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【Interop Tokyo 2006 Vol.3】家庭向け電力線通信がようやく秋に登場

2006年06月08日 16時20分更新

文● 編集部 西村賢

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7日~9日の3日間の開催予定で幕張メッセでスタートした“Interop Tokyo 2006”の展示会場では、業務向け映像、通信関連製品が多く目に付いたが、コンシューマー向けのネットワーク関連製品として、電力線ネットワークやテレビコンセントを流用したネットワークが目を引いた。

家庭内のTVアンテナケーブルで250MbpsのLAN構築

住宅会社“パナホーム”を持つ松下グループは、家庭内のLAN環境を解決する2つの製品を参考出品している。

松下グループのブースでは、住宅内にすでに設置されている同軸ケーブルを流用する宅内LAN技術“c.LINK”を展示。同軸ケーブルは、テレビのアンテナから各部屋に“テレビコンセント”として配線されているもの。テレビ信号より高い周波数帯を使うことで、最大250Mbpsと、ハイビジョン映像2本をラクに送るだけの高帯域が特徴だ。家庭内での利用を考えると、競合する製品は、むしろ無線LANの802.11gや802.11nといった規格の製品となるため、製品化時点では「無線LANの1.5~2倍程度の価格」を目指すという。

c.LINK
既設の同軸ケーブルを流用して250MbpsのLANを構築

電力線LAN、秋の法改正を待って製品登場

また、日本では長らく法規制のために利用できなかった家庭向けの電力線ネットワークだが、これについても、松下グループでは最大70Mbps程度の通信速度を実現する『HD-PLCアダプター』を展示。家庭内の電源コンセントにLANとの中継器となるアダプターを接続し、電気配線上に高周波の信号を乗せる技術を使う。既設の電気配線を使うことで、新たにケーブルを施設することなく1階と2階の部屋をLAN接続できる。

欧米で普及している電力線ネットワークは、放出される電波ノイズの他機器への影響の懸念から日本では利用できなかった。しかし、出力レベルを一定範囲に抑えれば利用できるよう法整備が進みつつある。今月末には規制値が最終決定し、秋ごろと目される改正法施行に合わせて各社とも製品をリリースするという。価格は未定だが、同等製品の米国での価格は親機・子機のセットで198ドル(約2万2000円)、接続ポイントを増やすための子機は単体で128ドル(約1万4000円)となっている。

すでに無線LANが広く普及し、高速でカバー領域の広い無線LAN製品も登場しつつあるいま、やや遅きに失した感もある電力線通信だが、秋に各社からどういった関連製品が登場するかが注目される。

HD-PLCアダプター秋の法改正で電力線通信製品が登場か

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