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【今週の特集】GeForce? それともRADEON? まだまだAGP? そろそろPCI Express? 気になるグラフィックスカードの話題をまとめてチェック!
2005年4月16日
アンケート結果から見る、イマドキのグラフィックス環境!!
趣味はベンチマークテスト、目的は少しでもスコアアップ! が自作パソコンユーザーの合言葉だった時代も今は昔。最近はノートパソコンでも最新3Dゲームが快適に遊べるなど、着実にユーザーが体感する3Dグラフィックス環境は向上している。4月第3週の【今週の特集】は、そんなグラフィックス環境の現状をまとめてお届けしよう!
今週のアンケートにご協力ください!
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ASCII24では毎週末に、ASCII24読者の皆様に参加いただく「今週のアンケート」を実施しています。今週は最新パソコン夏モデルについてお尋ねします。
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アンケート結果発表!!
それでは“第219回 グラフィックスアクセラレーターについて”のアンケート結果から、回答者が今どのようなグラフィックスカードを使い、どう感じているのかについて見てみよう(なお以下の記事では、ビデオカード、グラフィックスアクセラレーターなどを総称してグラフィックスカードと表記する。またビデオチップ、グラフィックスチップなどはGPUと表記する)。
最初の設問では、回答者が使用しているグラフィックスカードのGPUの種類についての質問を行なった。非常に選択肢が多いのでかなり回答が分散したが、RADEON 9500/9550/9600が最も多い18.8%を獲得した。意外だったのは2位がGeForce3以前の米エヌビディア(NVIDIA)社製GPUだった点(12.9%)だ。GeForce4が登場したのは2002年前半のことだから、かなり長くグラフィックスカードを交換せずに利用している人が多いということになる。一方で、メーカーや種類を問わずにDirectX 9世代のGPUの所有割合を計算してみると、合計で約72%となった。DirectX 9時代が2002年12月の正式リリース後2年半も経過している点、インテル(株)のIntel 915G Expressチップセットのように、DirectX 9世代のグラフィックス機能をサポートしたグラフィックス内蔵チップセットも登場している点を考えると、DirectX 9世代GPUはユーザーの間に定着したと言ってもよさそうだ。ちなみにNVIDIAユーザーとATIテクノロジーズ(ATI)ユーザーの比率は、NVIDIAが61.7%、ATIが48.6%でNVIDIAに軍配が上がった。
設問2はノートパソコンの搭載GPUに関する質問だったが、選択肢に含まれないGPUが予想外に多かった。最もユーザーが多いのはIntel 855/852チップセット内蔵グラフィックス(11.3%)で、同チップセットを搭載するノートパソコンの多さを裏付ける結果となった。逆に言えば、3Dグラフィックス機能に乏しいノートパソコンがまだまだ使われているということでもある。
グラフィックスカードの接続インターフェースをたずねる質問では、回答のほぼ70%がAGPという結果だった。PCI Expressを選んだ回答は、グラフィックス内蔵チップセット/(10.7%)よりも少ない(9.2%)。AGPベースのシステムからPCI Expressベースのシステムに移行するには、事実上CPUとマザーボード、グラフィックスカードをフルに買い換えなければならないという実情を鑑みれば、PCI Expressへの移行に時間がかかるのは当然と言えようか。また、グラフィックスカードの価格の目安についてたずねた設問では、2万円以下が最も多く(43.1%)、次いで3万円以下(22.6%)、1万円以下(16.4%)という結果となった。3万円を大きく超えるような高額のハイエンドグラフィックスカードを買い求める回答者は10%程度にとどまる。
