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【WPC TOKYOレポート Vol.9】VistaとOffice 2007でワークスタイルを変える?――新機能を披露したマイクロソフト基調講演


2006年10月19日
新機能の数々が一般に披露されたWindows Vista
新機能の数々が一般に披露されたWindows Vista

“WPC TOKYO 2006”では、マイクロソフト(株)が一般向けには初公開となるWindows VistaとOffice 2003の展示デモを行なって話題を呼んでいる。同社ブースは来場者も非常に多く、Vista一色のイベントという感すらある。18日午後に行なわれた基調講演では、米マイクロソフト社のVista担当およびOffice担当副社長により、VistaとOffice 2007の新機能の数々が披露された。

講演の主題はVistaとOffice 2007による“デジタルワークスタイル”の革新であったが、冒頭で挨拶を述べた同社代表執行役社長のダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏は、講演の主題について、「日本市場はデジタルライフスタイルの点では世界の先を行っているが、デジタルワークスタイルはあきらかに遅れている」と述べて、IT化がビジネスの生産性向上に必ずしも寄与していない日本の現状に警鐘を鳴らした。そしてデジタルワークスタイルで進行している3つのトレンドとして、“地理や企業の境界を越えた協業”“常時接続、モバイル化の拡大”“(コンプライアンス面で)透明性の高い組織”を挙げて、これらのトレンドに適したツールの必要性を指摘した。それがVistaとOffice 2007というわけだ。

同社の定義するワークスタイルを取り巻くトレンドとソフトウェアの役割
同社の定義するワークスタイルを取り巻くトレンドとソフトウェアの役割

講演の本編は、米マイクロソフト Windowsクライアントマーケティング担当副社長のマイケル・シーバート(G. Michael Sievert)氏がVistaを、ビジネス製品担当副社長のクリス・カポセラ(Chris Capossela)氏がOffice 2007の新機能を、デモを多用して解説する形式で行なわれた。

米マイクロソフト Windowsクライアントマーケティング担当副社長のマイケル・シーバート氏
米マイクロソフト Windowsクライアントマーケティング担当副社長のマイケル・シーバート氏
米マイクロソフト ビジネス製品担当副社長のクリス・カポセラ氏
米マイクロソフト ビジネス製品担当副社長のクリス・カポセラ氏

シーバート氏は職場におけるVistaの利点を、「よりよく使え、安全。優れた接続性を備える」と挙げた。モバイル環境でのネットワーク接続需要の増大も取り上げ、この点についてVistaは「マイクロソフトのOSの中でも、最も良くデザインされた素晴らしいもの」と称した。またビジネスユーザーに重要視されるセキュリティー面については、ドライブ暗号化機能“Bitlocker”やVista搭載のInternet Explorer 7の“保護モード”など、Vistaで新しく加わった機能によって、より安全な環境を提供できるとした。

講演のデモで披露されたVistaの新機能については、ASCII24でもたびたび紹介しているので逐一の説明は割愛するが、ビジネスユーザーにも利便性の高いユーザーインターフェース面での新機能としては、検索機能とプレビュー機能が興味深い。パソコン内の大量の文書から、Vistaの検索機能を利用して目的の文書を探す機能のデモで披露されたものだが、キーワードを元に検索した候補の一覧を表示し、“表示”メニューからエクスプローラー上での一覧表示のサイズを、詳細から大サイズ(XPでの“縮小版”)に変更した。するとファイル内容のサムネイル表示に切り替わり、Word文書の1ページ目や画像ファイルの中身がサムネイルで視認できるようになった。さらに“整理”メニューから表示レイアウトを“プレビューペイン”に変えると、一覧の横にファイルの中身をプレビュー表示する領域が追加されて、アプリケーションを起動してファイルを開くことなく、Word文書やPowerPointスライドの中身を確認できた。Vistaの新機能を組み合わせることで、目的の情報をより短時間で見つけられることを示した好例であろう。

