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【一足先に目撃!!】薄く! 軽く! 長時間!! すべてが改良された最新VAIO type T『VGN-TX90PS』に迫る

2005年08月30日 21時52分更新

文● 永島和夫

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話題の新製品を、編集部が入手した直後に各部の写真で一足先にレポートする“写真で見る話題の新製品 【一足先に目撃!!】”。今回は、30日に発表されたばかりのソニー(株)のノートパソコン“VAIO パーソナルコンピューター type T”VAIOオーナーメードモデル『VGN-TX90PS』のファーストルックをライターの永島和夫氏が紹介する。

新型のVAIO typeT。写真は限定カラーの“プレミアムブルー”30日に発表されたばかりのVAIO typeT『VGN-TX90PS』。写真は限定カラーの“プレミアムブルー”だ

VGN-TX90PSは、ソニースタイル・ジャパン(株)のECサイト“ソニースタイル”や“電話でお買い物窓口”、一部の特約店でのみ扱われるモデルで、一般店頭モデル『VGN-TX50B/B』と比べ、CPU/メモリー/OS/光学ドライブなどが選択できる。また本体カラーは、一般店頭モデルのブラックに加え、オリジナルカラーのホワイトや、限定1000台の“プレミアムブルー”も選択できる。発売は9月24日の予定だが、ソニースタイルでは一足先に8月30日午後にプレミアムブルーを含めた“先行予約エントリー”を開始した。

新type Tの詳しいスペックはこちらの記事を参照してほしい。type Tの2004年秋冬モデルVAIO type T『VGN-T90S』を使用する筆者が特に注目したポイントは、以下の7点だ。

150g軽くなったボディー
ボディー全体が軽量化され、重さが夏モデルの『VGN-T92PS』(以下、旧機種)の1.40kg(FeliCaポート搭載時。カーボンブラックを除く)から1.25kgになった。軽量化 には、筐体の素材をマグネシウム合金からカーボンに変更したこと、光源に白色LEDを使用するなど液晶ディスプレーの構造を見直したことなどが貢献したという。なお、本体のサイズは、幅272.4×奥行き195.1×高さ28.5(最薄部21)mmで、従来よりも最厚部で6.5mm、最薄部で4mm薄くなっている
バッテリー駆動の長時間化
標準バッテリーを使用した場合のバッテリー駆動時間が、旧機種の約8.5時間から約9時間へと長時間化。ディスクが入っていない時に光学ドライブの電源供給を自動的にカットするなど、消費電力を最適化するために数々の技術が内部に詰まっている
大容量バッテリーをオプションで用意
旧機種にはなかった大容量バッテリー『VGP-BPL5』(3万9800円(※1))をオプションで用意。バッテリー駆動は最長で14.5時間だ(※2)
横方向に大型化された液晶ディスプレー
液晶ディスプレーの解像度は、旧機種の1280×768ドットよりも横方向に大きな1366×768ドット。ハイビジョン対応液晶テレビと同じ16:9の縦横比なので、DVDの映画も画面いっぱいに表示できる。また、表計算ソフトを幅広く使ったり、縦型表示のランチャーソフトを常駐させたりする時も使い勝手が向上した。なお、グラフィック機能もチップセット内蔵ながら、一世代新しいインテル グラフィックス・メディア・アクセラレータ 900を採用し強化。液晶ディスプレーの光源も従来の蛍光管から白色LEDに変更され、気になるチラつきもなくなっている
Bluetooth 2.0対応
アダプターなしに接続できるBluetooth対応ワイヤレスマウス『VGN-BMS30』(6980円)をオプションで用意する。またBluetooth対応ヘッドセットを別途用意すれば、インターネットフォンやコミュニーションソフトでの音声チャットなどがワイヤレスでより快適になる
2.4GHz/5GHzの無線LAN(IEEE 802.11a/b/g)に対応
普及が進み混雑が目立つ無線LANの中で、利用頻度が少なく比較的快適に使えるIEEE 802.11aにも対応(旧機種はIEEE 802.11b/gのみ)。さらにIEEE 802.11aは従来のものと5月から使用が始まった世界標準の周波数に対応し、新旧のどちらのアクセスポイントに対応する
SD/MMCメモリーカードスロットを装備
メモリースティックスロットに加えて、SD/MMCメモリーカードスロットを装備。アダプターなしで読めるメモリーカードの種類が広がり、利便性が高まった
※1 バッテリー、マウス、ケースといったこの記事で紹介するオプション製品のカッコ内の価格はソニースタイル販売価格(送料別)

