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新産業文化創出研究所、秋葉原UDX内に開設する“先端ナレッジフィールド”の説明会を開催


2006年3月23日
“先端ナレッジフィールド”が開設される秋葉原UDX(写真中央)と、UDXに通じるブリッジ
“先端ナレッジフィールド”が開設される秋葉原UDX(写真中央)と、UDXに通じるブリッジ

(株)新産業文化創出研究所は23日、秋葉原UDXの4階に開設される研究・実験施設“先端ナレッジフィールド”のオープニングイベントを開催し、同施設のコンセプトや実施されるプロジェクトについての説明を行なった。

先端ナレッジフィールドは、秋葉原再開発地区にオープンした複合施設“秋葉原UDX”内に開設され、産学官連携によるコンソーシアム組織により、IT産業に関わるさまざまな研究プロジェクトや事業プロジェクトを行なう施設である。立体映像上映に対応した“アキバ3Dシアター”や立体映像・造型技術の展示・体験施設“アキバ3Dスタジオ”、デジタルコンテンツ制作を学ぶ“秋葉原アドバンスドアカデミー”、そして調理やレシピのデジタル化、食による健康管理などを実証実験を通じて研究するIT化実証実験レストラン“東京フードシアター 5+1”などで構成される。新産業文化創出研究所はこれら施設を利用する事業プロジェクトの組成と運営を担当する。

秋葉原UDX 4階にある先端ナレッジフィールドのフロアマップ。4階には2階デッキから直通エスカレーターで上がることができる
秋葉原UDX 4階にある先端ナレッジフィールドのフロアマップ。4階には2階デッキから直通エスカレーターで上がることができる
新産業文化創出研究所 代表取締役の廣常啓一氏
新産業文化創出研究所 代表取締役の廣常啓一氏

同社代表取締役の廣常啓一氏は先端ナレッジフィールドの役割について、「従来にないビジネスモデルを、この場を通じて実証実験を行ない、社会に提示していく」として、研究室レベルの研究だけでなく、一般にも研究の内容や成果を理解してもらうべく、研究とそのプロモーションを兼ねた施設となっているという。これにより、産学官や異業種間のマッチングによる新たなビジネスや文化の発信を目指すとのことだ。

中でも重点を置いているのが、“デジタルメディア・プロジェクト”と“デジタルキッチン・プロジェクト”の2つである。デジタルメディア〜は“AV機器の未来形と生活”をキーワードに、ゲームやCG映画の立体データのマルチユース、立体映像システムやコンテンツについての研究を行なう。またデジタルキッチン〜については、「なかなかIT化に後れをとってきた白物家電を、白物情報家電、白物調理家電の未来形」(廣常氏)をテーマとし、ITを活用したキッチンのネットワーク化やレシピのコンテンツ化などを研究する。3Dシアターや3Dスタジオは前者の、東京フードシアターは後者を実証実験する場となる。廣常氏は業務用の3Dシアターや厨房を、家庭のプロジェクターやキッチンとネットワークで結ぶ実験のスタートを、この施設から行なうと述べた。



先端ナレッジフィールドで行なわれる2つの大きなプロジェクトと関連技術。デジタルキッチンは斬新な試みとなるだろう
先端ナレッジフィールドで行なわれる2つの大きなプロジェクトと関連技術。デジタルキッチンは斬新な試みとなるだろう

また先端ナレッジフィールドに開設される、先端ラボやアドバンスドアカデミー、3Dシアターについてを、同社取締役で早稲田大学大学院助教授の河合隆史氏が説明した。先端ラボは先端ナレッジフィールド内に設けられる研究施設であるが、河合氏は先端ラボのキーワードとして、“見る”“遊ぶ”“感動”“こども”の4つを挙げて、それぞれのキーワードごとに行なわれる研究プロジェクトが解説された。プロジェクトの例としては、映像コンテンツや表示装置が生体に与える影響や安全性、さらに感性や感動といった積極性に対する評価手法の確立などを目指した“生体計測プロジェクト”が紹介された。またアドバンスドアカデミーは映像制作分野の専門学校であるデジタルハリウッド(株)と連携し、デジタルコンテンツのクリエイター養成を行なうワークショップやセミナーを開催する。3Dスタジオは“2次元と3次元のクロスオーバー”をテーマに、立体映像機器の展示や試用、2Dアニメーションの画像と立体写真の合成写真を作れる“3Dフォトブース”、3DのCGデータを立体モデルとして出力する造形システムなどが用意され、これらを活用した研究や実証実験が行なわれる。