グラフィックスカード選びで重視する項目についてたずねた設問4では、価格が1位(64.7%)でスペックが2位(40.5%)という結果は当然とも言えるが、3位が安定性(20.7%)、4位には静音性(20.0%)がランクインしたのは興味深い。特にゲームなどでは、グラフィックスカード自体やビデオドライバーの問題で、ゲームやパソコンそのものの動作に支障を来たすことも少なくないことを考えると、安定性を重視する人が多いのはうなずける。また近年のミドルクラス〜ハイエンドGPUの、消費電力の高さによる冷却ファンの大型化と騒音の増加を、不快に感じている回答者が多いという証明と言えよう。
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GPUを選択する際に、重視するのは次のうちのどれですか(2つまで回答可能) |
グラフィックカードを購入する際に、“具体的な使用目的”の有無についてたずねた設問では、ゲームと答えた回答者が32.8%と最も多かった。日本では長らくパソコンゲーム市場が低迷していて、3Dグラフィックス性能に優れたグラフィックスカードのニーズも低いと言われていたものだが、『ファイナルファンタジーXI』や『リネージュ II』などの優れた3Dグラフィックス性能を要求するオンラインRPGの隆盛が、状況を変えつつあるという現われだろうか。同様の傾向は“「グラフィックスカードを買いたい」と思う時(きっかけ)は”という設問の回答からもうかがえ、こちらでもゲーム/アプリケーションの性能に不満を感じた時が最も多い回答(44%)を集めている。買い換えのきっかけについての設問では、パソコン/マザーボードを交換/新規購入する時という回答も、41.5%の2位と非常に多かった。
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グラフィックスカードを購入・検討する際に最も重視する“具体的な使用目的”はどれですか。該当するものをお選びください |
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「グラフィックスカードを買いたい」と思う時(きっかけ)は、どのような時ですか。次の中から当てはまる/近いと思えるものをお選びください。(2つまで回答可能) |
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ゲームに関する設問では、最近のグラフィックスカードでよく見かける、人気ゲームによる“推奨”についての読者の見方についてもたずねてみた。結果は推奨を肯定的に捉えている回答が約47%、否定的または関心がないとする回答が約50%と、拮抗した結果となった。肯定的な回答者の割合の多さを考えると、人気ゲームによる推奨は、グラフィックスカードの選択に一定の効果を発揮していると見てよさそうだ。
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最近のグラフィックスカードでは、人気ゲームの「推奨」をうたっている製品があります。ゲームによる推奨については、どうお感じですか |
設問8〜9にかけては、アプリケーションに寄った設問を用意した。まずグラフィックスカードに付属するゲーム/アプリケーションを利用するかについての設問は、“使う派”が約26%に対して、“使わない派”が約45%と、使わないという回答者のほうが多かった。ドライバーソフトだけ使うという回答を含めると、使う派も約41%まで上がる。上記の設問を踏まえて付属アプリケーションの要不要をたずねた設問でも、ドライバーソフトだけは必要で、それ以外は不要(27.3%)、不要だと思う(26.2%)という答えが多く、製品選択の際に積極的に選ぶという回答は約9%と振るわない。ウェブサイトでの最新ドライバー/アプリケーションの提供が一般化した現状では、当然とも言える結果であろうか。
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グラフィックスカードに付属ゲームやアプリケーションは必要だと思いますか |
最新GPUのニュースをまとめてチェック!
