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ソニー、VAIO新商品発表会を開催――小学生の時に小遣いを貯めて買ったグローブのような“所有する喜び”“使う喜び”を打ち出す

2006年05月16日 19時55分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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「世界で一番大きなVAIOと一番小さなVAIO」

世界で一番小さい“VAIO”ことtype U
世界で一番小さい“VAIO”ことtype U

ソニー(株)とソニーマーケティング(株)は16日、東京・六本木のグランドハイアット東京にプレス関係者を集め、“VAIO(バイオ)”新商品としてノートパソコン2モデルとデスクトップパソコン1モデルを発表した。各モデルの詳細はこちらのニュース記事に詳しいが、発表会に出席したソニーのVAIO事業部門部門長の石田佳久氏は、ノートパソコンの“type A”と“type U”を指して「世界で一番大きなVAIOと一番小さなVAIOを紹介します」と切り出した。



ソニーのVAIO事業部門部門長の石田佳久氏
ソニーのVAIO事業部門部門長の石田佳久氏

会場には、石田氏のほかVAIO事業部門企画部統括部長の矢崎 亮氏、ソニーマーケティングのITビジネス執行役員の鈴木功二氏らが出席し、製品のデモンストレーションを交えて特徴を説明した。

パソコン全体の出荷台数と出荷金額の推移
パソコン全体の出荷台数と出荷金額の推移

石田氏は、(社)電子情報技術産業協会(JEITA)の発表資料を基にしたパソコン業界の動向について、「近年、出荷台数は伸びているが金額は頭打ちしている」と傾向を説明し、その理由について買い換えユーザーが増えてきたことを挙げ、「今後は2極分化が進むだろう。ひとつはメールやブラウザーなどの基本的なアプリケーションを使えればいいという顧客と、パソコンに高い付加価値を求める顧客に分かれていく」と分析した。



デスクトップパソコン“type R” 世界で一番大きい“VAIO”こと、type A
同時に発表された、ハイビジョン映像の編集・記録・書き出しに対応するデスクトップパソコン“type R”世界で一番大きい“VAIO”こと、type A

その上で、「ソニーは当然後者を狙っていく」と断言し、“Pride of Ownership”のスローガンを掲げ、単に安いだけ、スペックが高いだけ、というパソコンではなく、「所有する喜び、使う喜びが持てるものを出していきたい」とVAIOシリーズの開発コンセプトを改めて表明した。さらに、「小学生の頃、30ン年前ですが、野球をやっていてグローブが買いたかった。子どもの頃だから、小遣いを貯めて貯めて、やっとグローブを買ったときの喜び。硬式用だけど、(グローブの土手の)縫い目の部分や編目、色も茶色じゃなくて黄色くて、子どもなりに“こだわり”があった。あのときの喜びは今も鮮明に覚えている」とノスタルジーに浸りながら、パソコンにも同様の“入手する喜び”“使う喜び”を感じさせるモデルを作っていくという同社の姿勢を具体的に説明した。

VAIO事業部門企画部の後藤 剛氏 薄型のフォルムを実現したことを実機で説明
type Aについて説明するVAIO事業部門企画部の後藤 剛氏大画面液晶ディスプレーを内蔵しながら薄型のフォルムを実現したことを実機で説明

続いて、各製品の特徴について、まずtype AをVAIO事業部門企画部の後藤 剛氏が“High Quality All-in-One”と製品コンセプトを説明。2層で最大50GBの記録に対応するBlu-rayディスクドライブと、1920×1200ドットのフルハイビジョン映像をそのまま表示できる高解像度液晶ディスプレーを内蔵するなど、ハイビジョン映像の編集や記録に必要なスペックを搭載するだけでなく、放熱性と静粛性にもこだわりフル動作時で30dBを切る静音設計にしていることなどをアピールした。

VAIO事業部門企画部の楡井氏
VAIO事業部門企画部の楡井氏が、実機を使って“VAIOタッチランチャー”や“VAIOタッチコマンド”のデモンストレーションを行なった

次にtype Uについて、VAIO事業部門企画部の楡井謙一(にれいけんいち)氏が、「重さは520gで500mlのペットボトル1本分、大きさは文庫本サイズ、スリープ状態から5秒で起動が完了し、タッチパネル操作が可能です」とその特徴を述べた。特にタッチパネル操作については、“VAIOタッチランチャー”(9つのアプリケーションを起動できるタッチ方式のアプリケーションランチャー)と“VAIOタッチコマンド”(ペンで画面を上下左右になぞることで、ウェブブラウザーなら戻る/進む、音楽再生ソフトなら次/前のトラックなどの操作を行なうジェスチャー機能)を例に挙げて、小型でも使いやすさを重視した設計であることを付属アプリケーションを含めて説明した。


なお、説明会の後の記者からのQ&Aで、「インテルとマイクロソフトが進める“Origamiプロジェクト”をどう考えるのか?」と聞かれると、「(type Uは)Origamiプロジェクトが発表される以前から開発してきた製品であり、Origamiプロジェクトがいいとか悪いとかいうつもりはない」と回答したが、type Uを紹介する冒頭で「最近ではOrigamiプロジェクトなるものも存在するようですが、私たちが独自性を持って開発したプロジェクトを説明します」と述べたように、かなりOrigamiプロジェクトへの対抗意識は持っているようだ。

また、「type UはHDDに代えてフラッシュメモリーを搭載するモデルも開発中とのことだが(関連記事)、これはノートパソコンにも波及していく流れなのか?」との問いには、「考えがないわけではないが、コストと容量のバランスもあるので、今すぐ具体的な計画があるわけではない」と回答。最後に、“type A”や“type R”に搭載した記録型のBlu-rayディスクドライブにおいて、「BD-ROM(Blu-rayディスクのビデオソフト)の再生は可能か?」との問いには技術担当者が「可能です。ただし、ソフトウェアで再生を行なう都合上、圧縮率や転送レートが高い場合には、パフォーマンス、具体的にはコマ落ちの影響が出てくる可能性があります」と答えた。



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