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【フォトキナ 2006 Vol.1】ドイツケルンにてフォトキナ開幕――ソニーが目指す“リーディング・カメラ・マニュファクチャー”とは?


2006年9月26日

ドイツのケルンで、現地時間の26日から10月1日まで、“Photokina(フォトキナ) 2006”が開催されている。一年おきに開催されている写真関連の展示会で、主催はケルンメッセ(Koelnmesse GmbH)。今年は1579社が出展。うちドイツ企業が550社、ドイツ以外の企業が1029社となっている。

Photokina 2006の会場となるケルン・メッセ。今回から、新しく建設された建物が会場となった

開幕に先立つ25日には、ソニー(株)や米アップルコンピュータ社などが、プレス・カンファレンスを開催した。ブースの多くは急ピッチで設営作業が進められている状況だったが、米イーストマン・コダック社がプレス向けにファッションショーを開催したほか、キヤノン(株)も製品の展示をかねたカクテル・パーティーを開くなど、前夜から盛り上がりを見せていた。

メッセ会場はライン川のほとりにあり、対岸にはケルン大聖堂が見える(キヤノン主催のカクテル・パーティー会場から見たところ)
コダックのブースでは、プレス向けにファッション・ショーが行なわれた


ソニーは、カメラ市場でいいポジションにいる

カメラメーカーの中で、先陣を切ってプレス・カンファレンスを実施したのがソニー。会見の内容は、新製品の発表などはなく、ヨーロッパでもすでに発売されている『α100』などの製品の紹介と、カムコーダー、HDTVなどを含めたイメージング関連商品の全体的な位置づけの紹介にとどまった。

ただし、日本からプレゼンテーションのために来独したソニー執行役EVP デジタルイメージング事業本部長の中川裕氏が、最後に示した「ソニーは、リーディング・カメラ・マニュファクチャーになるために、いいポジションにいる」(SONY is well positioned to become the leading camera manufacture)という言葉には、ヨーロッパのプレスが大きな関心を集めていた。

中川裕ソニー執行役EVP デジタルイメージング事業本部長。『α100』で、カメラマンを撮影する、というパフォーマンス
ソニーは、リーディング・カメラ・マニュファクチャーになるために、いいポジションにいる

プレス・カンファレンスの後、この“the leading camera manufacture”という言葉の真意や、ヨーロッパにおける『α100』の販売状況などについて、ソニー・ヨーロッパ・プレジデントの西田不二夫氏とソニー・マーケティング・ヨーロッパ・バイスプレジデントの近藤隆氏にお話を伺った。

ソニー・ヨーロッパ・プレジデントの西田不二夫氏(左)とソニー・マーケティング・ヨーロッパ・バイスプレジデントの近藤隆氏(右)

[――] まず、ヨーロッパでの『α100』の手応えをお聞かせください。

[近藤] 世界のデジタル一眼レフ(DSLR)市場は、本体価格で見ると8割が1000ドル(約11万7000円)以下で、18%が1000〜1500ドル(約17万4500円)。残りの2%が2000ドル(23万4000ドル)以上のプロ向け製品となっています。『α100』は、8割を占める1000ドル以下のセグメントをターゲットにしたものです。DSLRの市場は、キヤノンとニコンの二大勢力のほかは、その他のメーカーがひしめきあっている状況です。まずは、ここで、当面の目標としてシェア10%、次のステップとしてシェア20%を目標としています。ヨーロッパにおける週単位の売り上げでは、オランダ、スイス、ドイツなどで、10%を超えるシェアを獲得できています

[――] これらの国で、好調な理由は?

[近藤] 好調な理由は2つあります。まず、ゲルマン民族が共通して持っているクラフトマンシップへの敬意。これにα100の製品と画質の良さがフィットしました。。もともと、これらの国ではミノルタのシェアが高く、αのマウントに対応したレンズを持っている人が多かったことも、理由のひとつになりました。

[――] ユーザーの声にはどのようなものがありますか?

[近藤] 購入者アンケートなどを見ると、本体に手ぶれ補正機構を内蔵していることが好評を博しているようです。10メガピクセルともなると、手ぶれが画質に大きく影響しますが、ヨーロッパのユーザーは、われわれが思っていた以上に、そのことを理解してくれています。また、レンズをリーズナブルな価格で提供できたことも評価されています。ヨーロッパでは、900〜1000ユーロ(約13万4000〜14万9000円)の本体にレンズ2本をセットにした『Wキット』が1200ユーロ(約17万9000円)前後で、よく売れています。

[――] 今後のラインナップやブランド戦略は、どのようなものですか?

[近藤] 今後のラインナップについては、まだ検討中ですが、プランドを地域ごとに分けることはしません。かつてのミノルタは、日本と中国では“α”(アルファ)、北米では“マグナ”、ヨーロッパでは“ダイナックス”と、地域ごとに異なるブランドを使っていましたが、ソニーとしては、αという1つのブランドでグローバルに展開させることしか考えていません。

[――] 撮影した画像の活用提案に関しては、どう考えていますか?

[近藤] 画像の出力についても、2つの路線を進めていきます。ひとつは、ソニー独自のプリンターを販売すること。ソニーのデジタルカメラを購入するユーザーは、ソニーのプリンターを欲しがる傾向にあります。これはパソコンとプリンターには見られない、デジカメ特有の現象で、ここに力を入れていきます。もうひとつは、ソニーならではの大画面テレビとの連携です。今回の展示でも、撮影した写真を“BRAVIA”(ブラビア)の大画面で見てもらえるようにしています。

ソニーは写真用プリンターにも力を入れていく。
ブースでは『α100』で撮影した画像を、大画面テレビの“BRAVIA”で鑑賞する展示もあった。
ソニー・ヨーロッパ・プレジデントの西田不二夫氏(左写真の左側)とソニー・マーケティング・ヨーロッパ・バイスプレジデントの近藤隆氏(左写真の右側)。右の写真は、ソニーのデジタルカメラ・ラインアップ

[――] 最後に“the leading camera manufacture”という言葉の真意をお聞かせください。

[西田] あの言葉は、中川さん(ソニー執行役EVPの中川裕氏)がいつも言っている言葉で、単に夢を語っているにすぎません。しかし、ソニーが今まで持っていなかったDSLRを発売したことにより、ようやく「夢を語る資格」を得ました。また、“the leading camera manufacture”の“camera”という言葉には、ビデオカメラは含まれていません。ビデオカメラでは、すでにトップなので、改めて言う必要はないからです。ですから、デジタルスチルカメラの世界でリーダーになりたいというのが、“the leading camera manufacture”という言葉の真意です。α100では、当面の目標であるシェア10%は達成しつつあり、次の目標である20%を達成できれば、ソニーは、DSLRの分野で、キヤノン、ニコンに次ぐ第三の勢力となります。そうなれば、“the leading camera manufacture”も、単なる夢物語ではなくなりますよ。

(安藤怜)


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