それでは最近のニュースの中から、最新のGPUやグラフィックスカードの話題をピックアップしてみよう。話題の中心は米エヌビディア社(NVIDIA)のGeForce 6x00シリーズと、カナダATIテクノロジーズ社(ATI)のRADEON Xx00シリーズだ。まずはNVIDIAのGeForce 6x00に関する話題から追ってみよう。
ちょうど1年前に登場したGeForce 6800
今からちょうど1年前となる2004年の4月、NVIDIAはGeForce 6x00シリーズの最初の製品となるハイエンドGPU『GeForce 6800』シリーズ(コード名:NV40)を発表した。DirectX 9のプログラマブルシェーダーの最新仕様“3.0”をサポートし、ジオメトリーパイプラインを6、32bit浮動小数点に対応するピクセルパイプラインを16本搭載。メモリーインターフェースも256bitと、仕様面では現在でも最強のGPUだ。ピクセル演算を行なうユニットを並列動作可能にするなど、並列処理能力の強化でさらなるパフォーマンス向上を図っている。ただしパソコン側チップセットとのインターフェースはAGPで、PCI Expressはブリッジチップを介しての接続となっていた。当時はまだPCI Expressをサポートするチップセットが登場していなかったので、「当分はAGPが主力なのだから、AGPでのパフォーマンスを重視しよう」というNVIDIAの判断は妥当だろう。現在ではGPU内にPCI Expressインターフェースを搭載したバージョンのGeForce 6800(NV42)が登場しているので、ブリッジチップによるパフォーマンス面のハンデはない。
また、GeForce 6800の登場時に話題となったのは、GPU内にプログラマブルなビデオプロセッサー機能を搭載して、GPU側でのビデオデコード/エンコードを高速に行なうという点だった。この機能は後に“PureVideo”と称されて、GeForce 6x00シリーズの特徴のひとつとなるのだが、実際にはPureVideoを正式サポートするビデオドライバーソフト『ForceWare 71.84』が登場したのは、なんと今年3月! それまではβ版のドライバーソフトでしか利用できなかった。そのうえ現時点ではビデオデコードのアクセラレートは可能だが、期待されたエンコードについてはフォローされていない。
しかし、例年ではほぼ半年ごとにハイエンドGPUに新製品が登場していたことを考えると、1年間それを上回るGPUが発表されなかったというのは驚くべきことだ。これはライバルであるATIにしてもほぼ同様で、2大GPUメーカーの製品開発サイクルに大きな変化が生じていることをうかがわせる。一説には両社とも家庭用のゲーム専用機向けGPU開発にリソースを取られて、パソコン用GPUのスケジュールが遅れているのではないかという話もある。次のハイエンドGPUが登場するのは、いつになるのか、現時点では不明だ。
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いち早く『GeForce 6800 Ultra』を搭載した日本ギガバイトの『GV-N68U256VH』(撮影用にファンをはずしたもの) |
ATIはネイティブPCI Express対応のRADEON X800で追撃
対するATIは、2004年5月に、ハイエンドGPU『RADEON X800』(コード名:R420)シリーズを発表した。ATIはNVIDIAよりもPCI Expressのネイティブ対応に積極的で、1ヵ月後にはPCI Expressにネイティブ対応したRADEON X800、X600、X300シリーズを発表した。この時点でATIは、ハイエンドからメインストリーム、バリューの3セグメントに渡るGPUのすべてをPCI Expressネイティブ対応で揃えている。ATIの最新ラインナップ発表後まもなく、インテル(株)がPCI Expressインターフェースを備えたチップセット“Intel 925X/915PM/GM Express”を発表しているので、ATIはタイミングを合わせたといえる。
アーキテクチャー自体を全面刷新したGeForce 6800シリーズと異なり、RADEON X800は前世代のRADEON 9800シリーズのアーキテクチャーを受け継ぎ、パイプラインを倍増したデザインを取っている。ジオメトリーパイプラインは6本、ピクセルパイプラインは16本、メモリーインターフェースは256bitと、数字の面ではGeForce 6800と変わらない。メインストリームセグメントのRADEON X600シリーズはジオメトリーパイプラインが4本、ピクセルパイプラインは8本、128bitメモリーインターフェースを備える。バリューセグメント向けのRADEON X300では、ジオメトリーパイプラインが2本、ピクセルパイプラインが4本、メモリーインターフェースは64bitまたは128bitである。
