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【Macworld 2007 Vol.9】Mac版の独自機能も! 米マイクロソフトが語る『Office 2008』
2007年1月12日
3年ぶりに新バージョンを投入
米マイクロソフト社は米国時間の9日、インテルMacに最適化されたUniversalバイナリー対応の『Microsoft Office 2008 for Mac』(以下、Office 2008)を今年後半に発売することを発表した。パッケージに含まれる主なソフトは、ワープロ『Microsoft Word』、表計算『Excel』、プレゼンテーション『PowerPoint』、メールクライアント『Entourage』など。
同製品は、デザインし直したユーザーインターフェースと、まったく新しいユーザー体験を実現するという。
新バージョンの開発で、マイクロソフトがもっとも気を配ったのは「直感的であることと、機能を見つけやすくすること」。そう語るのは米マイクロソフトのマッキントッシュ事業部(Mac BU)でグループマーケティングマネージャを務めるシェリダン・ジョーンズ(Sheridan Jones)氏だ。
ジョーンズ氏によれば、Mac OS Xの最新テクノロジーに対応したり、ユーザーから最もリクエストが多いWindows版Officeとの互換性にも最大限の注意を払ったとのこと。例えば、互換性では書類の保存形式にOpenXMLを採用し、Office 2007 for Windowsと完全な互換性を実現できるようになったという。現時点ではそのほか、以下のような新要素が公表されている。
| ソフト |
機能 |
| Office |
ワンクリックで文章の構成要素などを追加できる“Elements Gallery (エレメンツギャラリー)”ツール |
| Office |
ダイヤグラム、表、グラフ、チャート、組織図などを作る
“SmartArt (スマートアート)”ツール |
| Word |
段組みなど、複雑なレイアウトの文書作成に役立つ“Publishing Layout View (パブリッシング・レイアウトビュー)”機能 |
| Excel |
SOHOや一般ユーザーを対象とした財務管理表の作成機能“Ledger Sheets (レジャーシート)” |
| My Day |
Entourageに登録した予定やTo Doリストの内容を1日単位で一覧表示してくれる新しい小型アプリケーション |
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以下、Macworld Expoの会場にて詳細をジョーンズ氏にうかがった。
機能をより見つけやすくする工夫
ジョーンズ氏はまず、米マイクロソフトは今回の新バージョンの開発に当たって、世界中の主要な顧客を訪問したが、その結果、実は80%の機能がユーザーに知られないままでいることがわかったと語った。すでに搭載済の機能を、追加してくれと頼むユーザーも多かったのだ。
そこで新Officeでは、ユーザーが必要としている機能を、より見つけやすくすることに精力を注いだという。
その代表格が、ワンクリックで文章の構成要素などを簡単に追加できる“エレメンツギャラリー”機能。ヘッダーやフッター、カバーページ、表組といった要素を手早く文章に追加できる“Document Parts(ドキュメントパーツ)”機能などもこの一部となっている。これは『Office 2007 for Windows』の“リボンUI”のようなものと考えていいだろう。
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書類の上部/ツールバーの下に表示されているのがElements Gallery。ここから文書に追加したいパーツを書類にドラッグ&ドロップで追加できる |
Office 2008ではこうしたユーザーインターフェースだけでなく、グラフィックエンジンも改良された。新エンジンは“OfficeArt 2.0”と呼ばれ、例えば写真などが床面にうっすらと反射するような画像表現を、『Adobe Photoshop』などの専用アプリケーションに切り替えること無くワンクリックで再現できる。
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アップルの『Pages』や『Keynote』を思わせる反射エフェクトも標準搭載。より多彩なグラフィック表現が可能になった |
Office 2008は、Quartzなど、Mac OS Xに内蔵された機能を最大限に利用するよう設計されている。このため先の反射の映像効果などは(Quartzレンダリングエンジンの機能を使って)瞬時に反映することができるのだ。