※2 Pentium Mプロセッサー753、メモリー512MB搭載時。JEITA測定法v1.0準拠の同社測定値

【お詫び】バッテリー駆動時間について当初Pentium Mプロセッサー773搭載時と記載しましたが、メーカーよりPentium Mプロセッサー753と訂正がありました。お詫びして訂正いたします(8月31日)

カーボン繊維が見える半透明塗装の“プレミアムブルー”

それでは早速、写真でその外観を紹介しよう。


今回用意される3色 プレミアムブルーの天板アップ
今回用意される3色。左から、ブラック、ホワイト、プレミアムブルー。一般 店頭ではブラックのみ取り扱われる。ホワイトとプレミアムブルーは限定色だカーボン素材が半透明に透けて見えるプレミアムブルーは限定色。写真の天面はマルチレイヤーカーボンファイバーを、底面はカーボンモールドを採用している
今回用意される3色2 今回用意される3色3
液晶ディスプレーを開いた状態の3色。中央のホワイトは、パームレストや液晶ディスプレーのフレーム部分が天面と同じ白色になっている。ブラックとプレミアムブルーは、パームレストがシルバーで、液晶周りはそれぞれ濃いグレーと濃いブルーだ側面から見た各色の違いはご覧のとおり。ホワイトのみ、側面、写真に映っていないが、底面も天面のカラーと同一だ。そのほかの2色は、キーボード搭載面と側面のキーボード側の半分がシルバーで、側面の残り半分と底面は天面のカラーと同一。なお、ホワイトの存在感が大きく見えるが、サイズに違いはない

薄・軽・スタミナの新開発ディスプレー


天面
プレミアムブルーの天面。旧機種のブルー(ミッドナイトブルー)の天板はシボ加工が施されていたが、こちらはなめらかな手触りだ。なお写真は開発中のものであり、実際の製品とは異なる場合がある
左側面 左側面
左側面にはUSB 2.0端子、PCカードスロット(type II)、排熱口と端子カバーがある左側面のパームレスト側のカバーを開けると、モデムポートと2つめのUSB端子がある
右側面 背面
右側面には、光学ドライブと外部ディスプレー端子を装備する。詳しくは後述するが、背面のバッテリーの出っ張りも少ない背面にはIEEE 1394とACアダプター入力、ネットワークコネクター(100BASE-TX、10BASE-T)がある。ネットワークコネクターはカバーがなくなり、素早くケーブルの抜き差しが可能になった
前面 底面
前面にはメモリースティックとSDメモリーカードスロットを装備する。また、音量調整ボタンやヘッドホン、マイク端子がある。この角度で見ると、ディスプレー部分の薄さが特に際立つ底面は、旧機種よりも通気口が増えて、メモリーなどオプションモジュールを装着するためのインターフェースがついた
プレミアムブルーの各面
【お詫び】記事公開当初に掲載した「マルチレイヤーカーボンファイバーの右下隅の写真」に関して、ヒンジ部のビスは最終品ではなく、「製品では形状/デザインとも天板になじむものになる」とメーカーから連絡がありました。そのため、現在は削除しております。お詫びして訂正いたします(8月31日)
このカットで液晶パネルの薄さがわかるだろうか
このカットで液晶パネルの薄さがわかるだろうか。薄さの秘密には、LCD背面に基板を置くことをやめ液晶下に配置し、さらに光源も薄型を実現できる白色LEDを採用したことがある。薄くなった天面には、マグネシウム合金を採用した場合と比較して約3割軽量で約2倍の剛性があるマルチレイヤーカーボンファイバーを採用したり、液晶ディスプレー部の構造を変えることで強度を確保した。旧機種で液晶割れの直接的な原因となっていたLCD背面の部品を排除した“フルフラット構造”に変更したり、ストレスの集中を防ぐ“ネジなし固定”を採用したり、ねじれに強く割れにくい“薄型LCDガラス”を搭載することなどで、旧機種に比べて液晶表面の加圧強度は230%に向上しているという

