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【Macworld 2007 Vol.5】アップル重役が語る新製品──「iPhoneにとって日本は重要な市場だが、克服すべき課題も多い」
2007年1月10日
iPhoneの日本進出やサードパーティー展開は?
Macworld Expo/San Francisco 2007で発表された2つの新製品、ネットワークメディアプレーヤー『Apple TV』と携帯電話機『iPhone』について、グループインタビューが行なわれた。
日本のプレスの質問に答えたのは、ワールドワイドプロダクトマーケティング ハードウェア担当バイスプレジデントのデビッド・ムーディー(David Moody)氏と、アップル社ワールドワイドプロダクトマーケティングiPod担当バイスプレジデントのグレッグ・ジョズウィアック(Greg Joswiak、通称、ジョズ)氏。ムーディー氏がApple TV、ジョズ氏がiPhoneについての回答を引き受けた。
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デビッド・ムーディー氏(2006年5月撮影) |
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グレッグ・ジョズウィアック氏(2005年9月撮影) |
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[記者団]
iPhoneは2008年からアジア市場でも発売するという話ですが、この“アジア”に日本は含まれますか?
[ジョズ氏]
iPhoneについては、まずは米国、年末にかけて欧州、そしてアジアについては2008年に展開する計画です。具体的にどの国で発売するといった詳細は、現時点で決まっていません。われわれのフォーカスは、この製品をまず米国市場で成功させるところにあります。
[記者団]
iPhoneが使用するネットワークは、どちらも日本には関係のないクワッドバンドGSMとEDGEなんですよね?
[ジョズ氏]
それも現時点で詳細を話せない理由の1つ。市場を広げていくにつれて、いろいろ細かな問題も出てくるでしょう。例えば日本市場にはGSMのネットワークが存在しません。そのため、もし日本で展開するとしたら、われわれは別のテクノロジーを検討する必要があります。
日本はiPodのマーケットシェアも50%近くありますし、われわれにとって重要な市場の1つです。だからこそ、現段階で製品の技術的詳細を明かすことについては慎重になっています。
[記者団]
もしこの製品を日本市場で展開したとしたら、成功する公算はありますか?
[ジョズ氏]
日本はわれわれにとって非常にいい市場です。iPodは50%の市場シェアで大変成功しています。ソニーのマーケットシェアは20%程度で、パナソニックは9〜10%です。
われわれはこの市場で好成績を収めていて、iPhoneのような製品を投入しても十分うまくやっていけると考えています。日本の顧客は、製品全体としての完成度の高さや、細部に及ぶ品質といった価値を非常に重視してくれるからです。
日本は携帯電話業界にとっても非常に大きく、世界をリードするマーケットでもあります。こうしたことからも、われわれがiPhoneを日本に展開し、成功する上で重要な要素はいくつも見つかりますが、実際に製品を展開するためには、まだいくつか検討しなければならない課題があります
[記者団]
iPhoneではMac OS Xが稼動していると言いますが、Mac OS X用のアプリケーションをユーザーが自由にインストールできるのでしょうか?
[ジョズ氏]
できません。iPhoneはクローズドなプラットフォームです。これにはセキュリティー上の理由があって、コンピュータウィルスなどの侵入を防ぐ上でも重要になります。さまざまな情報を表示するウィジェットについても同様です。
[記者団]
iPhoneはMac OS Xで動作するとされていますが、一体どういう意味ですか? iPhoneのOSは、Mac OS Xのどの程度の部分を再現しているのでしょう。
[ジョズ氏]
iPhoneのOSは、すべての機能を再現した完全なMac OS Xです。もちろん、携帯電話のデザインにあわせて最適化されている部分はある。しかし、Mac OS Xとしての機能はすべて備えています。
スティーブ・ジョブズが基調講演で「他の携帯電話と比べて数年先を行っている」と語っていましたが、それはまさにこのことに触れたものです。
[記者団]
アプリケーション開発の道をデベロッパーに対して公開しますか?
[ジョズ氏]
サードパーティーへの展開は、今のところ考えていません。先のセキュリティーの問題がその理由に当たります。iPodのコンテンツ保護と同様の状況だとも言えるでしょう。われわれの側で用意したソフトを公開することはあるでしょうが、サードパーティー側で用意したコンテンツを提供する予定はありません。
[記者団]
この製品がサードパーティーに大きなチャンスを備えていることも事実ですが。
[ジョズ氏]
iPodと同様のDockコネクタも備えているし、これまでのiPod用アクセサリーで使えるものも多いでしょう。しかし、その一方で、携帯電話機であるということから、いくつか技術的に考慮しなければならないことも出てきます。
例えば、電波を発するような部品があれば、それらをシールドしなければいけない、といったようなことです。ただ、そうした技術的な問題を解決すれば、十分に広いサードパーティーチャンスを与えることができると思っています。
[記者団]
ソフトウェア・アップデートなどの形で、新しいアプリケーションが追加されることはあるのでしょうか?
[ジョズ氏]
その予定です。インターフェースなども含めて、自由に変更ができるはずです。
iPhoneは第6世代のiPod?
[記者団]
スティーブ・ジョブズはこの製品がワイドスクリーンiPodだと紹介したが、第6世代iPodと呼んでいいのでしょうか?
[ジョズ氏]
いえ、これは『iPhone』であり、確かにiPodの機能を丸ごと内蔵していますが、iPodとはカウントしていません。
[記者団]
基調講演ではいくつかのジェスチャーコマンドが紹介されていました。全部で何種類のジェスチャーコマンドをサポートしていますか?