パイプライン数やメモリーインターフェースを除けば、Xx00シリーズのアーキテクチャーは共通で、対応するプログラマブルシェーダーのバージョンは、RADEON 9x00世代と同じ“2.0”。またピクセルパイプラインの演算精度も24bit浮動小数点のままである。もっとも現状ではまだプログラマブルシェーダー3.0をフル活用したゲームはまれであり、エンドユーザーにとってはNVIDIAとATIのアーキテクチャー上の違いはあまり気にならないのが正直なところだ。ちなみにピクセルパイプラインを使ってビデオデコード/エンコードを高速化する“VIDEOSHADER HD”機能も、Xx00シリーズは備えている。
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RADEON X800 XTを搭載する台湾ASUSTeK Computer社製PCI Express対応グラフィックスカード『Extreme AX800』 |
ハイエンドを超えるにはカードを2枚差せ!? NVIDIA、SLIを発表
アーキテクチャーの進化やパイプラインの増加、対応メモリーや接続インターフェースの高速化がGPUのパフォーマンス向上の手段という時代に、NVIDIAが一石を投じた。それが2004年8月に、メインストリーム向けGPU『GeForce 6600』と共に発表された、2枚のグラフィックスカードを使用してパフォーマンスを高める技術“SLI(Scalable Link Interface)”である。GeForce 6600/6800シリーズを搭載するPCI Express対応グラフィックスカードを、1台のパソコンに2枚装着し、それぞれのカードで描画処理を分担して行なうことで、1枚では達成できないパフォーマンスの向上を実現しようという企画だ。「GPUが1つで足らないなら、2つに増やしてしまえ」という考え方は、1990年代後半に3Dグラフィックスカード界を席巻した米3dfx社のGPU“Voodoo2”で実用化されたアイデア。3dfx自身は激しいGPUの性能向上合戦に敗れ、2000年にNVIDIAに買収されて企業としては消滅したが、残したアイデアの一部が、2004年になって復活したということで、大きな話題を呼んだ。
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グラフィックスカードを2枚並列で動作させるという、究極の力技パワーアップ“SLI”。金に糸目を付けないハイエンドゲーマー向けアイデアだが、実際にベンチマークテストの成績は大きく向上する |
ただし、Voodoo2の2枚並列動作機能“SLI(Scan Line Interleave)”と、GeForce 6600/6800のSLIとは、略称のSLIこそ同じでも動作原理はかなり異なる。画面横方向の奇数ラインと偶数ラインを2枚で分担して交互に描き、アナログ出力を合成していたVoodoo2のSLIに対して、GeForceの新しいSLIではグラフィックスカード同士を専用の独自コネクターで直結し、画面の内容に応じて2枚のカード間で動的に負荷を割り振る機能を備える。ただし2枚のグラフィックスカードは、搭載GPUやメモリーなどの仕様が同一で、SLI接続用コネクターを備えている必要がある。また、チップセットとの接続にはPCI Expressを使うのだが、グラフィックスカード用のPCI Express x16を2枚分(2スロット)正式にサポートするチップセットは発表当時存在せず、マザーボードメーカーが独自に拡張したPCI Expressインターフェースを使わなくてはならない状態が長く続いた。しかし、ようやく2004年末に、NVIDIA自身がSLIを正式サポートするAthlon 64用チップセット『nForce 4 SLI』を発表したことで、チップセット正式な機能としてSLIをサポートする製品も登場し始めた。もっともnForce 4 SLI搭載マザーボードでSLI接続を実現する場合には、グラフィックスカード用のPCI Express x16インターフェースが、半分のPCI Express x8にまで下がるという制限もある。また、インテルが今年第2四半期中に投入を予定している“Intel 955X Express”チップセットでは、ブリッジチップを介してのPCI Express x16 2本構成も可能とされている。
そこで、本来PCI Express x8/x16を2スロット必要とするSLIを、1枚のカード上で実現してしまおうというグラフィックスカードも登場した。日本ギガバイト(株)が発売した『GV-3D1』がそれだ。GPUの仕様上は不可能ではないとされているので、こういう製品もありなわけだ。GeForce 6600 GTを2チップ搭載し、メモリーは256MB。価格は6万円台後半ということで、ハイエンドグラフィックスカードの登場直後の価格と変わらない高価な製品だが、スロット1つでハイパフォーマンスが得られるのは、なかなか魅力的な製品と言えよう。
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日本ギガバイトの『GV-3D1』。1枚のカード上に2つのGPUと256MBメモリーを搭載するモンスターカード |
AGP版のGeForce 6600が思わぬ人気商品に?