Mac版Office独自の機能も用意
Office 2008には、いくつかMacファースト、Macオンリーのフィーチャー(Windows版Officeに先んじて、Mac版に独占搭載している機能)を用意している。
まず1つめはPublishing Layout View機能。新しいMicrosoft Wordが備えており、複雑なレイアウトの文書作成を手助けしてくれる。
例えば、図版のまわりをテキストが回り込む3段組みのような複雑なスタイルの文章はこれまでのWordでも作成できたが、完成までに煩雑な作業や面倒な操作が伴った。
しかし、Publishing Layout View機能の追加で、ドラッグ&ドロップ操作で簡単に写真や図を追加したり、テキストボックスを再配置して、その中に文章を流し込むことができる。異なるページ間にテキストボックスを配置し、その中にひと続きの文章を流し込むことも可能だ。
WordにちょっとしたDTPソフトの機能、それも多彩で操作性も考慮されたものが搭載されたと考えてもらうと分かりやすいかもしれない。
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Publishing Layout Viewwを使えば、これまでDTPソフトなどを使わないと作成が難しかった複雑なレイアウトの書類も手軽に作れる |
これはMac版のOfficeにしかない“Macファースト、Macオンリー”の機能だが、作成した書類はWindows版Officeでも開くことが可能で、開いた場合はMacの画面上とまったく同じレイアウトが再現されるという。
つまりWindows版Officeのユーザーが、かなり苦労しながら作った見栄えのいいレイアウトの書類を、Macユーザーは難なく簡単に作れてしまう、ということでもある。
ウィジェットではない単独アプリ『My Day』
Macファースト、Macオンリー機能の2番目は『My Day』と呼ばれるアプリケーションだ。これはEntourageに登録した予定やTo Doリストの内容を、1日単位で一覧表示してくれる。
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画面の右上にあるウィンドウが『MyDay』。Entourageに登録した予定やTo Do項目を表示したり、逆にMy Dayから予定やTo Doの完了設定、項目の追加することも可能だ |
My Dayの側でTo Doリストの項目をチェックし“完了”と指示すると、その内容は自動的にEntourageにも反映される。
このような情報参照のアプリケーションは、Mac OS XにおいてDashboardウィジェットの形で提供されることが多い。しかし米マイクロソフトが大勢のユーザーの生の声を調査したところ、多くのユーザーは予定やTo Doの情報を、現在使っているほかのアプリケーションと同時に利用したがっていることがわかったという。
Dashboardは専用画面を呼び出して、アプリケーションを使い終わると画面を隠すという利用スタイルなので、デスクトップに常駐できず、他のアプリケーションと同時に使えないのだ。
関数を学ばず、楽に財務管理
Macファースト、Macオンリー機能の3つ目は、一般的な財務管理を行なう“Ledger Sheets”機能。
Excelでは、今日でもセルに関数などを埋め込むことで、口座の残高確認や投資ポートフォリオの管理、小切手口座の残高管理といった財務管理を行なえる。しかし、今日のパソコンユーザーの多くは自分で関数などを書くことができない。
そこでマイクロソフトでは、一般ユーザーにも役立つ財務管理用のワークシートをあらかじめ数種類用意する方針を取った。これらのシートを使い、書式に従って出費額や購入製品といった情報を入力するだけで、自動的に求めている財務情報が計算され表示される。
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Ledger Sheetsは、一般的な財務関係の書類テンプレート。通常の書類と違うのは関数などもあらかじめ埋め込まれていること。難しい関数機能を勉強したくない人には至って便利 |
既存Officeとの互換性も考慮
このようにOffice 2008でも、これまでのOfficeでも、同じ書類は作れるのだが、Office 2008のほうが同じことをより簡単に行なえ、さらに便利な機能が目につきやすいところに置いてあるという点で優れている。
ジョーンズ氏も、新Officeの特長について「同じ作業をより簡単かつ効率的に実現できること、Macらしい視覚的に美しいインターフェースを通して直感的な操作を実現していること。そしてOfficeの潜在的な能力をこれまで以上に可視化している点が大きな特長」とコメントしていた。
