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話題騒然のモバイルパソコン『VAIO type U』の開発者に聞く
2006年7月19日
より小型に、より気軽に
HDDレスで、ワンセグチューナーを搭載した“ゼロスピンドルモデル”も登場し、さらなる盛り上がりを見せている“VAIO type U”。その開発コンセプトについて、ソニー(株)VAIO事業部門で、type Uのプロジェクトリーダーを務めた鈴木一也(すずき かずや)氏にお話を伺った。
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type Uプロジェクトリーダーの鈴木一也氏 |
コンセプトが決まるまでが大変だった
[編集部]
発表資料には、文庫本サイズとあります。このサイズに決めた理由を教えてください。
[鈴木]
実は開発当初は、パスポートサイズを目指していたんです。しかし、これではキーボードが小さくなりすぎてしまうため、現在のサイズに落ち着きました。こだわった点としては、奥行き(短辺の長さ)を短くし、片手で気軽につかんで持ち上げられるようにすること。両手で持たなければならなかった従来機よりも、気軽に手に取れるので“心理的な持っていきやすさ”が向上していると思います。サイズに関しては、文庫本を目指したというよりは、結果的に文庫本に近いサイズになったというほうが正確かもしれませんが、文庫本は片手で持った際の扱いやすさを念頭に入れてあのサイズになっているわけで、根っこにあるのは同じ考えなのではないかと思います。
[編集部]
キーボードを載せたことで、デザインも従来機(VGN-U50)とずいぶん異なる印象になりましたね。
[鈴木]
(VGN-U50を指差しながら)もちろん、ベースはこれなんですよ(笑)。最初はとにかく不満を探し出すところから始めて「角が手に当たるよね」とか、「スティックポイントが滑って使いにくいね」とか、「キーボードがないのはちょっと……」など、いろいろとダメ出ししました。最終的には「左右の手で握って、キーボードを親指で押す」というスタイルに落ち着きましたが、この形にまとめるのにはかなり長い議論を重ねました。既存のノートの形状にとらわれないぶん、レイアウトの自由度がありすぎるという難しさもあって、コンセプトが固まるまでには、いろんなアイデアが発散しては収束していったのです。
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従来機のVGN-U50(左)とUX50(右)。キーボード搭載に加え、本体のサイズも小型化している |
[編集部]
開発の期間はどのぐらいかけられたのでしょうか。
[鈴木]
開発を開始したのが昨年の4月ですので、1年強ですね。そのうち4ヵカ月ぐらいはコンセプトを練るために費やしたと思います。通常以上に時間をかけています。
[編集部]
スライドキーボードという点では、一足先に『W-ZERO3』が市場投入されてしまいました。意識された面はあったのでしょうか。
[鈴木]
W-ZERO3が発売された時点ですでに、アイデアや仕様はおおむね決まっており、試作を始めている段階でした。直接参考にはしていませんが、カテゴリーは違えど、似た形状だったため、先に発表されたことは、少しショックでしたね。
[編集部]
このパネルサイズで、キーボードを搭載しようするとどうしてもこの形になってしまうということなんでしょうか。
[鈴木]
画面をスライドさせて、キーボードを露出させる以外にも、いろいろなアプローチがあったとは思います。例えば、クラムシェル型(貝のように中央のヒンジで折りたたむ形状)にしてもよかったんですよ。しかし、「それでは少しつまらないな」と感じたのと、使い勝手を向上させる上で、閉じた際にどうしても液晶を上向きにしたかったんです。クラムシェル型でそれをやろうとすると、液晶パネルを回転させるための機構が必要で、操作も複雑になってしまいます。技術的にはできるんですけど、気軽さを考えると、スライドさせたほうがいいと考えたわけです。
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type U(左)とW-ZERO3(右)のそれぞれで文字を入力しているところ |
[編集部]
これ以外にも面白いアイデアがあったのでしょうね。
[鈴木]
画面を斜めにスライドさせて、下側にQWERTYキーボード、右側にテンキーを露出させるというアイデアも考えました。ディスプレーが斜めにスライドすると、L字型のスペースが取れるという利点があるのですが、強度を含めた技術的な難しさがあり、断念しました。
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