GeForce 6x00シリーズやRADEON Xx00シリーズは、基本的にGPU自体にPCI Expressインターフェースを内蔵している。パソコンパーツショップ店頭に並ぶグラフィックスカードも、比率としてはPCI Expressカードの方が多くなってきている。しかし先のアンケートの結果にもあるように、PCI Expressベースのシステムを導入しているユーザーは、まだまだ非常に少ない。新しいグラフィックスカードは欲しいが、パソコンをまるごと更新するのは予算的に許されない……。ユーザーにとっては悩ましい問題だ。そんな事情を反映してか、思わぬ人気商品になったのが、“AGPインターフェースを採用したGeForce 6600シリーズ搭載カード”である。
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(株)エルザジャパンのAGP版GeForce 6600 GT搭載カード『ELSA GLADIAC 743 GT AGP 128MB』。ちなみに筆者もこれを買いました |
「グラフィックスカードを更新したいが、PCI Express化のためにCPUやマザーボードまで入れ替える余裕はない」という人や、「GeForce 6800シリーズはAGP版もあるけれど、ハイエンドなので高い」という人に、AGP版で価格が2万円台後半〜3万円台前半、性能も一世代前のハイエンドGPUと同等以上というGeForce 6600シリーズのAGP版はもってこいの製品だ。実際秋葉原のパーツショップでの売れ行きも好調だったようだ。最近ではメモリーを256MB搭載したハイエンド製品に迫る仕様のAGP版GeForce 6600カードも登場しているほど。逆に言えば、GPUはまだPCI Expressのメリットを生かし切れておらず、AGP版でも性能は十分と消費者が考えているとも言えよう。いずれにせよPCI Expressの普及には、まだ時間がかかりそうだ。
ノートにもDirectX 9世代 GPUが普及 2社の死闘はノートでも激しく
ATIが1990年代後半からノートパソコン用GPUに力を入れていたこと、またNVIDIAのGPUはハイパワー&大消費電力の傾向が強く、熱設計の難易度や消費電力への要求が厳しいノートパソコン分野では出遅れたこともあって、2004年前半までは、ノートパソコン用GPUはATIが強い分野であった(それ以上に強いのが、インテルのノート向けチップセット内蔵グラフィックスだが)。しかし2004年の後半から2005年にかけて、NVIDIAもGeForce 6x00シリーズのノート向けバージョン“GeForce Go 6x00”シリーズを投入。多くのパソコンメーカーがNVIDIAのノートパソコン用GPUを採用しつつあり、例年とは異なる様相を呈している。
発端となったのは、NVIDIAが2005年1月に発表した『GeForce Go 6200 with TurboCache』(GeForce Go 6200TC)だ。その1ヵ月ほど前にも、同社はハイエンドノートパソコン向けGPU『GeForce Go 6800』シリーズをリリースしていたのだが、処理性能が高い反面、デスクトップパソコン用GPU並みに高い消費電力(&高いコスト)になってしまい、日本でこれを採用した製品はほとんどなかった。米国でもデスクトップ向けPentium 4を搭載するような大型のデスクノート(デスクトップ代替ノート)くらいにしか使われていない。それに対してGeForce Go 6200TCはバリューセグメントのGPUなので、パフォーマンスでは6800には到底及ばない。しかし低クロック動作でトランジスター数も少ないチップであり、おまけにTurboCache技術を使えばメインメモリーの一部をグラフィックス用メモリーとして使用できるため、GPU用のメモリー代が安く済む。基板上に占める実装面積も狭くできる。こうした利点が支持されてか、GeForce Go 6200TCはパソコン慣れしたユーザーが好む、2スピンドルタイプのモバイルノート(ソニー(株)や(株)東芝など)にも採用されてきている。
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GeForce Go 6200TCを採用するソニーの『VGN-S73PB/B』 |
またA4サイズのデスクノートクラスでは、よりパフォーマンスの高い『GeForce Go 6600』を採用する製品も登場してきている。GeForce Go 6x00シリーズはいずれもチップセットとの接続インターフェースがPCI Expressであるため、これらのGPUを搭載するノートパソコンは、ほとんど例外なくインテルの最新ノート向けチップセット『Intel 915PM Express』を搭載している。したがってGeForce Go 6x00を搭載するノートパソコンは、GPUだけでなく、システム全体の性能も高い製品が多い。ノートにもパフォーマンスを期待するユーザーには喜ばしい傾向だ。