もっともジョーンズ氏は、「Office 2008のリリースは今年後半であり、ここで紹介した機能は、Office 2008の豊富な新機能のほんの一部に過ぎない」とも付け加えていた。
さて、既存のOfficeユーザーとして気になるのは、Office 2004 for MacやOffice 2007 for Windowといった現行製品との互換性だろう。現行Officeで、OpenXML書類を開きたい時にどうすればいいのか。
シェリダン氏によれば「マイクロソフトは春頃までに、3種類の書類形式コンバーターを公開β版として提供する予定」だという。このソフトのインストールすると、Office 2004のアプリケーションにOpenXMLの書類を開いて自動変換する機能が加わる。コンバーターの最終版は「Office 2008のリリースから2カ月以内に提供予定」だという。
シェリダン氏は、「Office 2008はOffice 2007 for Windowsと同じファイルフォーマットを持ち、“Office Art 2.0”という同じグラフィックエンジンを搭載してはいるが、Macならではのユーザー体験を実現し、より多くのMacユーザーの趣向により沿った形での機能提供をしている」と語る。
ちなみに、Office Art 2.0など、一部のWindows版と同じソースコードに基づいて作られたものを除き、ほとんどの機能はMac版のために新規に作り起こされたという。
Windows版と競合しない?
ところで、今日では『Parallels Desktop』や『BootCamp』といったソフトを通して、MacにWindows環境をインストールしているユーザーが存在する。
つまり、ユーザーに取ってWindows環境にWindows版のOfficeをインストールして使うという選択肢も生まれたわけだが、この点についてマイクロソフトはどう考えているのだろう。
ジョーンズ氏によれば、「調査の結果、多くのユーザーがMac環境でネイティブに動作する、よりMacらしい使い心地のOfficeを求めていることがわかった」とのこと。
「中には会社ではWindows版、自宅ではMac版Officeを使うユーザーもいるかもしれない。このように2つのOffice環境を行ったりきたりするユーザーでも混乱しないように、Mac版Officeでは、Macらしい操作を実現する一方で、Windows版との操作の一貫性や相似性も実現した」と語る。「両方を同時に使っていても混乱することはないだろう」とはジョーンズ氏の弁だ。
ブースではOffice 2008を日に2回デモ
この取材とは別に、Macworld Expoの展示会場における米マイクロソフトのブースを訪れてみたが、Office 2008はまだ展示はされていなかった。しかし、1日に2回だけ先行プレビューのデモンストレーションが行なわれており、大勢のユーザーが人垣を作っていた。
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米マイクロソフトブースの展示は、現行製品であるOffice 2004 for Macの紹介が中心となっている |
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米マイクロソフトのブースで1日に2回行われているOffice 2008の先行デモでは、プレス向けインタビューでは紹介していない新機能も紹介されていた。写真のノートレイアウト機能もその1つ。現行Officeにもノート表示機能はあるが、新Officeでは、さらに多彩なノート表示のレイアウトを選べる |
プレゼンテーションの中には、Office 2008のβ版を導入している企業のユーザーによるプレゼンテーションも行なわれ、Office 2008 for MacとMac OS X付属のAutomator機能を使っていかに提携作業を自動化できるか、といった事例紹介も披露された。
アップルの次期Mac OS X “Leopard”同様、Office 2008にも、「まだしばらくは秘密の機能」が数多く用意されているようだ。そうした機能は、今年後半のOffice 2008発売日に向けて、少しづつ明らかになっていくことだろう。
(ITジャーナリスト 林信行)
2007-01-10
9〜12日、米国サンフランシスコにて、Macの展示会“Macworld Conference & Expo/San Francisco 2007”が開催されている。米アップル史上初となる携帯電話機『iPhone』やネットワークメディアプレーヤー『Apple TV』などが発表された。
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