3Dスタジオの機能のひとつは、3Dモデルデータを立体物として出力するマルチユースの実験にある
3Dスタジオの機能のひとつは、3Dモデルデータを立体物として出力するマルチユースの実験にある
デモ展示を行なっていた3Dスタジオ。見学者で混雑している
デモ展示を行なっていた3Dスタジオ。見学者で混雑している
スタジオの一角にあった、ローランド ディー.ジー.(株)の3次元彫刻機。TVアニメで使われたロボットのCGデータを元に、スチロールを削り出している
スタジオの一角にあった、ローランド ディー.ジー.(株)の3次元彫刻機。TVアニメで使われたロボットのCGデータを元に、スチロールを削り出している
CGデータから作り出された立体造形物のサンプル
CGデータから作り出された立体造形物のサンプル

アキバ3Dシアターはデジタルシネマ投影用のプロジェクターと35mmフィルム用プロジェクターを備え、それぞれのプロジェクター用スクリーンを切り替えての上映も可能だ。先端ラボや3Dスタジオと連携して、新しいエンターテイメントやビジネスにつながる実験を行なう場として活用される。さらには秋葉原唯一の映像シアターとして、集客効果も期待されている。

アキバ3Dシアターの説明の中で行なわれたスクリーン切り替えのデモ。写真上部の白が強い部分と、その下、中段の薄い色の部分がそれぞれ切り替え可能なスクリーン。その裏にはスピーカーがある
アキバ3Dシアターの説明の中で行なわれたスクリーン切り替えのデモ。写真上部の白が強い部分と、その下、中段の薄い色の部分がそれぞれ切り替え可能なスクリーン。その裏にはスピーカーがある

最も異色で興味深いデジタルキッチン・プロジェクトについては、異分野のクロスオーバーによる“「新食系」産業・文化の創出”をテーマとする。オール電化のデジタルキッチンを備えたレストラン厨房は、レシピのコンテンツ化や食材のデータ(カロリーや栄養価など)の入力システム、料理人の行動のデータ化など、調理にまつわりデータ化されていない要素をデータ化する“レコーディング機能”を備える。また“エンタテイメントレストラン”を標榜するフードシアターでは、テレビの料理バラエティーのような料理人対決などのイベントを楽しんだり、1つの店舗内で異なる料理人の料理を味わえるようにするなど、趣向を凝らした食の提供が行なわれる予定となっている。料理をテーマとしたイベント展開という、異色のイベントスペースとして活用されることになりそうだ。

フードシアターは厨房が客席スペース前にオープンされており、料理人の作業の様子を目の前で見られる
フードシアターは厨房が客席スペース前にオープンされており、料理人の作業の様子を目の前で見られる
キッチンはいわゆる“オール電化”タイプ。調理機器や設備がネットワーク化されているほか、食材やメニュー、衛生管理や販売、顧客情報などがデータベース化されて運営されるようだ
キッチンはいわゆる“オール電化”タイプ。調理機器や設備がネットワーク化されているほか、食材やメニュー、衛生管理や販売、顧客情報などがデータベース化されて運営されるようだ

さらにはデータ化されたレシピに、個人の健康情報や食事履歴を組み合わせて、個人の健康状態に合わせた料理の提供を目指す“ドクターズキッチン”などのコンセプトも示された。これに基づいて作られた料理を、弁当として販売することも行なわれる。フードシアターはこうしたコンセプトの実験の場ともなるだろう。フードシアターの正式オープンは、30日に予定されている。

(編集部 小西利明)


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