Vistaの検索機能を使い、HDD内から“MS電気”“ソリューション”のキーワードを持つファイルを検索
Vistaの検索機能を使い、HDD内から“MS電気”“ソリューション”のキーワードを持つファイルを検索
さらにプレビュー機能でアプリケーションを起動せずに中身を確認し、目的のファイルを迅速に探し出せる
さらにプレビュー機能でアプリケーションを起動せずに中身を確認し、目的のファイルを迅速に探し出せる
ミニアプリケーション“ガジェット”をデスクトップ上に表示する“サイドバー”機能では、売上成績表示のガジェットのような、ビジネス向きガジェットの可能性が示された
ミニアプリケーション“ガジェット”をデスクトップ上に表示する“サイドバー”機能では、売上成績表示のガジェットのような、ビジネス向きガジェットの可能性が示された
ファイルやアプリケーションを共有して、複数人で同時に作業できる“Windowsミーティングスペース”も披露された
ファイルやアプリケーションを共有して、複数人で同時に作業できる“Windowsミーティングスペース”も披露された

Office 2007の説明とデモでは、新しいユーザーインターフェースと表現力を向上した機能面に重点を置いた解説が行なわれた。個々の機能についての言及は割愛するが、既存のメニューやツールバーに変わって登場した“タブ”と“リボン”によって、目的とする機能を見つけやすくなったほか、ライブプレビューによって表現力豊かな資料や文書を、従来より簡単に作成できるようになった様子が披露された。

Office 2007のデモでは、新UIと表現力の向上を中心に披露された
Office 2007のデモでは、新UIと表現力の向上を中心に披露された

Vista Premiumの証は“白いロゴ”

デモを交えた講演の主体はビジネスよりの話題であったが、講演の最後にはVista対応パソコンおよび周辺機器に関する重要な発表がなされた。Vistaはホームユーザー向け/ビジネスユーザーなど5つの製品バリエーションが存在し、基本機能を揃えた『Windows Vista Basic』の上に、ユーザー分野に応じた機能を搭載するバリエーションが用意されている。しかし基本となるBasicとそれ以外の製品では、パソコンのハードウェアに対する要件(特にグラフィックス機能)が異なるため、“Basicには対応可能だが、それ以外には不十分なパソコン”も当然出てくる。その違いを明示する手段のひとつとして、マイクロソフトとパソコンメーカーでは製品に付けるロゴマークによって、ユーザーが区別できるようにする。

現在およびVista発売後のパソコンに付けられるロゴマーク。白いロゴはAeroを含むVistaの新機能をより体験できるパソコンであることの証
現在およびVista発売後のパソコンに付けられるロゴマーク。白いロゴはAeroを含むVistaの新機能をより体験できるパソコンであることの証

ロゴマークはVista発売の前後によって異なる。まずVista発売前のパソコンの場合、銀色と黒で描かれた“Windows Vista Capable”のロゴが付いた製品は、Vistaの基本的な機能が実行可能なパソコンであることを示す。また白地に黒い文字で“Windows Vista Premium Ready”と描かれたロゴは、Basic以外のVistaで提供される視覚効果“Windows Aero”など、より優れたVistaの新機能を利用できるパソコンであることを示す。つまりCapableロゴが付いたパソコンは、Vistaの動作は可能だがAeroなど機能の一部は動作しない可能性がある。Premium Readyロゴのついたパソコンであれば、Aeroを含めてより多くの機能が動作すると区別できる。乱暴な言い方をすれば、“Premium Ready=Aero動作可”と考えてもよい。

Vista発売後にはロゴマークが変わり、灰色と黒で描かれた“Windows Vista BASIC”ロゴと、白地に青い丸で囲まれたウィンドウズマークが描かれた“Windows Vista”のロゴとなる。ロゴが示す違いはCapableとPremium Readyと同様である。つまりVista発売前後を問わず、“白いロゴのパソコン=Premium(※1)が動作するパソコン”という区別が可能というわけだ。シーバート氏はPremiumが動作するパソコンを求める人は、この“白いロゴ”を確認してほしいと述べて、ロゴの重要性を喚起した。

※1 ホームユーザー向けのVista Home Premium/Vista Ultimate、ビジネス向けのVista Business/Vista Enterprise

パソコン本体と同様に、Vista対応周辺機器にも同種のロゴが付く。灰色はVistaとの互換性が保証され、白色はVistaのフル機能との互換性が保証される証
パソコン本体と同様に、Vista対応周辺機器にも同種のロゴが付く。灰色はVistaとの互換性が保証され、白色はVistaのフル機能との互換性が保証される証

(編集部 小西利明)


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