[ジョズ氏]
わかりませんが、あとで必要なだけ追加することが可能です。最も面白いのは、画像の拡大や縮小といったジェスチャーでしょう。
[ムーディー氏]
スクロールもなかなかいいです。
[記者団]
VoIPの機能を追加しないのはなぜですか?
[ジョズ氏]
今のところそうしたニーズを感じないからです。
[記者団]
VoIPと同じくらい残念なのが、GPSを内蔵していない点。Google Mapsを標準装備と聞いた際に、ぜひGPSも内蔵していて欲しいと思った。しかし、iPhoneには多数の有益なセンサーが用意されているにも関わらず、GPSを備えていなかった。
[ジョズ氏]
気持ちはよくわかります。だが、市場ごとに要求が異なるのも確かでしょう。GPSは測位方法などが国ごとによって異なります。
[記者団]
Google Mapsは、携帯電話網であるGSMと無線LANのどちらの接続方法でも使えます?
[ジョズ氏]
どちらでもOKです。無線LANのない場所では、GSMのEDGE接続を利用。無線LANがある場所に移動すると、自動的に高速で通信料もかからない無線LANに接続が切り替わります。
[記者団]
iPhoneから直接“iTunes Store”にアクセスして、音楽を購入できますか?
[ジョズ氏]
現時点では、パソコン上のiTunesでコンテンツを管理し、それを同期転送するというやり方が、最もふさわしいと思っています。iPodと同様です。
ただし、iPhoneでは、連絡先やカレンダー、電子メールのアカウント情報など、iPodよりも多くの情報を同期できます。こうした情報をパソコンと携帯電話の間で同期することは、これまで非常に大変でした。しかし、われわれはこの操作を極めて簡単にしました。
[記者団]
PDFやテキストといった書類も開けますか?
[ジョズ氏]
ほとんどのユーザーの要望に応える仕様になっているでしょう。そうした書類もサポートするはずですが、現時点でこうしたフォーマットに対応するといった詳細を明かす予定はありません。
[記者団]
iPhoneは、アップルが作る製品の価値や審美性といったものを、これまでMacに慣れ親しんでいなかった顧客に伝える上で非常に重要な製品だと思います。その点についてはどうお考えでしょうか?
[ジョズ氏]
その通りだと思います。Macはわれわれに取って最も重要な商品の1つであり、今後も広告などを通して、その魅力を伝えていくつもりです。
見たいコンテンツが見られるApple TV
[記者団] Apple TVのHDD容量は40GBですが、これで十分だと思いますか?
[ムーディー氏]
たしかに一部のユーザーにとっては、この容量が小さく見えるかもしれません。だが、われわれはこれがほとんどの人が満足できる容量だと思っています。なぜならすべてのコンテンツをApple TVに保存する必要はないからです。コンテンツは、パソコン上の『iTunes』で管理するが、すべてをApple TVと同期する必要はありません。
さらにApple TVでは、パソコン上のコンテンツをストリーミング受信して、大型テレビに表示できます。高速な“IEEE 802.11n”規格の通信にも対応しているため、同時発表した新製品の『AirPort Extreme 』(日本名『AirMac Extreme』)と併用すれば、十分なスループットを確保することが可能でしょう。
IEEE 802.11n環境が整っていない場合は、IEEE 802.11g通信でも映像のストリーミングが可能です。コンテンツの転送が大量に行なわれる最初の同期にはそれなりに時間がかかりますが、以後はそれほど待たずに転送できるでしょう。
[記者団]
容量が足りないと感じる人は、内蔵HDDを交換したり、追加したりできますか?
[ムーディー氏]
いいえ、そうしたことは検討していません。
[記者団]
ストリーミング機能の詳細について教えてください。また、通信プロトコルは何を採用していますか?
[ムーディー氏]
ストリーミングは、Apple TVと、パソコン上で動作するiTunesの組み合わせで実現します。対応しているのはiTunes 7。現行のバージョンとほぼ同じものですが、バージョン番号でコンマ1程度のアップデートが行なわれるかもしれません。
プロトコルなどの詳細は、特に明らかにはしていません。Apple TVは、最大1台のパソコンとコンテンツを同期できますし、ストリーミングに関しては5台まで送信側のパソコンを設定することが可能です。
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コンテンツの同期には1台のパソコン(写真左)、ストリーミング元には5台までのパソコン(右)を利用できる |
[記者団]
このストリーミングというのは、パソコン上のコンテンツをApple TVで再生するだけの機能でしょうか? それともApple TVのHDD上にあるコンテンツを他のパソコン上で再生することもできるのでしょうか?
[ムーディー氏]
Apple TVは受信オンリーのデバイスです。他のパソコン上のコンテンツをストリーミング受信することはできても、ストリーミング送信には対応していません。
[記者団]
Apple TVのOSや、その他のハード仕様を教えてください。
[ムーディー氏]
Apple TVは、iPodなどと同様、コンシューマー向けのデバイスで、詳細なハードウェア仕様については明らかにしていませんし、その予定もありません。この製品で重要なのは、「あなたが見たいと思っているコンテンツをちゃんとサポートしているか」であって、その答えは「YES」です。ただ、CPUに関しては、米インテル社製のものを使っています。
[記者団]
映像出力のフォーマットは?
[ムーディー氏]
720pです。ただし、1080iについてもサポートしたいと思っています。
(文/林信行 写真/林信行、MacPeople 雨宮徹)
2007-01-10
9〜12日、米国サンフランシスコにて、Macの展示会“Macworld Conference & Expo/San Francisco 2007”が開催されている。米アップル史上初となる携帯電話機『iPhone』やネットワークメディアプレーヤー『Apple TV』などが発表された。
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