ソフトバンクモバイル(株)は23日、都内にて報道関係者を集め、“携帯電話番号ポータビリティー(MNP)”に向けた新料金プランを26日に追加すると発表した。発表した料金プランは通話料無料の“予想外割”こと“ゴールドプラン”、他社キャリアーの料金プランから200円を引いた価格で料金プランを提供する“オレンジプラン”と“ブループラン”の3つとなる。
予想外!と大きく出たソフトバンクの新料金プラン |
ゴールドプランは、同社の携帯電話同士の通話料が無料、SMS(ショートメッセージサービス)メールの送信・読出料が無料になるプラン。基本使用量は月額9600円だが、2007年1月15日までに新スーパーボーナスおよびゴールドプランに加入すれば、70%引きの2880円が基本使用料となる。
ソフトバンクの携帯電話機同士なら通話料が無料 | SMSメールに限り送信・読出料も無料 |
ただ、21時から0時までの間は回線が集中する特別時間という扱いになり、月200分までの通話料が無料で、200分を超過する場合は30秒ごとに21円がかかる。また、他社携帯電話やPHS、固定電話への通話料金は30秒ごとに15.75~29.4円がかかる。
オレンジプランは、au(KDDI(株))の料金プランをそのまま包括したプランとなり、auで用意されている主な料金プランから200円引いた形になるプラン。ブループランも(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの料金プランをそのまま包括したプランで、同様にNTTドコモで用意されている主な料金プランから200円引いたプランが用意される。
具体的には、無料通話分が1万2600円付いたauの“プランLL”の基本使用料は1万5750円だが、オレンジプランの“LLプラン”なら基本使用料1万5540円、NTTドコモの無料通話分が1万1550円付いた“タイプLL”は、基本使用料1万5330円だが、ブループランの“LLプラン”なら基本使用料1万5120円といった形になる。
同様に余った無料通話分の“くりこし”サービスや、auの“MY割”に相当する“自分割引”といった各社の特徴とも言えるサービスも各プランで設定されている。
他社のサービスをそっくりそのままコピーし、さらに200円安く提供する |
また、今回の新プランの登場と同時に“ソフトバンク大創業祭キャンペーン”を今月26日から2007年1月15日までの期間で行なう。この期間内に未発表の新スーパーボーナスに加入することで、以下の特典が提供される。通話料無料をうたう“予想外割”は、厳密に言えば、ゴールドプランと新スーパーボーナス、そしてこのソフトバンク大創業祭キャンペーンの3つを組み合わせたもの。
- 携帯電話機代金の店頭支払い価格から、最大1万500円を割り引き
- ゴールドプラン加入の際に加入初年度より基本使用料を70%割り引き
- 加入月から料金プランの基本使用料を最大2ヵ月無料
- 加入月からパケット定額サービス“パケットし放題”の定額料を最大2ヵ月無料
- 加入月から各種メンテナンスサービス“スーパー安心パック”の月額使用料を最大3ヵ月無料
- 加入月から留守番電話などのサービス“スーパー便利パック”の月額使用料を最大4ヶ月無料
- ソフトバンクマイレージサービスのポイントを4200円相当分、加入後27ヶ月目にプレゼント
- MNPを利用して他社キャリアーからソフトバンクに変更してきた場合、他社キャリアーでの利用年数に応じた基本使用料割引率を適用
この新料金プランは、我々が本気で戦い抜くといった決意の現われ
代表執行役兼CEOの孫正義氏 |
発表会には、代表執行役社長兼CEOの孫正義氏が登場し、同社の今年のキャッチフレーズにもなった“予想外”の各プランに対する説明を行なった。
孫氏はMNPについて「携帯各社にとって運命の日」と語るものの、90%がすぐにキャリアーを移動する気がない、という調査結果を元に、「家族割引など、各社の割引サービスなどが多種多様にわたり複雑で、移るメリットがそれほどない」という点に言及。それを踏まえた新料金プランとして、“オレンジプラン”と“ブループラン”といった2つの新プランを発表した。
オレンジとブルーといった2社のイメージカラーをそのまま使ったプランを説明 |
孫氏はこの2つのプランについて「一言で言うと、他社のプランをマッチングさせて、それより200円引くプラン」と語り、「たったの一行で、我々の料金プランが他社のプランよりも安いことを示している」と説明した。
さらに「どこの何のプランが安いのか、といった議論はもうこれで終わり」と語り、「他社の追従・対抗値下げには24時間以内にさらに値下げを発表する」と力強く言い、「これらは、我々が本気で戦い抜くといった決意である」と語った。
他社の値下げには1日以内に必ず対抗する |
上層部のほんの数人しか知らない極秘プロジェクトだった“予想外割”
次に、今年のソフトバンクはサイクロイドスタイルを採用したシャープ(株)製のAQUOSケータイ『905SH』から始まる“予想外”がテーマとなっており、その予想外の名を付けた“予想外割(ゴールドプラン)”を発表。
通話料無料の予想外割(ゴールドプラン) |
ゴールドプランに関して、通話料、SMSメール代、加入2ヵ月の基本使用料とパケット代が無料、という点について“¥0”と無料を強調したスライドと共に説明した。さらに予想外を用意しているが、26日に店頭で確認してほしい、と言うに留まった。
説明後の質疑応答で「MNP開始日の24日ではなく、それよりも遅い26日にしたのは?」という質問に対して孫氏は、「今回の新プランは、自分と役員数人しか知らない極秘プロジェクトだった。営業マンにも伝えていない。実はこの同じ時間に全国で販売員に対する教育などが行なわれており、その教育が浸透するのが2日後くらいかな、ということで26日に決めた」とコメントした。
「プラカードを持って壇上に立つのは初めて」(孫氏) |