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GeForce Go 6600とメモリーを搭載したモジュール“MXM”。ノートパソコン向けのGPUモジュールの規格でも、NVIDIAとATIは異なる規格を掲げて対決しているが、こちらはNVIDIAが有利か |
一方のATIと言えば、『MOBILITY RADEON X300』シリーズが採用されてきているものの、今ひとつ目立った勢いがない。2005年1月には、ノート向けとしてはハイエンドに位置するGPU『MOBILITY RADEON X700』を発表しており、これが得意のモバイル分野での巻き返しを見せるか、期待したいところだ。
チップセット内蔵グラフィックスもDirectX 9世代に移行
最後にグラフィックス機能内蔵チップセットの動向について見てみよう。チップセット分野でも最大のプレイヤーはインテルであるが、2004年以前の同社のグラフィックス機能内蔵チップセットはDirectX 7世代の古いアーキテクチャーを採用しており、3Dゲームなどを動かすには荷が重かった(たとえばファイナルファンタジーXIは基本的に動作しない)。さらに次世代Windowsである“Longhorn”では、DirectX 9世代のGPUが推奨となる予定で、ゲームだけでなく将来OSへの対応を視野に入れると、グラフィックス機能内蔵チップセットの機能向上は欠かせない。
インテルのチップセットがDirectX 9世代のグラフィックス機能を搭載したのは、2004年6月に発表された“Intel 915G/GV/GL/910GL Express”からである。“Intel GMA(Graphics Media Accelarator) 900”と呼ばれるこの内蔵グラフィックス機能は、プログラマブルシェーダーのうちピクセルシェーダー2.0の機能を備えており、ピクセルパイプラインは4本。頂点演算を処理するバーテックスシェーダーは、CPUによるエミュレーションで処理する。また2005年1月に登場したノートパソコン向け初のPCI Express対応チップセット“Intel 915GM/GMS/910GML Express”にも、同じIntel GMA 900が搭載されている(消費電力を減らすため、グラフィックス機能の動作周波数は低めとなっている)。バーテックスシェーダーの機能をCPUに依存したり、グラフィックスカードに比べればメモリーの速度が遅かったりするため、性能面ではNVIDIAやATIのバリューセグメントGPUを下回る程度となる。しかしDirectX 9ベースの機能をとりあえず備えたことにより、チップセットの内蔵機能でも最新のゲームをとりあえず楽しめるようになったのは大きな進化と言える。
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ノートパソコン向けの『Intel 915GM Expressチップセット』。チップセット内蔵のグラフィック機能の能力を大幅に向上させた |
NVIDIAはいまだに、DirectX 9世代のグラフィックス機能を内蔵するチップセットはラインナップしていない。対するATIでは、RADEON X300相当のグラフィックス機能を内蔵するAMD CPU対応チップセット『RADEON XPRESS 200』を、2004年11月に発表した。Intel 915Gシリーズとは異なり、XPRESS 200はプログラマブルシェーダー2.0に対応したバーテックスシェーダー、ピクセルシェーダーの両方を備えている。ピクセルパイプラインの数などは公開されていないが、X300の4本よりも少なく、そのためにパフォーマンスもやや低いと見られている。また、チップセット側にローカルビデオメモリー(GDDRメモリー)を最大128MB接続する“HyperMemory”機能によって、メインメモリーだけを使うIntel 915Gシリーズよりも優れたグラフィックス性能を実現しているという。対応するCPUがAthlon 64/Sempronシリーズということもあって、Intel 915Gシリーズと比べるといささか知名度は低いが、安価なチップセット内蔵グラフィックス機能でもバリューセグメントのGPU並みの性能を発揮できるというのは、コストパフォーマンスを重視する自作マシンユーザーには魅力的ではないだろうか。
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チップセットにRADEON XPRESS 200を搭載したデモシステム。CPUはAthlon 64 |
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