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JEITA、秋草会長らによる定例会見を開催


2007年2月14日

(社)電子情報技術産業協会(JEITA)は14日、東京都内にてJEITA会長の秋草直之氏(富士通(株)代表取締役会長)らによる定例会見を開催した。

JEITA会長 秋草直之氏
JEITA会長 秋草直之氏(富士通(株)代表取締役会長)

冒頭、秋草会長により国内電子工業の動向についての概況が説明された。まず薄型大画面TVやビデオカメラを代表とするAV家電については堅調であるものの、携帯電話機はナンバーポータビリティの施行にも関わらず、出荷台数増などの効果は「あまり見られていない。マーケットを活性化するには至っていない」と厳しい見方を示した。

パソコンについては、4年ぶりの前年割れという2006年通年の出荷実績がすでに発表済みであるが、Windows Vista登場後の動向については、家庭向けの出荷については順調に伸びている一方で、企業向けについては慎重に見ている企業が多いとし、企業向けパソコンの出荷が伸び悩んでいる状況をうかがわせた。質疑応答にてその理由をたずねられた秋草氏は、理由のひとつにVistaでの一部字形の変更にともなう対応について、企業システムの更新に要するコスト負担を誰がどう行なうかといった問題が解決されていない点を挙げた。そのうえで、こうした問題が解決されれば、急速に伸びてくるとの見方を示している。

会見では主に、最近のJEITAの活動の中でも重要な活動を3点取り上げて、概況についての説明が行なわれた。まずJEITA専務理事の金子和夫氏により、“国際標準化への戦略的取り組み”についての説明が行なわれた。国際的な標準規格を制することが、その分野での成功の鍵を握る大きな要素であるのは自明であるが、JEITAではこれを積極的に行なっている。中でも緊急の課題として挙げられたのは以下の4点である。

電子実装技術に関する標準化(IEC TC91)
欧州のRoHS規制、日本のJ-Moss規制などを踏まえて、鉛フリーはんだを使った実装に関わる国際標準化を主導。鉛フリーはんだそのものの標準化から、実装条件や試験方法、表示の標準化など多岐に渡る。
電子タグに関する標準化(ISO/IEC JTC1/SC31)
電子タグ(RFIDタグ)に関する標準化。タグそのものと、タグを用いるアプリケーションの標準化の2側面がある。日本では官民挙げての盛んな取り組みが行なわれており、日本発の国際規格も成立している。
環境問題に関する標準化(IEC TC111)
電気・電子製品に含まれる有害化学物質や、環境に配慮した設計などに関して標準化を行なう。標準化機関であるIEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)での議論について、日本が議長国を引き受けて議論を主導している。
ナノテクノロジーに関する国際標準(IEC TC113)
新設されて間もない分野。3月にはドイツにて第1回の会合が開かれる予定。配付資料では“電子グレードカーボンナノチューブの純度評価”“マイクロ〜ナノ領域にまたがるナノサイズインターフェースデバイス”などがテーマとして挙げられているとしている。

これらの分野に重点を置いて取り組むほか、日米欧での民生用電子機器の標準化に関する取り組みや、日中韓での標準化に関する協調会議体の設置など、海外との連携についても取り組んでいるとしている。

会見でのもうひとつのトピックが、2006年12月に総務省から公表された“情報システムに係る政府調達の基本指針(案)”に対する意見書についての説明である。

総務省から公表された案は、情報システムを政府機関が調達する際の目安となるもので、基本的には透明性と公平性を確保しながら、調達コストを低減するための方針の案である。これを叩き台として産業界等から意見を受け付け、実際の指針として政府調達に反映させるための議論が行なわれることになる。JEITAでは業界としての意見書を、1月18日に総務省に提出したという。

秋草氏は総務省案について、「受注する側から見ると、いろいろな問題がある」として、“業界全体の死活問題”に関わると強い懸念を表明した。特に秋草氏が指摘したのは、総務省案が提示している“分離調達”についての意義と、これによって受注者側にリスクが偏る状況がさらに強まるのではという懸念であった。情報システム開発では、あいまいな仕様や仕様変更による開発期間とコストの増加がよく見られるが、コスト増のしわ寄せを受注者側が被るケースは多い。まして分離調達ともなれば、複数の受注者間のシステムをいかに連携・統合させるかが大きな問題となるであることは、想像に難くない。

秋草氏はこうした現状を踏まえたうえで、発注者と受注者の間での責任分担を明確化する必要性と、リスクの公平な分担が必要であることを主張した。

(編集部 小西利明)


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