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W杯で日本が優勝!――ロボットがサッカーを競う“RoboCup”ドイツ大会にて


2006年6月19日

サッカーがダメでもロボットがある!

自律型ロボットによるサッカーの国際大会“RoboCup 2006 Bremen / Germany”(以下、RoboCup)が、ドイツの“メッセ・ブレーメン”(Messe Bremen)で、14日から18日(現地時間)まで開催された。主催は独HVG Hanseatische Veranstaltungs社とブレーメン大学コンピューティング・テクノロジー・センター。

RoboCupは、今年で10回目。サッカーのW杯やUEFAカップなどの大会が開催される年は、同じ国で開催される慣習だ。人間の世界でも、サッカーの熱い戦いが繰り広げられているが、ロボットの世界でもそれは同様。今大会には、世界36ヵ国から、440チーム、2500人が参加した。地元ドイツのチームが97と最多で、次いでイランの59チーム。参加者のうち1477名は一般部門、残りはジュニア部門の参加者だった。来場者数も2万人を超えたという。

会場写真
RoboCup 2006の会場となった、メッセ・ブレーメン。ブレーメン駅のすぐ近くにある。
ブレーメン
ブレーメンと言えば童話『ブレーメンの音楽隊』でおなじみの場所。街の中心部には、音楽隊の像が置かれている。RoboCupは、W杯やUEFAカップのある年はその主催国で行なわれるのが慣習

競技の最終日となる18日には、センターコートで、さまざまな競技の決勝戦が開催された。その中から、注目の試合と、その結果をお伝えしよう。



日本の“Team OSAKA”が劇的な逆転勝利
――ヒューマノイド2対2部門で

自律型二足歩行ロボットの小型機が出場する“ヒューマノイド・リーグ・キッズサイズ部門”では、2対2、1対1、ペナルティー合戦などが開催された。このうち、センターコートでは、Team OSAKAの『VisiON TRYZ』(ヴィジオン・トライズ)と、独フライブルク大学の『NimbRO』(ニンブロ)による決勝戦が行われた。この試合では、2体のロボットのうち1体をゴールキーパー、1体をフォワードとしたTeam OSAKAに対し、NimbROは、ゴールキーパーを置かない、2トップの攻撃的な布陣で試合開始から猛攻をしかけ、あっという間に4点を先取。4対0とTeam OSAKAを圧倒した。

試合風景
NimbROの2トップが猛攻を仕掛け、4点を先取
試合風景
NimbROのロボットは後半に入ると故障がちに
試合風景
終了直前、がら空きのゴールに同点ゴールを蹴り込むVisiON TRYZ
試合風景
NimbROのGK専用ロボットをものともせずに追加点を入れるVisiON TRYZ

しかし、NimbROは、後半に入ると、前半の無理がたたり、2体のロボットが交互に故障。後半終了直前には、2体とも故障退場となり、がら空きのゴールに向かってVisiON TRYZが、ゴールを決めて4対4の同点に追いつき、試合は延長戦へともつれ込んだ。延長戦では、NimbROは、GK専用ロボットを出場させたものの、勢いに乗るTeam OSAKAは、続々と追加点をあげて、結局9対5で勝利した。見事な逆転劇だった。

Team OSAKAは、2対2部門だけでなく、1対1やPK合戦でも優勝し、ヒューマノイド・リーグ優勝を果たした。同チームには“ルイ・ヴィトン ヒューマノイド・カップ”が授与された。

VisiON TRYZ
Team OSAKAのVisiON TRYZ。高さ49.5cm、重さ約2.7kg。CPUは、(株)ピノーのPNM-SG3-500MHzを採用。OSはWindows XP。全方位センサーとして31万画素のCCDを搭載している
優勝カップ
ヒューマノイド・リーグ優勝を記念して、“ルイ・ヴィトン ヒューマノイド・カップ”が贈呈された


4足リーグはオーストラリア勢の対決に

ソニー(株)の犬型ロボット『アイボ』を使用した4足リーグの決勝戦は、オーストラリア勢同士の対決となった。ニューカッスル大学の『NUbots』(ニューボッツ)とニューサウスウェールズ大学の『rUNSWift』(ランスウィフト)が対戦した。

4足リーグでは、4体のアイボで1つのチームを構成。試合開始やキックオフの際は、無線でコントロールするが、基本的には、それぞれのアイボの自律的な動作で試合を進める。ここ数年の傾向としては、ボールを両脇で抱えてから胸を使って押し出すようにしてロング・シュートを打つテクニックが流行で、ロング・シュートの精度が試合を決める要因になっている。今回の決勝戦も、素早く正確なシュートを打つことのできた、NUbotsに軍配があがった。

AIBOの攻防
AIBOの攻防
ゴール前の攻防(左)。かわいいアイボだが、試合中は、かなり激しくぶつかり合う(右)

また、17日には、センターコートでエキシビション・マッチとして、日本代表チーム対ドイツ代表チームの11対11の試合も行われた。通常はアイボ4体で1チームとなるところを、日本とドイツの参加チームから、それぞれ11体選抜してチームを編成して対戦した。ただ、ピッチが、普段の大きさの4倍もあったことから、ロング・シュートを放っても相手ゴールに届かず、0対0のまま、引き分けとなった。

AIBOの攻防
AIBOの攻防
11体のアイボ2チームによる日本代表とドイツ代表のエキシビション・マッチ。試合開始直前の準備が大変(左)。ピッチが通常の4倍の大きさのため、なかなかシュートが決まらない(右)


中型リーグでは、慶應大学が3位に

中型リーグは、直径50cmの自律型ロボットがオレンジ色に塗られたバレーボールを使用して行う。ロボットがぶつかり合うさまは、迫力満点だ。決勝戦は、独オスナブルック大学のBrainstormers TRIBOTS(ブレインストーマーズ・トライボッツ)と、独シュツッツガルト大学のCoPS(コップス)という、ドイツ勢同士の対決となった。圧縮した空気でミドルシュートを放つBrainstormers TRIBOTSの方が、バネでシュートを打つCoPSよりも、シュートの精度が高かったこともあり、試合は4対2で、Brainstormers TRIBOTSが勝利した。地元ドイツのチームが優勝したこともあり、試合終了とともに、観客席からは大歓声があがった。

中型リーグ
ピンク色がBrainstormers TRIBOTS、青色がCoPS
中型リーグ
大勢の観客が見守る中、決勝戦は行なわれた

ディフェンディング・チャンピオンとして出場した慶應大学チームは、準決勝でロボットに故障が相次いただめに敗退。惜しくも3位に終わった。

中型リーグ
慶應大学チームは準決勝で敗退した
中型リーグ
中型リーグの表彰式

(安藤怜)


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「汎用連想計算エンジン(GETA)」は、情報処理振興事業協会(IPA)が実施した「独創的情報技術育成事業」の研究成果です。



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