などは未公表。

『SGH-P910』
『SGH-P910』
液晶部分を90度回転させると、テレビ番組が液晶画面いっぱいで表示される
液晶部分を90度回転させると、テレビ番組が液晶画面いっぱいで表示される


モトローラのDVB-H対応試作機

米モトローラ社は、DVB-H対応の携帯電話試作機を展示していた。OSにLinuxを採用し、2.4インチのQVGA(240×320ドット)のTFT液晶パネルを搭載している。仕様の詳細や発売時期は未公表。

米モトローラ社のDVB-H対応携帯電話の試作機
米モトローラ社のDVB-H対応携帯電話の試作機。縦位置でも、横位置でもテレビが見られる
家庭用テレビと同様、携帯電話機で視聴できる
家庭用テレビと同様、携帯電話機で視聴できる


ノキアとソニー・エリクソンがDVB-H分野で提携

フィンランドのノキア社と英ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ社は、DVB-Hのインターオペラビリティ(相互運用性)に関し、提携を結んだことを明らかにした。ノキア プロダクト マーケティング ディレクターのユハ・ロンカイネン(Juha Ronkainen)氏はこの提携について、「ノキアとソニー・エリクソンのDVB-H対応機種の仕様や操作性を統一することで、ユーザーが、どの製品を購入しても、同じサービスを楽しめるようにするのが狙い」と説明した。

なおDVB-Hによる放送は、2006年中にオランダ/イタリア/マレーシア/米国で開始される。DVB-Hで提供されるコンテンツについて、ロンカイネン氏は「さまざまな調査では、『ユーザーの多くは普段見ているテレビ番組と同じ物をDVB-Hでも見たがっている』という結果が出ている。そのため当面は、DVB-H独自の番組ではなく地上波と同じ番組が提供されるだろう」という見方を示した。

ノキアのユハ・ロンカイネン氏。手に持っているのは、DVB-H対応の『Nokia N92』
ノキアのユハ・ロンカイネン氏。手に持っているのは、DVB-H対応の『Nokia N92』。『Nokia N92』は、W-CDMAとGSM(900/1800/1900MHz)に対応し、2.8インチのQVGAディスプレーを搭載する。本体サイズは幅58.2x奥行き24.8x高さ107.4mmで、重さは191g。2005年11月に発表されており、2006年夏に欧州のDVB-Hサービスが開始される地域で発売される。価格は600ユーロ(8万4000円)前後

(安藤 怜)


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