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ガンダムが、マリオが、ナウシカが、六本木・国立新美術館に堂々出現!!


2007年1月22日

六本木アートトライアングルの一角をなす国立新美術館で
文化庁メディア芸術祭10周年企画展“日本の表現力”が開幕

国立新美術館
21日にオープンした国立新美術館。六本木にランドマークがまたひとつ増えた。六本木ヒルズ同様、東京の観光スポットになるのだろうか?

文化庁が1997年から行なっている、メディア芸術の振興を目的とした祭典“文化庁メディア芸術祭”の10周年を記念する展覧会、文化庁メディア芸術祭10周年企画展“日本の表現力”が21日に開幕した。主催は文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・CG-ARTS協会)と国立新美術館。会場となったのは同日、六本木に新たにお目見えしたナショナルギャラリー“国立新美術館”。オープン前日の20日にはプレス・関係者を集めた内覧会、オープニングレセプションが行なわれた。

“日本の表現力”は、デジタルアートからゲーム/ロボット/アニメ/マンガまで、幅広い“日本のメディア芸術”を展観するもので、これらメディア芸術の過去、現在、未来の3つの視点から構成されている。



1950年代から2000年以降までの
メディアアートを年代別に展望

メディア芸術10年を区切る展覧会
メディア芸術10年を区切る展覧会が開幕した

前半の導入部では、縄文から江戸に至るまで、現在のメディア芸術の源流ともいうべき、日本古来の表現文化が生み出した作品を紹介する“表現の源流”が展示されていた。

“鳥獣人物戯画巻甲巻”(マンガ)、“写し絵”や“のぞきからくり”(アニメーション)、からくり人形の“弓矢童子”(ロボット)、“光琳かるた”(ゲーム)といったものが紹介されていた。明珍宗察 作の“自在龍置物”は龍の首や手足が動かせるもので、現代のフィギュアに通ずるものがある。

1950年代のコーナー
ゴジラの姿がひときわ目を引く1950年代のコーナー
ガンダムが鎮座
あえて言おう、ここはバンダイミュージアムではない。“美術館”。それも“国立”なのだ

続いては、2006年7月13日から8月31日までの50日間、ウェブでの一般アンケートと専門家から投票を受け付けた“日本のメディア芸術 100選”で選出された作品群を中心に、1950年代から2000年代に至るメディア芸術の軌跡を、その時代の背景とともに年代別に紹介する“日本のメディア芸術1950-2006”が展示されている。

ゴジラの着ぐるみがひときわ目立つ1950年代には“白蛇伝”の映像が流され、“鉄腕アトム”が放送された1960年代、“機動戦士ガンダム”と“太陽の塔”(岡本太郎 作)が登場した1970年代、1980年代には“スーパーマリオブラザース”(任天堂)や“風の谷のナウシカ”(宮崎 駿 監督作品)が新しい時代の息吹を感じさせた。

そしてコンピューターやインターネットの登場でクリエイティブのデジタル化がスタートした1990年代を経て、2000年代にはネットワークによる新たな表現方法の時代となる。アニメをはじめとして、さまざまな分野でデジタルによるクリエイティブ表現が普及した2000年代が最後に紹介されていた。

現代最先端のメディアアートを一堂に!

後半は、今まさに活躍中の日本のメディア・アーティストの作品を一堂に会した“未来への可能性”となっていた。

“1000 Deathclock in Paris”
“1000 Deathclock in Paris”
“1000 Deathclock in Paris”宮島達男+立花ハジメ (C)宮島達男+立花ハジメ+(株)ティー・ジー・エイ 氏名、生年月日、死亡希望日を入力して作品に参加し、生と死の意味を考えてもらう、という宮島氏の“1000 Deathclock in Paris”に、立花氏がネットワークデザインを行なったコラボ作品。今回はRFIDによるDeathclock IDタグ(事前登録)に一度入力データを記憶すれば、MacBook Proに接続されたリーダにかざすだけで、いつでも作品に参加できる
“FragMental Storm 07(新バージョン)”
“FragMental Storm 07(新バージョン)”exonemo (C)エキソニモ いつもユニークな作品を見せてくれるエキソニモは、ユーザーが入力したキーワードでウェブサイトを検索し、見つかったデータをバラバラに画面に表示するソフトウェア“FragMental Storm”を出品。過去作品ながら、今回は最新バージョンを公開した。FragMental Stormはダウンロードして遊ぶこともできる
“GLOBAL BEARING”
“GLOBAL BEARING”平川紀道 (C)平川紀道 緯度と軽度で現在地を定義し、地面に向かって延長されたシャフト軸はそのまま地中を突き抜け、地球の反対側に到達する。スクリーン上にはバーチャルな地球が示され、足下に広がる広大な球体=地球を大いに意識することができる

“クィーン・マンマ”(ヤノベケンジ+三宅一生 作)がモニュメントのように迎えるそのスペースには、歴代のメディア芸術祭受賞作品も含め、“かんじる”、“つながる”、“うごく”、“かたちとしかけ”の4つの視点で選びだされており、それらの作品を通じて、日本のメディア芸術の未来を展望するものとなっていた。