贅肉が削ぎ落とされスタイリッシュに


新旧比較 新旧比較
向かって左が新機種、右が旧機種。大きさにはそれほど違いはないが、液晶ディスプレーが大きくなった分、相対的に液晶まわりのフレームの幅が細くなり、デザインの直線基調がさらに強められた。さらに、液晶まわりのカラーリングの工夫により、新機種は贅肉を落としてシェイプアップした印象を受ける。キーボード搭載面は、キーボードの位置やカラーなどが異なる。また新機種は、キーボード搭載面のヒンジよりに横に長いスピーカーを配置し、パンチングメタルに覆われている。旧機種のスピーカーは前面の、それも下側に向けて配置され、ユーザーの耳には反射音しか届かなかった。それを改良した新機種は、旧機種よりもサウンドをクリアに再生できる
新旧比較 新旧比較
向かって左が新機種(プレミアムブルー)で、右が旧機種(ミッドナイトブルー)上段が旧機種で下段が新機種
旧機種でデザイン的に目立っていたバッテリーの出っ張りは、大幅に小さくなった。なお、写真の新機種が装着しているのは標準バッテリー『VGP-BPS5』。こちらの連続駆動時間は最長約9時間と従来よりも若干長くなっている。このほか、さらに長い14.5時間駆動できる大容量バッテリー『VGP-BPL5』も別途販売される(VAIOオーナーメードモデルでは付属バッテリーとして選択可能)。実際の使用では残量ゼロまでバッテリーを使い切ることはあり得ないため、発表された連続駆動時間よりも少し短い時間が実用範囲。元々9時間もあれば、少し短くなってもかなり“使える”印象だ
新type Tのキーボード キーボード新旧比較
新type Tのキーボード(87キー)カーソルキーは独立している。type Tのキーボードの利点としては、よく使うCtlrキーが左下であることだが、それも踏襲している。Ctrlキーを多用するユーザーは、ノートパソコンを選ぶ際はキー配置に注目だ左から、新機種のキーボード、筆者所有の旧機種のキーボード。夏モデルのキーボードはクラシカルなデザインだった。新機種のキーボードは好き嫌いの分かれるデザインだが、キートップの面積が大きくなるなどの実用的なメリットがある
キーピッチは約17mmでキーストロークは約1.7mm。この値は夏モデルと同じだが、デザインが台形からよりフラットな形に変更され、その結果キートップの表面積が一回り大きくなった。新機種のキーボードは、type Tの夏モデルよりも、先代の“type TR”シリーズに似た印象だ
キーボード新旧比較
タッチパッドは、ドットパターンのアクセントがあるが、実際にはフラット。パームレストとの段差も少なくなっている。タッチパッドの右脇には、FeliCaポートを搭載する。Bluetooth通信機能の使用時にはFeliCaポート下部に青色LEDが点灯する

AV機能もブラッシュアップ


小型記録メディアのスロット
VAIOのノートパソコンは、ごく一部を除いてメモリースティックスロットを備えているが、今回の新type TはSDメモリーカード/MMC対応のスロットも装備し、さまざまなメモリーカードをアダプターなしに使えるようになった。また、メモリースティックスロットも著作権保護技術“マジックゲート(MagicGate)”対応となり、マジックゲート対応メモリースティックを利用して著作権保護対応の楽曲をオーディオ機器とやりとりするといったことも可能だ
電源ボタンやDVD操作キーは、旧機種と同じ場所。今回からAVモードボタンが新たに加わり、電源OFFやスタンバイなどからすぐにDVDの視聴などが可能になった
光学ドライブ
光学ドライブは右側面に装備する。モデルによって、コンボドライブか2層書き込み対応のスーパーマルチドライブが装着される。電力の消費を抑える工夫として、ディスク未挿入の状態ではドライブの電源が自動的にOFFになる新機能を搭載。バッテリー駆動時間の向上に役立っている
新機種の画面 新旧比較
新機種の画面上段が新機種の画面で下段が旧機種の画面
液晶画面がワイド化し、横が1366ドットとなった。Microsoft Excelを開いた状態では、一度に表示されるセルが旧機種種はQ列まで、新機種はR列までと、横に1列多くなっている。16:9の縦横比なので、DVDの映画も画面いっぱいに表示できる(表示では画像縮小の関係で新機種のほうが小さく見えるが、実際には縦は同じで、横方向のドット増加分だけ新機種の液晶が大きい)
使用イメージ VGP-CKTK1
どんな場所でもスタイリッシュに使用できるノートパソコンが新type Tだ。会議の席などで利用した場合、ワイド液晶を採用した横長のボディーは使用時に向かい合った人に対して威圧感がなく、その上、自分も快適なワイド画面を使用することができるという一石二鳥の組み合わせ。さらに、長時間駆動により、ACアダプターは夜間の充電のみ使用し、普段は邪魔なACアダプターのケーブルなしで使い続けられるソニースタイルでのみ販売される本革製のキャリングケース『VGP-CKTX2』(1万4800円)。パンチングレザーでtype Tの軽快感を表現。クッションや芯材など7層による頑丈な構造で、デザインだけでなく保護性も増す


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