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「MSを動かしたことはひとつの成功」――Firefox 2事前説明会を開催


2006年10月17日

有限責任中間法人Mozilla Japanは17日、東京・青山の青山TEPIAにプレス関係者を集め、現在開発中で本日RC3(リリース候補3)が公開されたマルチOS対応のウェブブラウザー“Firefox 2”の事前説明会を開催した。

Mozilla Corp.とMozilla Japanの関係者
説明会に出席した、Mozilla Corp.、Mozilla Japanの関係者。左からMozilla Japanの理事の砂原秀樹氏、同理事兼Mozilla Foundation理事の伊藤穣一氏、Mozilla Corp.のCCOのジョン・リリー氏、Mozilla Japanの代表理事の瀧田佐登子(たきたさとこ)氏

会場で挨拶した理事の伊藤穣一(いとうじょういち)氏は、「コーポレーション(米Mozilla Corporation)のミッションは、Internet Explorerに対抗できるウェブブラウザーを開発してユーザーに選択肢とイノベーション(変革)を与え、マイクロソフトと戦うことだが、財団(米Mozilla Foundation)のミッションとしては、マイクロソフトを動かした(Internet Explorer 7を開発させた)時点で、ひとつの大きな成功だった」と述べた。

伊藤穣一氏
Mozilla Foundationとして一つの成功を迎えたと述べた理事の伊藤穣一氏

Firefox 2は、今月10日にRC2を、今日RC3がリリースされて、完成も間近と見られるオープンソースのウェブブラウザー。Windows 98を含むWindows、Mac OS X、LinuxのマルチOS環境に対応する。

Firefox 2の主な特徴

Firefox 2の主な特徴は、

  • タブブラウザー機能を改良
  • フィード管理機能を改良
  • 検索キーワードの候補表示機能を追加
  • 直前の接続セッション(表示中だったサイト)の復元機能の搭載
  • フィッシング詐欺サイト警告機能の追加
  • 検索サイトの管理機能の強化
  • 拡張機能管理画面の改良

および、数千におよぶ各種バグレポートに基づく改良・改善、などとなっている。

Firefox 2の主な新機能・改良点
Firefox 2の主な新機能・改良点

タブブラウザー機能の改良としては、各タブに“閉じる”ボタンを追加し、多数のタブが並んだ場合に左右にスクロール表示させる機能を標準装備し、タブの一覧表示も可能になった。

フィード管理機能は、従来から内蔵するRSSフィード管理機能“ライブブックマーク”に加えて、クライアントにインストールしているRSSリーダープログラム、およびMy Yahoo!/Google/Bloglines/はてな RSS/livedoor Reader/goo RSSリーダーなどの各種RSSリーダーサービスに登録・管理することが可能になった。

検索キーワードの候補表示は、Yahoo!とGoogleのサジェスチョン(入力途中の文字列から検索文字列の候補を表示する)機能を利用したもので、日本語の候補も表示できる。

フィッシング詐欺サイトの閲覧防止機能
Firefox 2に追加されたフィッシング詐欺サイトの閲覧防止機能

フィッシング詐欺サイトは、すでに判明しているブラックリスト(Firefox 2に同梱)、およびGoogleが随時提供しているブラックリストと照らし合わせることで、ユーザーが表示しようとしているURLがフィッシング詐欺サイトでないかを確認し、詐欺サイトの場合には画面をブラックアウトさせて警告メッセージを表示するというもの。このブラックリストはユーザーが任意に変更することも可能という。

米Mozilla Corp.のCOOのジョン・リリー氏
米Mozilla Corp.のCOOのジョン・リリー氏

これらの改良のうち、いくつかはFirefox 1.5でもユーザーが開発した機能拡張を組み込むことで実現できるが、米Mozilla Corp.のCOO(最高執行責任者)で、今回の説明会に合わせて来日したジョン・リリー(John Lilly)氏は、「ユーザーにどんな機能が求められ、どんな機能拡張が広く使われているかをリサーチした上で、どの機能を標準搭載するか、検討を重ねてきた」と述べ、特にユーザーに広く使われている機能拡張については、新バージョンで標準搭載して、ユーザーの利便性を高めていくという開発ポリシーを説明した。

Firefoxの世界シェア
Firefoxの世界シェア(2006年9月時点)。日本以外の各地域では10%以上のシェアを持ち、特に欧州や豪州では21%を超えている

また、リリー氏はFirefoxの世界的なシェアについても言及し、「全世界では16%超、7000万のユーザーを持つ。特に欧州では21.9%、北米では13.5%、豪州では21.4%と高いシェアを獲得している。日本では8.9%だが、最近1年間で急激に成長している(1年前には3.6%だった)」と述べ、順調に知名度・ユーザー数を拡大していることをアピールした。特に欧州では国を挙げてオープンソースへの取り組みに積極的なところが多く、日本でもMozilla Japanが中心になって自治体や教育機関への働きかけが進んでいると、現状を振り返った。



「EudoraはThunderbirdにマージしていく」

なお、記者とのQ&Aセッションでは、先日米クアルコム社と次期バージョンのオープンソース版を共同開発すると発表したメールソフト“Eudora”(ユードラ)についても言及があった(関連記事)。記者が「ThunderbirdがなくなってEudoraになってしまうのか?」と質問すると、笑いながら「それはないよ」と答え、「Eudoraは20年前に開発された歴史のあるプログラム。私自身も18歳のころに使っていた。Eudoraはコミュニティーを作ってコードを近代化する必要がある。そこで、Thunderbirdのチームと私自身が参加し、Eudoraの次のバージョンの開発に関する戦略を立てている。これはThunderbirdにいくつかの機能拡張を行なって実現することになるだろう。コアは同じものと言えるので、EudoraはThunderbirdにマージしていくことになる。オープンソース化することで、よりよいものになっていくだろう」と述べた。

(編集部 佐久間康仁)


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