“ランドウォーカー”
“ランドウォーカー”
“ランドウォーカー”榊原機械 (C)Sakakibara Kikai Co.,Ltd. All rights reserved 「いつか自分で操縦できるロボットに乗りたい!」をコンセプトに製造されたリアル体感アクションゲームロボット。ボールを射出する銃も備えており、遊び心満点。摺り足での低速二足歩行により、『遊具』としての安全性も実現している。人が歩いた方が速いというのはご愛嬌?
“Tablescape Plus”
“Tablescape Plus”筧 康明/苗村 健/松下光範 (C)Yasuaki Kakehi+Takeshi Naemura+Mitsunori Matsushita テーブルの水平面とその上に置かれ、キャラクターの映像が映し出されたオブジェクトを参加者が実際に動かすことで、キャラクター同士が多様な振る舞いを展開する。奥にある森の後ろに置くと森の中に入っていたり、キャラクター同士を向かい合わせるコミュニケーションしたりと、ストーリー性が感じられるインタラクティブアートだ
“Lake Awareness”
“Lake Awareness”
“Lake Awareness”モリワキヒロユキ (C)モリワキヒロユキ 一枚一枚にマイコンのプログラムを搭載した基板を3,000枚も連結して、すり鉢状に組まれた作品。基板に搭載された光が人の動きに反応して、ひとつの有機体のように変化する
“fuwapica suite”
“fuwapica suite”Masaki Yagisawa + MONGOOSE (C)MONGOOSE 振れたり、腰掛けたりして圧力をかけると、圧力の違いによって光の加減や色が変化するチェア。新作の二人掛けの“fuwapica bench”は二人で座るとその二人の親密度によって、光が次第にピンク色に変わっていくという特徴をもつ

会場内には特設シアターが設置され、連日歴代のメディア芸術祭受賞作品から厳選して上映する“歴代受賞作品セレクション”などの映像イベントが開催されている。このほか、今月26日にはパネリストに演出家のテリー伊藤氏、アニメーション監督の富野由悠季氏、漫画家の井上雅彦氏をむかえたシンポジウム“メディア芸術って何?”が行なわれるなど、トークセッションやライブなど、期間中にはさまざまなイベントが催される。

掲載当初、シンポジウム“メディア芸術って何”の日付が23日とありましたが、正しくは26日です。お詫びして訂正いたします。(2007年1月24日)

“hanabi”
“hanabi”nendo (C)nendo Inc. 建築・インテリアをメインに最近では携帯電話のデザインも手がけるnendoの作品。熱処理した形状記憶合金により、点灯時の電球の熱やによって、部屋の気温や湿度、人によるわずかな空気の動きに、開いたり閉じたりする照明器具
“KAGE 2007”
“KAGE 2007”minim++ (C)minim++ スクリーンに設置された円錐に触れると、それをキッカケに、そこに投影されたCGによってたくみに作り込まれた偽物の“影”が反応し、予想もしない動きを見せる。鑑賞者の目を見事に欺くと同時に楽しさも感じられる
“クィーンマンマ”
“クィーンマンマ”ヤノベケンジ+三宅一生 (C)Kenji YANOBE イッセイミヤケとのコラボレーションで生まれた作品。新店舗のために制作されたもので、更衣室の機能を持つ。母胎の様な室内で着替えることにより意識の変容を促し、生まれ変わる自分を発見する。
“イエス☆パノラーマ!”
“イエス☆パノラーマ!”タナカカツキ (C)タナカカツキ ほのぼの、ゆったりとした田園風景の映像が360°のスクリーンに展開される作品。腰を屈めて中に入れば、一瞬、草原にいるような感覚に浸れる。

東京・六本木の新名所に落ち着くか、
アートや文化の新発信基地になるか?

会場となった国立新美術館は、国内で5番目にして最大規模のナショナルギャラリー。通常の美術館とは異なり所蔵作品を持たず、常設展示も行なわない。同時に10の展示が行なえる展示スペースを持った“企画展を中心とした施設”だ。オープニング展示は“日本の表現力”展のほかに、開館記念展“20世紀美術探検”と“黒川紀章展”が行なわれている。

まるで空中レストラン
まるで空中にしつらえられたようなレストラン。このほか、地下1階まですべてのフロアにカフェがある

施設建物は建築家・黒川紀章氏の設計によるもので、外観は大波がうねるようなガラスのファサードが印象的で、コーンの形状をしたガラスの正面エントランスがあり、3階までの吹き抜けとなった開放感のあるパブリックエリアには、コーンを逆さにした2つの構造物があり、その上部には2階にカフェ、3階にはPAUL BOCUSEのレストランがある。

この国立新美術館に3月にオープンする東京ミッドタウンの“サントリー新美術館”、そして六本木ヒルズにある“森美術館”の3館で“六本木アートトライアングル”として、六本木の新しいシンボルとなる。

名称
文化庁メディア芸術祭10周年企画展“日本の表現力”
会期
2007年1月21日(日)〜2月4日(日)(入場無料)
会場
国立新美術館(東京・六本木)(http://www.nact.jp/)
URL
http://plaza.bunka.go.jp/ex/
主催
文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・CG-ARTS協会)、国立新美術館
問い合わせ
CG-ARTS協会内“文化庁メディア芸術祭事務局”

(千葉英寿)


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