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注目のお店情報は現地の口コミからゲット!? RFIDタグを利用した地域情報の配信実験に参加してみた


2006年12月15日

今月4日に携帯24のケータイニュースにてお知らせした“RFIDリーダー付き携帯電話機による地域情報の配信実験”。今月3日から10日まで、東京都品川区の戸越銀座で地域住民の協力により実証実験が行なわれたが、その第2弾として12日から17日まで神田古書店街として有名な東京都千代田区の神保町商店街で行なわれている。神保町はASCII24編集部がある九段下からは近く、歩いても行ける距離。「実験に参加しない手はない!」とばかりに実験に混ぜてもらった。

地域密着型の情報配信サービスの実現!?

この実験は、日本電気(株)、“明治大学小林正美研究室”、“日本建築学会 ユビキタス建築都市特別研究委員会 都市小委員会(以下、都市小委員会)”、東京・神田地域の5大学、NPO法人神田学会で構成された“インターユニバーシティ神田”と共同で開発された、“RFIDタグとRFIDリーダーを利用して、地域情報に簡単にアクセスできる情報配信システム”を実際に使う、というもの。

システムのイメージ
RFIDタグとリーダーを利用した情報配信システムのイメージ

RFID(Radio frequency identification)タグとは、ID情報を埋め込んだタグから、電波などを用いた近距離の無線通信によって情報をやりとりできる非接触型のICタグのこと。現在、倉庫の在庫管理や物品の履歴(どこ産でどの流通経路を取って入荷してきたか)などでの活用が期待されているが、今回の実験では、そのRFIDタグに入力された位置情報などを携帯電話機で読み取ることで、サーバーにアクセスし、その周辺の店舗情報やイベント情報、口コミ情報などを入手できる。

実験の流れとしては、携帯電話機にRFIDタグを読み取れるリーダーを接続し、街中の街灯などに設置されたRFIDタグにリーダーを近づけることで、地域情報を入手する。古書店街ならではの情報として、書店情報が充実しており、“古書”“新刊”“サブカルチャー”など、目的のジャンルごとに店舗を検索できる。また、RFIDタグには参加者側から口コミ情報として、読み取ったRFIDタグの周辺の情報を入力でき、「あのお店のあのメニューが美味しかった」などの“現地でオススメできる地域情報”を共有できる。

実験の流れ
参加者が気軽に口コミとしてメッセージを残せて、共有できる

さっそく街中を歩いてみる

研究員より携帯電話機とRFIDリーダーを受け取り説明を受ける。実験に使用される携帯電話機はボーダフォン(株)(現ソフトバンクモバイル(株))のシャープ(株)製2G携帯電話機『Vodafone V604SH』。このV604SHにNEC製のRFIDリーダーを接続し、RFIDタグの読み取りはインストールされた実験用のJAVAアプリから行なう。また、同時にGPS機器も渡され、このGPSにより実験参加者の商店街での動きなども観測するという。

実験機
参加者に手渡される『Vodafone V604SH』とRFIDリーダー
CEATEC2004
RFIDリーダーを裏返してみると“CEATEC2004”とあった。2年前のCEATECで出展されたものらしい

今回の実験は神田すずらん通り商店街を中心に、(株)三省堂書店の神田本店や(株)書泉の総合書店“書泉グランデ”をカバーする範囲である“神保町1丁目”にて行なわれた。

実験範囲
この実験範囲内にある街灯にRFIDタグを設置されている
神田すずらん通り商店街
神田すずらん通り商店街。本屋をうろついたり、喫茶店で一服したり、実験時間の大半をここで過ごした

街中の街灯や店舗の壁などに設置されたRFIDタグから、周辺の店舗情報やこれまでの実験で寄せられた口コミ情報を入手していくのだが、商店街を練り歩いてタグを読み取っていくだけでも、何かのアトラクションに参加しているような気分になってくる。軽く横道に逸れたりしたが、やはり古書店街で有名な神田神保町だけあって、口コミ情報は書店情報と飲食店情報がほとんど。

RFIDタグ
街灯にはこのようにRFIDタグを内蔵したボードが貼り付けられていた。靖国通り沿いの歩道は街路樹が多く、街灯が少ないこともあり、店舗の壁に貼ってあることも
タグの読み込み
さっそくリーダーで口コミ情報を読み取ってみる。実験段階ということでかなり近づけないと読み取りできない。ちなみにここのタグにはまだ口コミ情報が入っていなかった
RFIDタグの読み取りは専用アプリから行なう。タグを読み取ると上部の地図に黒い四角で現在地を表示する
店舗情報
タグを読み取ったあと、店舗情報を選択すると周辺にある店舗の場所と店舗説明へのリンクが表示される


口コミを寄せてみる

特に飲食店の口コミ情報を見ていると、各店舗の情報がたくさん寄せられており、非常に食欲をそそる。しかし、筆者はうかつにも実験直前に牛丼の大盛を食べてしまっており、口コミ情報を元にしたこれらの店舗へ立ち寄れなかった。RFIDタグを読み取りながら街を歩いていると、店舗情報に掲載されていない喫茶店“神田伯剌西爾(ぶらじる)”を発見。早速、口コミとして情報を送信することにした。

神田伯剌西爾
靖国通り沿いの書泉グランデのそばにある喫茶店“神田伯剌西爾”。薄暗い店内と木のテーブルと椅子がいい雰囲気のコーヒー専門店だ。苦味のあるブレンドコーヒー“神田ぶれんど”やほのかな酸味のあるブレンドコーヒー“亜米利加ぶれんど”がオススメ

口コミ情報を送信する手順は、まず付近のRFIDタグをリーダーで読み取り、メインメニューから“クチコミ”を選択する。そうするとそのRFIDタグに寄せられた口コミ情報がリストで表示されるので、下にある“○○(RFIDの場所)にクチコミを残す”を選ぶと、メール送信画面が出てくる。口コミ情報は、サーバーで管理するメールアドレスに送信する形で登録され、携帯電話機のカメラ機能で撮影した画像の添付も可能だ。

クチコミを残す
メインメニューから“クチコミ”を選び、最下段にある“書泉グランデ前にクチコミを残す”を選ぶ
メール送信
メール送信画面になるので、スーパーメールを選び、“本文”にクチコミとして載せたい内容を、その場で撮影した画像も添付して情報として送信できる

その後も着々と口コミ情報の送信をしつつ、仕事と私用の境界線がぼやけるほど神保町の古書店街を楽しんだ。なるほど、ぶらりと立ち寄った商店街や観光地などを楽しむのにこのシステムはとても有用かもしれない。

実験への参加を終えて

RFIDタグを求めて街中をさまよい歩いているだけで、実験時間の2時間があっという間に過ぎてしまった。設置されたRFIDタグにはそれぞれ個別の口コミ情報が寄せられており、その情報を読んでいくだけでも楽しく、またその場所に立ち寄ってみたい、と思えるものだった。ただ、口コミとして自由に情報を寄せられるということは、ウェブ上での掲示板でも見られるような悪意のある情報が寄せられる可能性もある。今回は実験ということでそういった情報は見られなかったが、実用化の際には“口コミコミュニティーの登録者以外は情報の閲覧のみ”などの対策が必要かもしれない。

山田さん
取材に協力していただいた明治大学大学院理工学研究科 建築学専攻博士前期過程 建築意匠・歴史研究室の山田浩史さん。半ば飛び入りのような状態での実験参加でしたが、取材協力ありがとうございました

(編集部 飯塚岳史)


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