ここ最近のビジネスシヨウは、ほかのIT関連展示会に押される形でパソコンメーカー大手などの出展見合わせなどにより、ややおとなしい印象が続いていたが、今年は目を引く新製品・技術などが多い実りのある会場になっている。その賑わいの中心には韓国メーカーの活躍が特に目立つ。
“blufin”を手に、流暢な日本語で説明してくれた海外事業部取締役のKyouhg-Pa Chun氏 |
韓国tinnos社が“blufin(ブルーフィン)”ブランドとして、韓国では今月下旬、日本でも6月末にOEM企業向けに発売予定というPMP(ポータブル・マルチメディア・プレーヤー)は、特に異彩を放つ存在だ。30GB HDDを内蔵し、(株)ソニー・コンピュータエンタテイメントの携帯ゲーム機『プレイステーション・ポータブル(PSP)』と同じシャープ製という高精細な液晶パネル(480×272ドット/4.3インチ)を内蔵した本体は、「PDAではない」(海外事業部取締役のKyouhg-Pa Chun氏)と言うようにキーボードはなく、液晶パネルの右にカーソルキー、側面にボタンが配置されている程度のシンプルな操作系を持つ。OSにはWindows CE 5.0、通信機能にBluetoothとWiMAX対応無線LAN機能を持ち、ワンセグ(携帯機器向けデジタル放送)の受信機能も韓国では標準搭載(日本ではOEM企業が求める場合は内蔵可能)。パソコンにUSB 2.0で接続して外付けストレージデバイスとして認識させ、WMV9/DivXなどの動画ファイル、MP3/WMAなどの音楽ファイルを転送すると米Advanced Micro Devices(AMD)社製CPU“AMD Alchemy Au1200プロセッサ”+MAE(マルチメディア・アクセラレーター・エンジン)によってなめらかに動画再生が行なえるという。実際、会場では映画“LOVERS”をデモ再生していたが、コマ落ちを感じさせないなめらかで高精細な動画再生が行なわれていた。日本での価格は未定だが、韓国ではオプションなどにより50万~70万ウォン(日本円で5万~7万円程度)の販売価格になるとのこと。本体サイズと重量は、幅131×奥行き24×高さ72mm/250g。
会場の“blufin”のひとつでは、チャン・ツィイー主演の映画“LOVERS”を使った動画再生デモが行なわれていた |
同じく韓国Enustech社の、Bluetoothを用いたIP電話『Skype』支援周辺機器を扱う(株)ブルーネクストジャパンのブースにも注目だ。
- 『imFONE HS』
- VoIP USBアダプター(Bluetoothヘッドセットのユーザー向けにVoIPソフトの通信プロトコルをBluetooth V1.2のHeadset/Handsfree Profileに変換するUSBアダプター)
PowerPointのプレゼンテーション時にヘッドセットのボリュームボタンをスライドの“送る/戻る”操作に割り当てることも可能
6月発売予定/実売7800円程度 - 『imFONE CPs』
- コードレスホンセット(USB接続のVoIPアダプターと携帯電話機/コードレスホン風の送受話器のセットで、Bluetooth V1.2のCordless Telephony Profile対応)
スクリーンに光でカーソルを表示する“レーザーポインター”、PowerPointのプレゼンテーションファイルを数字キーで“送る/戻る”などの操作を行なう“ワイヤレスプレゼンテーター”機能を搭載
6月発売予定/実売1万5000円程度 - 『imFONE UP』
- USB接続のVoIPホン(imFONE CPsの有線版で、USB端子のあるパソコンに接続してSkypeなどのVoIPソフトによる通話が可能)
レーザーポインター/プレゼンテーター機能を搭載
6月発売予定/実売1万1000円程度 - 『BHF-100』
- コンパクトなBluetoothスピーカーホン(Bluetooth対応携帯電話など最大8台のBluetooth機器とのペアリングに対応)
6月発売予定/1万7000円程度 - 『STAP-100』(開発中)
- 固定回線(PSTN)とインターネット電話(VoIP)の自動切り替えを行なうアクセスポイント
発信時に通話ソフト側でVoIPか固定回線かを選択できるほか、ワイヤレスヘッドセットなどからも利用する回線を指定可能(ただし、会場ではデモンストレーションも行なわれず、デモ機の展示のみだった)
現在開発中につき、発売時期や価格は未定
『imFONE HS』 | 『imFONE CPs』 | 『imFONE UP』 |
imFONE CPsや同 UPには、モノクロ液晶ディスプレー(32×128ドット表示)が用意され、着信時の発信者番号表示が可能で、見た目にも電話機(コードレスホンの子機)とさほど変わらない。また、BluetoothによるワイヤレスヘッドセットとVoIPの組み合わせは、従来のIP電話のようなパソコンの前に張り付いていなければ使えない、という状況を打破し、オフィスや家庭の屋内であれば多少離れた場所でも(見通し距離で約100m以内)、子機を持ち歩いていれば、コードレスホンや携帯電話と同様の使い勝手が実現できるという。
『BHF-100』 | 『STAP-100』 |